特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

残された時間 ~後編~(公開コメント版)

2021-02-03 08:33:34 | ゴミ屋敷
女性の両親は共に聾唖者で、父親は幼少期に、母親もだいぶ前に亡くなり、兄弟姉妹もおらず、女性自身、結婚歴もなし。
父が亡くなって以降、将来を悲観した母親から心中を持ちかけられたりと、悲しく悔しい思いをしたことも少なくなかった。
生前の母親との関係も良好ではなく、手話をおぼえる気も起きず、血縁的には孤独な身の上だった。
苦難の多い少女期を過ごして後、大人になると誰を頼ることもなく懸命に働き、駅近の好立地にマンションを購入、四匹の愛猫との幸せな暮らしを手に入れた。
また、その人柄から、親しく付き合える友達が何人も与えられた。

女性が癌を患ったのは十年以上も前、それから長い闘病生活がはじまり、再発・転移を繰り返し、徐々に悪化。
しかし、悪いことは重なるもの、癌を患っただけでも充分なのに、勤務先の倒産・失業・・・災難が女性に襲いかかった。
多くの苦難に遭遇、ツラいことばかりが起こり、辛酸という辛酸を舐めつくし、自殺を考えた時期もあった。
癌の悪化で働くこともままならなくなり、貯えは底を尽き、生活のために借金。
ようやくありつけた正社員の仕事も5日でクビになり、闘病しながらの生活はどうにも回らなくなってしまった。
 


5 コメント

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Unknown (Unknown)
2021-02-03 09:45:46
「人の心に“よい実”を実らせること、決して“無”ではないこと」
を、いくばくかでも救いに感じていただけるのなら。
私もこのブログを通して知ったKさんのこと、その生き様を心に刻んで、私なりに「よい実」を実らせられるよう、日々を過ごしたいと思います。
Kさんが少しでも楽しく、安らいだ時間をすごせますよう、お祈りしています。
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Unknown (Unknown)
2021-02-03 10:36:13
力作をありがとうございます。
そして、この記事を公開することに同意してくれたK子さんにも感謝します。
こんなご時世だからこそ、この話を胸に秘めて、自分なりに強く生きていきたいと思います。
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Unknown (Unknown)
2021-02-03 11:40:04
ありがとうございます。
思わず背筋がしゃんとする内容でした。
私も癌闘病中です。
私の中にも、K子さんの一粒の麦が刻まれました。
実を結ぶように生きていこう、と思います。
この貴重な出会いを、たくさんの人に伝えてくださり、感謝いたします。
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Unknown (める)
2021-02-03 11:42:19
こちらのブログずっと拝読しております。
初めてコメントさせて頂きます。
K子さん、隊長、私も書き綴られたお話ずっと忘れません。
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Unknown (元カート屋)
2021-02-03 22:09:42
隊長!

どうしましょう?

自分にも何か出来ませんか?

介助などの資格も経験も何も無いので、何の役にも立たないと思うのですが…幸な?事に自営に成った上コロナ猛不況の最中に居り時間だけは存分に有ります。

車中泊仕様のクルマも有りますので何処でも寝場所には困りませんが…何か、けいこさんの為に出来る事は有りませんでしょうか?

「遠方よりご無事を祈って居ります」では我慢出来ません。

隊長の手や心を煩わせてしまうのは心苦しいのですが、話の序で結構ですので「けいこさんと同じ、隊長好きの輩がさ、何か出来る事はないか聞いてくれ!と言って引かなくて困ってるんです!アカの他人に用事なんか有る訳無いのは分かってるけど、どうしてもって言うモンで…ってノリで伝えては頂けませんてしょうか?
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