巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
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大人なオトナ

2017-09-26 19:08:13 | 
遥か遠くの一点を見つめる瞳
誰も君ひとりに押し付けやしない
一緒に泥舟に乗ろうじゃないか
もはや変化は億劫だね
でも恐るには足らずってところ

優しさが足りないのかな
君ばかりじゃない
僕達みんな地球温暖化の共犯者
人間失格を地で行く子供達
臆するどころか胸を張る

夢だけで食べていけるような
幻想は持ってない
完璧な論理で説き伏せるような
理想は持ってない
愛想だけで帳尻を合わせるような
オトナの技など持ってない
僕には不要だから

重ねた唇が冷たくて
失う間際の関係が怖いね
このまま凍てつく寒さで
すべてがひび割れるこの世界

当て所なく彷徨っていいよ
僕のことなら心配しないで
いつでも呼び出せばいいさ
結末は二人とも同じだから

そろそろ夜の街へ消える時間
不毛なストレス消化タイム
明日の仕事くらい消えてくれよ

孤独を愛す厭世家

2017-09-26 00:24:58 | 
行き交う人の群れが
すーっと退いて
僕の行く手を遮るものはない
どうせこのままどこかへ
消えてしまうんだろう
君の周りを支配する空気は澱む
約束なんて記憶にないさ
僕は常に追われる身
君を構う余裕などない
早く消えてしまえ
僕も消えてやるから
何の為に出会ったのかも
もはや忘れてしまった
君の価値も僕の価値も
究極的には何もないのだから
遣り場のない優しさなんていらない
それはただの同情だよね

狂った闘犬が牙を向く
僕は無駄死にしたくないから
迷宮をひたすら逃げる
出口への最短経路はどこだ
僕はまだこの場に不慣れなんだ
頂きを目指す亡者の群れ
逃げ出そうとすると人集りができる
どうしてこううまくいかないんだ
夜空さえ望めない地下鉄の中で
僕はきゅっと身を潜める
こんなふうに小さくなって
僕らは体育座りすらできない空間の主
こうやって休んでるんだ
苦よりも楽を選ぼうか
疲労とは別次元の痛み
君は僕以上に気楽だね
何のしがらみもなく
存在感を極限まで消して
そのまま消えることさえ自由なんだ
クソみたいな人生を呪いながら
君はスーパースターを夢見るのか
いつの日か、僕はヒーローに生まれ
何もする前から運命づけられている
羨望とは別次元の感情
誰かになりたいと思ったことなどない
憧れなんて眩しいだけで
孤独も知らず誰もいらない
呑んでクダまける相手さえいれば

もう夕陽は昇らない
外は漆黒の闇が支配する
こんな夜はネオンサインに彩られた
街をふらつけばよかったんだ
嫌いな連中が山ほどいるよ
ずっと心を殺して息を潜めて
頂点と底辺を重ね合わせる
オマエが目指すその頂きは
グシャリと潰れて直線になる
誰も彼も均しく人間
世界中の三角形を潰して回る
深すぎる闇に抱かれ
水面に顔を出そうと抗う
人生なんて、日常生活なんて
いつか脆く崩れる、その瞬間に
立ち会うのは誰あろう
仁王立ちした造物主の嘲笑い