ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

業務用の機体強度に付いて・・・パート2

2012-02-05 14:30:47 | マテリアル
昨日のブログの、続きである。

まだ、昨日のブログを読んでいない方は、話のつじつまが合わないので、
そちらを読んでから、このブログを見て欲しい。


前置きはこれ位にして・・・

業務用に使用する時に問題となったアッパーフレームを、取り敢えず強化した。

メインギヤ滑の主な原因が・・・そこに有ったからだ。


純正のフレームでは剛性が足りない為に、エルロンの操舵時にフレームが捻じれて、
ギヤのバックラッシュが狂ってしまう事が、原因だったのである。

勿論、模型用途に使用する場合は、十分な強度があるのだが・・・業務に使用するとなると、
なかなか、そうは行かないのが常である。

又他の要因として、ユーザーサイドによる、バックラッシュの調整が適正に行われていない事も
原因の一つではあるのだが・・・。


そう言えば・・・昔、初期のスカディーでも同様のトラブルが有った。
3Dフライト等で、ロール方向に急激にフリップさせると・・・一発でメインギヤが滑た。

その後、直ぐフレームの材質・形状を変更したEVOになったので、ご記憶の方も多いのではないかと思う。


そんな訳で・・・業務用に使用する際に、弊社のスペシャルフレームに換装する事で、
ほぼメインギヤの破損は皆無となったのである。


その社長の口コミで(そこら中に吹きまくって頂いた)・・・お蔭様で、現在も数社の空撮機に
このスペシャルフレームが使われていて、ほぼ毎日・・・何処かの空を飛んでいる・・感謝・感謝。


ところがである・・・メインギヤの問題がほぼ解決すると・・・当然、安心して飛行させられる様になる。


すると・・・もっとペーロードを掛けたくなるのが人情と言う物・・・。


そこで、リフター800と言うメインローターのペイロードテストを兼ねて、メインギヤの強度試験を実施した。

機体の状態を見ながら、どんどんペイロードを増して行き、最終的に7400gのペイロードを掛けてみた。

その状態の機体全備重量は・・・なんと14700gである。

VoyagerGSRの機体重量は、7300g(燃料500cc含む)である。

標高600mの高地で、ほぼ機体重量と同じだけの、ペイロードを持ち上げているのである。


このペイロードは、26ccのガソリンエンジン搭載機で、標高600m付近で作業を行う場合に、
安全に運航出来る・・・ほぼ限界重量の様であった。


この状態は通常で有れば・・・完全にペイロードオーバーである。

勿論その状態の機体を飛行させる際には・・・操縦を少し丁寧に行う必要がある。


それでも・・・エンジンのオーバーヒートや機体の沈み込み等が、全く発生しなかったのは言うまでもない。

このペイロードを安全に持ち上げる事が出来る理由は、リフターと言う超高揚力のメインローターに因るところが
非常に大きいのだが、やり方次第では26ccのエンジンでも、こんなペイロードが持ち上がってしまうのである。

処が・・・このテストで新たな問題が浮上してしまったのである。


その問題とは・・・メインギヤ自体の強度である。

やっと調子よく飛行できる様になったと言うのに・・・またまたメインギヤの強度の問題が浮上してきたのである。

テスト終了後に、機体各部を点検した・・・すると・・・メインギヤに異常が認められたのである。

実際には・・・・ギヤ滑などは皆無であったのだが・・・ポリアセタール製のギヤの歯の部分が少し変形していたのだ。


市販の機体を使用すると・・・しばしばこの様な状況に陥る事が多いのである。

一個所直せば・・・他の個所にしわ寄せが・・・それを直すと・・・また他の個所が・・・と言う具合にだ。

市販の機体を業務に使用出来るレベルに仕上げるには・・・何と体力と気力がいる事か・・・。


まあ・・・それも半分好きでやっているので・・・そんな状況も少し楽しんでいるのだが・・・。

そんな訳で・・・メインギヤを何とかしなければならなくなってしまった。

次回に・・・続く。