ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

アクティブカメラジンバルの設定を請け負ったが・・・

2013-04-05 05:05:17 | メンテナンス
弊社のビデオ送受信システムをご購入頂いたユーザーから、その無線機器の搭載や
雲台制御用プロポの交換・改造及び調整を請け負った・・・。

勿論・・・プロポの交換・改造及びアクティブカメラジンバルの調整等は難なく
終了したのだが・・・???


お預かりした機体には、少し珍しい制御ボードが搭載されていたので、
各部を観察していた処・・・結構ヤバイ(危険な)個所が次から次へと見付かったのである。


多分・・・この機体は、もしも弊社でビデオ送受信システムを購入しなかったら、
恐らく極々短時間の内に・・・それも火の玉となって墜落しただろう事が容易に想像できた。

マルチコプターも高級機になれば、カーボンを多用している事が多い。

実はそこに、大きな落とし穴が有るのだ。


その証拠の一つが・・・この写真だ。



比較的振動の少ないマルチコプターと言えども、配線がカーボン材料の端面に接触していると、
使用(飛行を)している内に、この様に被服がいとも簡単に切れて芯線が露わになってしまうのである。


この様な現象も、なかなか気が付かない事も有得る事から、カーボンに接している部分に付いては
特に注意が必要であろう。

しかし・・・後で聞いた処、この機体を製作したのは外国のメーカー?だと言う。

そんなメーカーでさえも・・・こんな基本的な事が判らないのか?・・・と、危惧を覚えたのは言う迄もない。


その他にも危険な個所が・・・



上記の写真を良く見て欲しい・・・パイプクランプに配線が挟まれてしまっている。


幸いにして、この個所の配線は被服が切れておらず、取り敢えずショートする様な事は無かったのだが・・・
多分、ここも時間の問題だったと思う。

その他にも・・・


この機体に搭載されている制御系は基板がむき出しで、我々日本人からすると・・・これはもしかしたら
試作品か?と思わせるような代物だったが・・・実際に飛ばしてみると、そこそこの性能を有している様だった。

しかし問題は・・・そのむき出しの基板にあった。



エポキシ処理もされていない基板のアチコチに、配線が接触しているのがお判り頂けるだろうか?



そこでこのユーザーには、カーボン材料に配線が擦れてショートすればどの様になるのか?を、
実際に見て貰った。


ショートさせた瞬間・・・カーボン材が真っ赤になった・・・。


事実は事実として認識する必要が有るので、敢えて実験して実際にどうなるのかを見て頂いた訳だが・・・。

この様な危険なテストを、実際に行って見せる会社は他には無いとは思うが、実際にその結果を
目の当たりにして頂いた事で、今後に生かして頂けたら弊社も嬉しい。


百聞は一見にしかず・・・人間誰でも同じ・・・実際に体験して見なければ、
事の重大さ加減も理解できないのである。


この事からも・・・物事は何事も常に自分でやって見て、深く掘り下げて欲しいと
弊社では提唱している訳で、買ってきたモノをただ使ったり、人の作ったモノを
安易に信用して、そのまま使用する事だけは無き様、お願いしたいのである。



それから、昨日普通に飛行したからと言って、今日普通に飛行出来るとは
必ずしも限らないのである。

そんな事からもプリフライトチェックもアフターフライトチェックも、両方共欠かせない作業である事を
常に念頭に置いて、安全な作業をお願いしたいと思っている。



以上の危険個所には、その後対策を施してテストフライトに臨んだ。


勿論、その後のテスト飛行を行なう際にも、プリフライトチェックを念入りにして欲しいと
・・・お願いした事も言うまでも無い。



整備が行き届いた機体は、その後恰も何事も無かったように・・・機体は、無事大空へ向かって
軽やかに飛翔した。



この日搭載していたカメラは・・・EOS5D Mark3である。

このカメラのライブビューモードを使用して、被写体のモニタリング試験も同時に行った。



このユーザー・・・それまでは他社のビデオ送受信システムを使用していたそうだが、映像が乱れる事から
大分苦労をされていたらしく、弊社のビデオ送受信システムの高性能ぶりにも満足して頂いた様だった。


そのユーザーから納品した翌日連絡が入り・・・お蔭様で全てがとても快調で、スムーズに作業が行えたとの
連絡を頂いた。

そのユーザーから、翌日撮影がある事は聞いていたので・・・巧く作業が終了したのだろうか?と、
丁度少し心配していた処だったので、その連絡は流石に嬉しかったし、これからも皆さんのお役に立てる様な
マテリアルの構築を推進したいと思った次第である。




たかが、はんだ付け・・・されど、はんだ付け

2013-01-15 00:00:01 | メンテナンス
懇意にしている知人が、はんだ付けで悩んでいるとの事。

空物の電動ラジコンが普及して久しい昨今、恐らく「はんだ付け」で悩んで
いるのは彼だけでは無いだろうと思われる。

実際には、案外多くのマニアが「はんだ付」に苦慮しているのではないのだろうか?

そこで今回は、その技術に付いてお話したいと思います。


そもそも紀元前3000年頃には、既に「はんだ付け」が存在していたと言われている。

勿論、現在の様な電気仕掛けの「はんだごて」など有ろうはずもないが、
古代エジプトでは王の墓からはんだ付けした副葬品が出土していると言うから、
多分火で炙りながら作業したのだろう。

また、古代ギリシャやローマ時代に於いては、インフラ設備に「はんだ付け」を
用いた記録もあるとの事。

もっとも・・・それらの呼び方は日本で言う処の「はんだ付け」とは当然異なる。


その後日本では・・・悠久の時を経て「はんだ付け」と呼ばれる様に
なったらしいのだが、しかしこの名称、一見人の名前に由来している様にも思える。

処が・・・実際には『はんだ』と言う言葉の由来には諸説あり、定かでは無い様だ。


そんな歴史があるはんだの技術なのだが・・・実は確実に「はんだ付け」を行う為には
幾多の技術的ハードルがある事をご存じだろうか?


それ故・・・日本では、日本はんだ付け協会なる組織が、はんだ付けの
技能認定を行ったりもしている。


そもそもはんだ付けの技術は、電機・電子機器を製造業する上で、電子部品を接合する為の
根幹技術である事から、極めて重要な技術だと言えよう。


日本はんだ付け協会では、中小企業等でも簡単に「はんだ付け」が行える様に教育を行って
「はんだ付けの技能認定者」を育成する為に、はんだ付け検定を行っているから、
興味のある方は、そのHPを覗いて見るのも良いだろう。


これらはんだ付けの作業工程は、電機・電子機器の品質を直接左右する為に、
特殊工程と位置づけされている様で、「はんだ付け教育」を受けた技能認定者が
従事するように定められている程で、その為に大手メーカー等では、社内的に
独自のはんだ付け技能認定制度を設けて、教育を行っている会社も多い。


ところが、そんな重要な技術で有るにも係らず・・・実際には、それらの
製造工場以外では、はんだ付けの技術が軽んじられているのが現状の様です。



一方・・・我々が愛してやまないラジコンの世界でも、最近は電動の波が
急速に押し寄せていて上手下手を問わず、否応なしに「はんだ付け」を行う
機会が増えているのではないでしょうか?

そんな中・・・「はんだ付け」技術の向上が急務である事は、どうやら間違いなさそうですね。


こと動力用となると・・・22v超の電圧になる事も、今や珍しい事では有りませんね。
その電圧を確実に支える事の出来るはんだ付けの技術が、増々必要不可欠になっている様です。



そこで下記にて、はんだ付けの基本を説明したいと思います。

当たり前ですが、はんだ付けは「はんだを溶かして」部品を接合しますので、
事前に下記のマテリアルを用意します。


1.はんだごて・こて台・適宜はんだ選択して準備する。
2.こて台のスポンジに水を含ませる。(湿るぐらいでOK)
3.はんだ付けする部品や、コネクターを固定する治具も準備する。
4.必要な物品が全部そろったら、はんだごての電源を入れる。
5.はんだコテが温まるまで3~5分待つ。
  その時に、コテ先の色を観察します。こて先が「銀色」になっていますか?
  まさか・・・「黒や茶色」になってはいないでしょうね?

  コテ先が銀色の場合には、そのまま「はんだ付け」が出来ますが、もしも
  黒・茶色になっていた場合には、コテ先が汚れているので、こて台のスポンジ
  を使って、コテ先をスポンジにこすり付けて、コテ先が銀色になるまで綺麗にします。

6.コテ先がきれいになったら準備完了です。
7.ハンダごての先を対象物に当て、ハンダごての熱で対象物を3~4秒くらい温めます。
  ※電子部品の中には、加熱すると破損するモノも有るので注意が必要です。
8.次に、コテ先にはんだを軽く押し当てると、ハンダがとけ始めます。
  すると・・・溶けたハンダは部品の表面に流れていきます。
9.ハンダが山盛りになったら先にはんだを離し、ハンダごてをタイミングを
見計らって離します。

多分・・・この手順を踏めば、ハンダ付けが巧く出来ると思います。

巧くハンダ付けが出来たか如何かは、ハンダの形で判断します。


何故かと言うと・・・一見ハンダ付けが巧く出来た様でも、その状況によっては
電気がうまく流れない事も有るので注意が必要だからです。

因みに・・・電気が巧く流れていない時は、その部分から発熱する事も多い様ですから、
自分で行った配線等は、常に触診やテスターを使用してして導通試験を行う事も重要です。


一般的に、良いハンダ付けは、綺麗で表面に光沢が有ります。

逆に悪いハンダ付けは、十分にハンダが溶けていない状態が確認出来て、
表面に光沢がが無くザラザラしていて艶消しの様な状態になっています。


何にでも言える事だと思いますが・・・はんだ付けに限らず良く出来ているモノは
仕上がりが美しいモノです。

逆に、一目見て汚いな~とか、今一だとか感じる様であれば改善が
必要ではないでしょうか?


因みに・・・弊社で使用しているハンダごてを紹介します。



写真左側のハンダごては、一般的にホームセンターなどで販売されているモノですが、
実際に長時間ハンダ付け作業を行う場合には、コテの温度管理が難しいので量産のライン等で
使用する事は出来ません。

方や・・・写真右側のハンダごては、温度管理が出来るスグレモノです。
このハンダこてを使用すれば・・・常に最良のこて温度を保つ事が可能です。


これは余談ですが、良く動力電源用のコネクターが溶けたとか、配線が熱くて触る事が出来ない等と
言っているのを聞くことがあります。

これらは、はんだ付けとは直接関係有りませんが、効率が悪い為に発熱していますので改善が必要でしょう。

以上、参考になれば幸いです。

マフラーの洗浄

2012-02-06 18:33:21 | メンテナンス
先日・・・ある空撮会社の撮影用の機体がエンジン不調に陥った。

不具合の原因は・・・マフラーが詰まった事に因るエンジン不調だった。



上記の様な状態は、超稀なケースだと思うのだが・・・この様なマフラーの内部は、
恐らくカーボンがビッシリ堆積している。

通常は、この様なマフラーを2度と使用する事はないのだが・・・外観が正常なだけに、
ついつい欲が出て、何とかして使用したくなるのが人情と言うもの。


バイクのマフラーなどは、バーナーで焼けば再使用する事も出来るのだが、
ヘリ用のマフラーはアルミ製の為に・・・それは出来ないのである。

下手に炙れば・・・二度と使えなくなってしまうどころか・・・形がなくなってしまう。


そこで試に・・・ある謎の液体をマフラー内部に入れて堆積したカーボンを溶かしてみる事にした。

この液体を投入して2~3時間してから・・・工場へ様子を見に行った。

何とビックリ・・・マフラーがカニの様に泡を吹いているではないか???

その泡を何とか拭き取って、2~3時間して、又工場へ様子を見に行くと・・・又泡を吹いていたのである。


もしかしたら・・・こいつは生きているのか?などと、バカな事を言いながら・・・又・・泡を拭く。


そんな事を繰り返しながら、謎の液体を入れてから・・・丸2日・・・
試に、マフラーに入れた液体を排出して見た。

それが下の写真である。


何か・・・明らかに液体の色が変色している。

カーボンが溶け出したのか?・・・元々は透明な液体だったのだが、真っ黒い液体に変わっていた。


その中には・・・固着してマフラー内部を覆っていたと思われる、カーボンの殻みたいなモノも見て取れる。

液体を排出してから、マフラー内部を照らして観察してみると・・・カーボンが剥がれ落ちている個所も少なくない様だ。

予想外に・・・内部が綺麗になっていたのだ。


そこで、新しい謎の液体を再度マフラーに入れて・・・もう二日も放置する事にした。

そうすれば、もっとマフラー内部のカーボンが落ちるのだろうか?

内心は・・・良い結果が得られれば良いなと、少し期待しているのだが・・・さてどうなる事か?





強化タイプのテールドライブベルト使用時の注意点に付いて

2012-01-11 11:20:00 | メンテナンス
通常この時期、ラジヘリ等を使用して空撮を生業にしている業者は、機体のメンテナンスに精を出している事と思います。

弊社でも、例外なく機材や機体のメンテナンスを行っていますが、外気温が0度を下回る事も多く、
厳寒の中でのテストフライトはつらいものがあります。
そんな訳で、テストフライトの日は・・・少し憂鬱になる事も・・・。

そんな中、同業者で数多くのパーツを供給させて頂いていて、弊社のユーザーでもあるWingさんのブログに、
ベルトの使い方?に付いて・・・少し気になる点がありましたので、ここで少し解説を致します。

そもそも弊社から供給させて頂いているクロロプレン製のベルトは、マキシジョーカーに使用されているものだとばかり思っていました。

しかし、JRのVoyager260GSRに取り付ける場合には、少し注意が必要です。

JRのVoyager260も、同じピッチで長さも同じなので一見使用出来そうなのですが、
残念ながらそのまま取り付ける事はお勧め出来ません。


写真をご覧頂ければ判ると思いますが、JRのVoyager260の標準プーリーのままで、6mm幅のベルトを使用した場合、
ベルトの端面がプーリーサイドに当たってしまっており、ベルトとプーリーとのクリアランスが全く有りません。

この様な状態で使用した場合は、ベルトの歯とプーリーの歯が完全にかみ合う事が出来ずに滑りの原因となるばかりではなく、
ベルトの歯とびや耐久性に影響します。

下の写真の様な状態が好ましく、ベルトに合ったプーリーの使用(交換)をお勧めします。


実際に使用する5mm幅用と6mm幅用の、プーリー幅の比較をしましたので、写真を見て下さい。


同様に、ベルトの幅の違いに付いても比較しましたので、ご覧ください。


JRのVoyager260で、6mm幅のベルトを使用する場合は、必ず新型の260Z用等の7mm幅の
プーリーに交換して使用してください。

ベルトも、ポリウレタン製でも良ければ、新型の260Z用が使用出来ます。

しかし、クロロプレン製のベルトを一度でも使用してしまえば・・・ポリウレタン製のベルトには戻れませんね。

弊社では、以前(15年程前)から、40ccの機体にクロロプレン製6mm幅のベルトを使用していましたので、
写真の様なオリジナルプーリーを作って現在も調子良く使用していて、耐久性も抜群です。

又、ベルトの耐久性に付いては、とかく材質ばかりに目が行きがちですが、プーリーのかみ合い精度に因っても、
かなり影響を与えますので、高精度なプーリーを選択する必要があります。

特にカウンター側のプーリーは、並行度の精度が保てない傾向にあります。出来るだけ、ベルトに対して直角になるよう調整が必要です。

又、純正品のテールのアウトプットシャフトにプーリーを取り付ける時の注意点として、
力ずくでセットスクリュウを締め付けると、アウトプットシャフトが曲がってしまう事があります。

アウトプットシャフトにプーリーを取り付けた後には、必ず旋盤やフライス又は、ボール盤等にシャフトを噛ませて、
振れを確認する必要があります。

目でみて、一目で振れが確認できる様な場合は、そのまま使用せずに、再度組み直す必要があります。

勿論、ダイヤルゲージで振れを確認できる方は、その方法がモアベターです。

お互い今年も安全に撮影作業が出来る様、手を抜かずに確実に整備を行いたいものですね。


娘?を嫁に出した様な気持ちになる・・?

2011-10-25 03:57:48 | メンテナンス
最近、ラジヘリで空撮を行っている、言わばプロの会社や個人から、機体を含めた色々な
マテリアルに付いて、相談を受ける事が多くなった。

結構、皆さん色々な事で悩んだ挙句に、弊社に駆け込んで来る様だ。

さしずめ、○○の駆け込み寺・・・の様相を呈している。

その内容は、部品の耐久性が無いので、改善して欲しい・・・とか、部品の精度が悪いので、
どうにかして欲しい・・・とかが多い。

空撮を行う為に、市販のラジコンヘリを業務用に転用して使用する場合には、そのまま使用する事
自体に、無理が有ると思う。

スペースの問題から、本来の使用基準を満たさない様な、部品の使い方も随所で見られる。
そこには、耐久性と言う概念はあまりないのだと思われる。模型は、あくまでも模型なのである。

それを販売しているメーカーサイドでも、業務用に転用しないで欲しいと言っている。

この理由は何と言っても、業務に使用した時の機体の耐久性にある。

現在は模型用のヘリでも、黎明期の頃と比較して格段に進歩しており、その性能は目を見張るモノがある。

一見、直ぐにでも業務用にコンバート出来そうな感じである・・・しかし・・・である。

業務に使用した時に、その性能は、長続きしないのである・・・(´;ω;`)



我々が、業務用のヘリに求めている事を、わかり易く表現する為に、車に例えて話をしてみたいと思う。

それは、F1マシンとトラックの違いに、よく似ている様に思う。

F1マシンは、スピード・コーナーリング・制動力のどれをとってみても、全ての自動車の中で、
突出した性能を誇っている。

しかし、荷物を積んだり、延々と何万キロも走ったり出来ないのである。
スーパーソフトなんてタイヤは、10キロ程度でダメになる。

まあ・・走っているスピードが桁違いに違うのだから当然と言えば当然で、比べることすらナンセンス
なのだが・・・(*´∀`*)

片やトラックである。

荷物を積んで長距離を走ったり、砂利や土砂を積んだりして、ノロノロ走る。
それは、時として邪魔に感じる時もある。

しかし、その場合は、大抵過積載である。

それは運転手のモラルの問題で、幾らトラックでも、積載重量を守っていれば、普通は法定速度で走れる。

利益最優先で、人の迷惑は顧みないと言う事だろうか・・・??

4トン以上のトラックの場合、そんな使い方をしても、耐久性は他の車と比較して群を抜いている。

そもそもメーカーでは、トラックを設計する場合に、積載重量の倍の重量を載せても、普通に制動したり、
走ったり出来るようにしている。

その目的は、耐久性を確保する為である。

しかし、そんな車でも、過積載を繰り返し、整備を怠れば、立派にタイヤも外れて・・・・結果、事故になる。


少し話がそれたが、我々が求めているのは、F1の性能などではない。

求めているのは、トラックの様な性格なのである。

但し、決定的に違うのは、トラックは故障しても路上に停止する事が出来る。

片や業務用のラジヘリは、故障すれば墜落し二次被害を生じる可能性がある事である。

トラックだって危険な場合も勿論あるが、いきなり故障したからと言って、何処かに落ちる事は、
まず無いのである。

話を、元に戻す。

思うがままに書いているので、度々脱線して気が付けば・・・変な方向に行っている。

悪い癖である(´;ω;`)



そんな訳で、業務に使用する場合には、耐久性を持たせた機体を使用し、常にメンテナンスを怠らず・・・が、
大原則なのである。

又、機体に少しでも不安要素がある場合は、業務には使用しない・・・と、言うのも大原則である。

しかし、そんな場合でも、そのまま飛ばしてしまい、事故に発展するケースが多いと・・・聞いている。

恐らく、人が乗らないから、その様なヘリでも安易に飛ばしてしまい、結果事故に発展しているのだろう。

このヘリにだったら、自分が乗ってみたい・・・と、思えるレベルのヘリを使って欲しいのである。

もしも、自分が乗るとしたら、九分九里、決して調子が悪いヘリには乗らないだろうし、
そんな事は勘弁して欲しい・・・と、誰でも思うハズである・・・自殺願望でもない限りは・・・多分。


安易に、自信を持てない様なラジヘリを使用しては、いけないし、運用方法を少し考えて見て欲しいのである。

ある時クラブの飛行場で、3Dフライトをしていたクラブ員のヘリから異音がしていた。
そこで危険なので、部品を替えて整備する様に忠告した。

その彼の返事は、そんな音してる?何時もと変わりないし、ずっと調子良く飛んでいる・・と言う。
暫くして、その彼が又フライトを開始した。すると・・2分も立たない内に飛行を中止して駐機場に戻って来た。

その彼が、私の所へバツの悪そうな顔をしてやって来て・・こう言った。

先程指摘された所が、破断した。どうしてそんな事が判ったのか・・・と。

彼もプロの整備士なので、そのへんの事が不思議だったのだろう。

今回は、趣味で飛ばしていた時のトラブルではあるが、例え一見調子良さそうに飛んでいるヘリでも、
常に五感を働かせて、機体を注意深く観察する事が重要なのである。


今回も、ある空撮会社から整備依頼があり、機体を預かった。

その機体を見た時、少し・・・・(゜д゜)(。_。)・・・と思った。

整備を始めると、色々な問題が有った。

聞けば・・・トラブル続きで、上手く飛ばないので、暫く使用していなかったのだと言う。

当初、電話の内容から、業務の合間を見ながらでも、2週間もあれば整備が完了するかと、
少々甘く考えていた。

しかし、現実は違った・・・・そんなに甘くは、なかったのである。

業務の合間を縫って、G君と機体を整備した。

整備した・・・と、言うか・・・製作した・・・二人とも疲れてヘロヘロになった(; ̄д ̄)

そんな訳で、苦労をして仕上げたヘリには、もはや愛着すら感じる様になっていた。

そのヘリを昨日、泥縄でフライト調整をして納めた。

調整フライトが終了した頃には、辺は暗闇に・・・




今回は、週末の天候不良や急な整備の追加等があり、時間的にかなり厳しかったが、納期を守る為に、
出来るだけの事をする。

勿論、納期を守る為に手を抜いて、帳尻を合わせる様な事は出来ないし、しない。

請け負った以上、トコトンやる・・・それが、弊社のポリシーである。

苦労して仕上げたそのヘリが、運ばれて帰って行くのを2人して見送った・・・・大事に使って欲しいと・・・
祈るような気持ちである。

多分、娘を嫁に出す時もこんな気持ちに・・・ヤダナ~