ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

新聞報道

2014-08-10 19:56:47 | 自律制御
8月8日付けの地元紙である信濃毎日新聞に、非常に興味深い記事が
掲載されていた。

それは、アメリカはラスベガスで6日に開催された、ハッカーに関する
世界最大級の国際会議「ブラックハットUSA」での事だという。


そこである公開実験が行われた。

しれは・・・プリウスの制御システムに外部から侵入し、
遠隔制御でクラクションを鳴らしたり、ハンドル操作を妨害したりして、
見事に?乗っ取って見せたとの事。

その様子は・・・下記にて閲覧可能であるので興味がある方は
確認して欲しい。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=oqe6S6m73Zw

これを実験したのは、アメリカ人のミラー氏とバラク氏の
2名であるとの事。

両氏は・・・車が電子化され、性能が高度になるほど、
安全の問題も増える・・・と、言ったそうだ。


これは、何も車だけの問題ではない。

我々が運用しているラジコンヘリコプターやマルチコプターにも、
そのまま当てはめる事が出来て、全くその通りと考える。


事実・・・数年前迄はマルチコプターなどと言う新種の飛行体など
存在しなかったので、空撮はもっぱら従来のラジコンヘリコプターで
行っていた。

その頃の機体に装備されていた電子機器と言えば、受信機・サーボ
・ラダー用ジャイロと言った、ごくシンプルな構成であったし、
だれでも比較的簡単に使用できるマテリアルであったと言えよう。

これらは可能性として、妨害電波を受けた後の問題を抱えては
いたものの、実際にその様な状態に陥る事など極稀で、事実弊社では
空撮を生業としてから既に20数年経過しているが、一度もその様な
状態に遭遇した事はない。


トラブルはそれよりも、むしろサーボのポテンショメータ等に起因する
トラブルや、リンケージ上の瑕疵或いは、受信機電源の電圧低下や
受信機スイッチに起因するトラブルの方が、一般的には多かったのでは
ないだろうか?


これらサーボのトラブルは、機体の構造を理解し、適正にリンケージを
施す事で未然にそのトラブルを回避できるし、長期間に渡って使用する
場合には、定期的にメーカーに点検を依頼するか、或いは新しい物に
交換すればトラブルの芽を未然に摘み取る事が出来た。


処が・・・最近の制御系を搭載した機体では、様々なセンサー類や
GPSなどを使用して複合制御をおこなっている。

その恩恵を受けて、確かに以前より安定して飛行できる様にはなった。

その理由により・・・昨今、爆発的にマルチコプターが市場に
溢れている事は既に皆さんがご存知の通りだ。

ところが・・・実際はそれらが外的要因により、その機能を停止したり
深刻な影響を受ける事を、一体どの位のオペレーターが理解して運用
しているのだろうか?


この事は・・・高度な姿勢制御技術が生んだ、新たなトラブルの芽と
言っても過言ではないだろうと考える。

その事を理解した上で、最新の注意を払いながら使用・運用する場合には
然程問題は発生しないと考えるが、その事について全く理解しないままに
GPSを搭載してるから簡単・安全・・・・などと、能天気な事を言って
いる内は、常に運用上の危険が付きまとっていると考えていいだろう。

いずれにしても・・・操縦が難しかったものが、簡単になったと
言う事は、その裏で制御系が高度な姿勢制御を行ってオペレーターの
操縦技量を補っているのであって、もしそこに不具合が発生すれば
即墜落に発展する危険性を秘めている事を認識する必要がある。

もし、制御系に不具合が発生した場合には、即座にマニュアルモードに
切り替えて操縦し、機体の姿勢を立て直す必要があると考えるが、
マニュアルモードに切り替えたとたん機体が暴走した・・・などと
言うのは、本末転倒である事をご理解頂きたいし、更なる日々の
練習により操縦技量の研鑽が必要な事は言うまでもない。