ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

リポバッテリーを特注で作ってみた。

2013-10-26 06:56:19 | マテリアル
皆さんもご存じの通り、巷で大流行のマルチコプターだが・・・
それは、おもちゃの様なものから、本格的な産業用途の機体まで、
巷には溢れ返っている昨今である。

弊社でも、産業用に特化したマルチコプターに、本格的なカメラを搭載して
日々業務を行っている処ではあるが、その結果ペイロードがどんどん嵩んでしまった。

その事が原因で、比例する様にフライト時間も削られている。

そこで・・・某メーカーに依頼して、特注で6S12400mAhのバッテリーを
製作した。



このバッテリーの重量は、約1.6kg・・・このクラスとしては
比較的軽量の部類ではないだろうか?


被服(ヒシチューブ)の色は・・・現在、白と黒。

最終的に、どちらかの色に統一しようと思っている。

夏場は白が有利・・・冬場は黒が有利・・・と言うところだろうか?

見た目は・・・黒の方が何となく印象が良い。

白は・・・何処となくチープな印象を受ける。

いずれにしても、テストの結果が良好ならば安価で?販売しようと思うのだが、
このクラスのバッテリーは・・・果たしてどの位の需要が有るのだろうか?


その翌日・・・

2013-10-19 00:00:01 | 撮影
撮影当日、現場到着後に、再度撮影箇所を踏査した。

実は、昨日も現地調査を行ってはいたが、
現場到着時には、既に辺りは暗くなっていて、
その状況が良く判らなかったからである。

その上現場は・・・一面ミカン畑。

そんな薄暗い中、ミカン畑をよそ者が徘徊などしていれば・・・
あらぬ疑念を抱かれる恐れもあった。

もしもそんな事にでもなれば、面倒な事になるし、
そんな状況だけは避けねばならなかったので、
早々に現場を後にしていた。


今朝、現場の状況確認は出来たのだが・・・思っていた以上に
現場の状況が芳しくない。

その上・・・天気も悪く、辺り一面雲が重く垂れ込めていて、
おまけに風もかなり強い。

その上、時折風速10m以上の突風が吹きつけて、
撮影コンディションとしては最悪だ。

天気予報では、台風は温帯低気圧となって、
北海道沖に抜けて行った筈だったが・・・
現場が谷筋であった事も、乱流が発生する一因であろう。

今回の撮影は・・・その谷筋を数Km撮影する必要があって、
作業量が多いので困ってしまう。

もし、作業そのものが延期にでもなれば、後あと大変な事になる。

そんな状況から、フラストレーションがふつふつと湧いてきたが、
こんな時こそ、急いては事を仕損じる・・・と、
スケジュールとの狭間で揺れ動く自分の心に言い聞かせた。


安全に作業する為には、時としてスタートを延期せざるを得ないが、
その作業進捗を考えた時・・・今回の作業量からすると、
勿論スタート時間の延期はあまり好ましくない。

しかし、そんな時ほど状況を鑑みた適切な判断と我慢が必要となる。


そんな状況の中・・・関係者一同、さしずめ烏合の衆の様になって、
ひたすら待つ事、約2時間・・・段々と風も収まってきた・・・と、
言っても依然として秒速5m以上の風が常に吹いている。

しかし・・・風は強いものの、その強さはほぼ一定で、
頻繁に吹きつけていた突風も、その回数が減ってきた。


その状況から判断して・・・作業をスタートさせた。


強風の中ではあったが・・・やがて無事、撮影は終了した。


作業が終了した頃には殆ど風はおさまり、現場上空には気持ちが良い青空が広がっていた。



折角なので・・・作業終了後に、海の向こうに見える筈の富士山を撮影してみた。



しかし残念ながら、今日もその頂には雲がかかっていて、おまけに手前にある山が邪魔をしている。

因って、その表情を伺い知る事は出来なかったが、もっと天気が良かったら、
恰も海の上に浮かんだ様な富士山が撮影出来るだろうと思った。

こんな風景を撮影するささやかな楽しみも、
安全に作業を終了させる事が出来なければ叶わないのだ。








台風26号通過直後に・・・出張

2013-10-17 19:45:45 | 出張
記録的豪雨により、伊豆大島で猛威を振るった今回の台風26号・・・。


今年の台風は、発生する度にその勢力を増している様な気がする。

今回の台風26号も・・・今世紀最大などと言われていて、
大きな災害をもたらした。


そんな台風一過の中ではあったが、スケジュールの都合で
またまた出張に出掛ける事に・・・。


風はまだまだ強かったものの、雨は止みつつあって、
それまで50km規制だった高速道路も規制解除となり、
通常運用出来るまでに回復していた。

前方に目をやると・・・遠くに富士山が見えてきた。



しかし、その頂には厚い雲が掛かってしまっていて、
その雄姿を伺う事は出来なかったが、空には晴れ間が
広がりつつあった。

今回の出張は・・・その富士山をぐるっと迂回して、
その向こう側まで行く予定になっている。


1時間ほど走っただろうか・・・先ほどとは90°違う方向から
富士山を眺めてみた。



どうも、頂きに掛かっていたぶ厚い雲は風下側に溜まっていた様で、
風下側から眺めた時はその雄姿を望む事が出来なかったが、
風上側には殆ど雲がない事を見て取れる。


その時点では・・・空に急速に晴れ間が広がってきていて、
この様子だと天候は急速に回復するに違いないと思っていた・・・。


やがて・・・現場近くの港に着いた。

しかし、そこの海は台風の余波を受けているのか?
まだまだ荒れていて潮位も高い。

その上、先ほどとは打って変わって、ぶ厚い雲が
低く空一面を覆っているではないか。



果たしてこんな天気で、明日の作業は如何なる事やら・・・。

暫くの間、撮影が毎日ある・・・しかし、天気予報では週末は雨。

その上、台風27号も発生した。

予定が狂うと、困った事に・・・。

まあ、なる様にしかならないのだが・・・色々考えるとストレスが・・・。



インフラの点検

2013-10-08 00:00:01 | 撮影
古いインフラの老朽化が話題となっており、最近何かと取りざたされている。

つい最近も、高速道路上に架かる橋の点検が、おざなりになっている実態が
浮き彫りになったばかりだ。

因って現在では、全国的にこのインフラの保守・点検が急務となっている
ところでもある。


そんな訳で、今回はそれらの点検業務の為、上空からその実態を
調べるべく、マルチコプターを使用して空撮を行った。


空撮で点検を行う理由は、地上からだと木立等が邪魔になり、上手く
点検出来ないからに他ならないのである。

又、現場の作業時間を短縮できるメリットも大きい。


勿論・・・ラジヘリを使用しても、陰になって見えないところも当然あるので、
安全を考慮した上で、様々な角度から撮影する事は言うまでもない。


しかし、今回の様な現場周辺では、安全にラジヘリを離発着出来なかったり、
安全に撮影作業を行う事が困難と思われる事も往々にしてある。


正に今回も、そんな場所の一つで、近くに適当な離着陸場所はなかったが、
現場に隣接する様に大きな公園があって、管理事務所にお願いした結果、
適当なスペースを確保できた事は幸いであった。





当然・・・この様な現場ではロケハンは必須だし、オペレータを含む撮影班が
事前に現地踏査を行う必要がある。

今回は、たまたま現場近くに公園があって、そこから安全にラジヘリを離発着する事が
出来て、尚且つ最適な飛行コースを確保出来たから良かったのだが、
それが叶わない現場も当然あるだろうと思われる。


その結果、もしも現場がそんな状況であったなら、そこは無理せずに他の方法を
模索する必要もあるだろうと思う。


とかく勘違いされがちなのだが、ラジヘリを使用すれば何処でも、
何処からでも自由に飛行させられると、一般的に思われているふしがある。

これは安全上、大きな間違いであるので、ラジヘリを安全に利用する為には、
離発着場所や飛行経路の検討も含め、この様な現場での利用方法に於いては、
認識を新たにする必要があるだろう。


従って、一見何でも出来そうなラジヘリだが・・・実は、極狭い範囲で
運用出来るだけに過ぎないので、決してオールマイティーではないと言う事を
知ってほしいのである。


それから、マルチコプターを運用する場合に、オペレーターが巧く飛ばせないから
(離着陸が上手に出来ない)・・・とか、地上からだと危険が伴う?ので、
ハンドキャッチ&リリースで飛行させると言う様な事例を見聞きする事がある。

常識的に考えても、上手く離発着すら出来ない状態で、業務を含め空撮を行う事は
リスクが大き過ぎるのでご遠慮頂きたいし、特に、ハンドキャッチ&リリースなどは、
恰もそれが最善策の様に吹聴しているケースもあると聞く。

大体・・・その様な業者はヘルメットの着用すらしない。

因ってこれらの行為は、安全への意識が欠如している証拠であって、
恐らく何が安全で何が危険か?の判断や、アクシデント発生の想定も出来ない上の
暴挙であるから、決して行ってはならない。


例えば、人里離れた山の中の現場でハンドキャッチ&リリースを行った時、もしも離着陸時に
操縦ミス・風に煽られた・機材トラブル等の原因から、機体の姿勢が崩れた結果、
プロペラが手首や頭等に接触したら一体どうなるのだろうか?

マルチコプターのサイズに係らず、数千回転以上でプロペラが回転している以上、
もしもそれらが体を直撃すれば、唯では済まない事は誰でも容易に想像できると、私は
思うのだが皆さんは如何お考えだろうか?


この場合・・・直ぐに病院に行って治療は出来ないので、怪我の程度や、その状況如何では、
命に係わる事は明白である。


安全に作業を行なう事は、第三者や対物だけに留まらないのであって、オペレーターや助手にも
当然被害が及ぶので考慮するべきである。


この、もしも・・・の事態を、常に想定しながら業務を遂行出来なければ、安全に作業する事など
叶わないのであって、ましてやこの場合のリスクを、機体の大きさやプロペラの大きさだけで
推し量る事など到底出来ない。

ともかく・・・一度事故が発生すれば、取り返しのつかない事になるので、十分なリスクマネージメントを行い、
細心の注意を払って作業を行うが必要があると考える。

空撮を生業にしている方々には、もう一度ご自分の作業法について、安全に作業が行われているのか?
検証をしてみて欲しいと切に願いたい。

GT15HZをテストする・・・パート5

2013-10-07 06:16:30 | ガソリンヘリ
シリーズでお伝えしている、T-REX700に搭載したGT15HZをテストする・・・
も、今回で5回目。

今回は、いよいよ初飛行時の状況についてお伝えしたいと思う。


それは・・・時間の都合で(毎度の事で、さして珍しくも無いのだが・・・)日没後の
僅かな時間を使って行われた。




場所は・・・弊社のテストフィールドである。


何故明るい内にテストを行わないのか?と思われても仕方ないが、
ワイヤーハーネス等の取回しに時間をとられてしまったのである。

兎に角・・・T-REX700のハーフキャビンは小さすぎる。

そのキャビンを装着すると、ワイヤーハーネスがキャビンに接触してしまう。

そんな訳で・・・受信機のレイアウトを変更したりと、無駄な時間が流れたのだ。

因って時間の制約から、止む無く初飛行はキャビンなしで行なう事になった訳だ。


従って、ワイヤーハーネスや受信機のレイアウトは、初飛行後に再度改修するハメになった。


問題のフライトフィーリングだが・・・T-REX700の標準のギヤ比では、
想像に違わず兎に角ハイギヤード過ぎる感がある。

3D専用機とも言えるこの機体では、結果ホバーリング時のローター回転が
1900rpm以上にもなってしまう。


グローエンジンではこんな場合に、しばしばニードルを甘めに調整する手法が常態化している
ところではあるが、実際には内燃機関には理論上の空燃比と言うモノが存在する。

勿論・・・グローエンジンのそれとガソリンエンジンのそれは同じではないが、
エンジンを快適に運転させようとすれば、混合気は理論上の空燃比に限りなく近づける必要が有る
事に間違いない。


もしも・・・GT15HZを甘めに調整しようとすれば、ぶつぶつといった感じで回転ムラが発生し、
スムーズにエンジンを運転させる事など到底出来ない。


この・・・ぶつぶつとエンジンが回転する場合は、程度の差こそあれ不完全燃焼であって
、全ての点で良くないのである。


このエンジンのキャブ調整は、普段弊社で使用している空撮機のエンジン調整(キャブ調整)とは
明らかに異質のもので、かなりシビアな感じがする。

通常、汎用のガソリンエンジンでは、かなりファジーに調整しても平気なのだが・・・GT15HZに
限って言えば、どうも様子が違う様だ。

言い換えれば・・・燃調が濃い状態と薄い状態の境界がシビアと言えば良いだろうか?

このキャブ調整・・・LoニードルとHiニードルを巧くコーディネートさせて調整する必要が有るので
、根気良く調整を繰り返すほかに道はない。


しかし調整が進んで、エンジンが快適に運転できる状況になると、増々メインローター回転が高くなる。


流石に・・・これだけメインローター回転が高い状態で、ホバーリングからフルスロットルにしようものなら、
跳ねるように機体が上昇して気持ちが良い。

この様に上空は良いのだが・・・しかし、ホバーリング回転は下げたいのである。

従って・・・ホバーリング時のスロットルカーブとピッチカーブを調整する事となるが、
それとて限界があり、特に回転が高いからと言って無暗にスロットルカーブを低く設定し過ぎると、
最悪焼き付きの原因にもなりかねないので注意が必要なのだ。


因って、イメージ通りの機体に仕上げる為には、メインギヤのギヤ比を変更する必要があるのかも知れない。

この懸案のギヤ比の検討については、もう少しエンジン調整を煮詰めた後で最終的に判断しようと思う。


後日、ワイヤーハーネスの取り回しや電装品のレイアウトを変更して、無事キャビンを取り付ける事が出来た。

これらの電装品やワイヤーハーネスは、決してキャビンの裏側に接触していてはいけない。

また、フライト中にワイヤーハーネスが振動する事もあるので、それらが当たらない様に
必要最小限のクリアランスは確保して欲しい。

かくして・・・無事にキャビンも装着出来たので、記念に1枚撮った。