ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート5

2012-04-30 06:28:15 | マテリアル
前回までに・・・・ガソリンエンジンを搭載した、業務用のラジコンヘリにも使用出来る
最適なマフラーとは・・・何ぞや?・・・と言う事で、エンジンやマフラーについて
少しだけ理論的な話をして来た。

それらの事を総合的に考慮すると、その最適なマフラーとは・・・パワーはそこそこでも、
安定したエンジン回転が得られ、尚且つ、軽量で消音効果に優れ、
マニホールドの緩みが出ないモノが最適なのでは無いかと、私は考えているのだが・・・

現在、市販されているマフラーの中には・・・なかなか、その条件を満たすモノが
販売されていないのは残念だし・・・満足するマフラーを使いたければ、自分の要件を
満たしたマフラーを製作しなければならなくなるので・・・それは非常に困る。


特に・・・マニホールドの緩み等は・・マフラー材料の選択ミスから
エンジンの発熱に起因する、膨張係数が極端に違う為に緩みを招く。


大体・・・現在市販されているマフラーは・・・そこが、薄過ぎるのである。

また・・・材質の検討をする必要も有るだろう。


結果・・・多くの市販されているガソリンヘリ用のマフラーに於いて、マニホールドが
高温の排気に晒されて熱変形が発生した結果、排気漏れが発生しているのだが・・・中には、
緩むからと言って・・・締めすぎで、マニホールドを変形させてしまう事例も少なくない。

多分に・・・使い手の問題も有ろうが・・・根本的に緩み難ければ、狂った様に締めこむ必要もない。

いずれにしても2サイクルエンジンの場合には、前回も説明した様に、マフラー側でエンジンの
充填効率を上げ様としているので(上がらないと・・・不味いのだが)、マニホールド部分で排気が
漏れている様では・・・本来のマフラー性能を発揮出来なくなってしまうのだ。

しかし・・・ガソリンエンジンを使用している方の中には・・・マニホールドから著しい排気漏れが
有るままマフラーを使用し続けて、何か?エンジンのパワーが無いなー?・・・等と思っている人も、
もしかしたら・・・いるのでは無いでしょうか?

思い当たる人は、その辺のチェックをして見て欲しいと思う。


また・・・マフラー取り付けネジが緩んだまま使用していると・・・シリンダーのネジがバカに
なってしまう事もある・・・中には・・・ネジとシリンダーが溶着してしまって・・・マフラーを
切断して取り外した・・・等と言う話を聞く事もあるので・・・注意が必要なのだ。


もし、そうなると・・・エンジンのシリンダーを交換せざるを得なくなってしまうので・・・
最悪の事態に。

唯・・・マフラーが緩むと言う認識で使い続けた結果が・・・実は、根本的なマフラーの選択ミスで、
遂にはエンジンまで壊してしまう・・・そんな事態だけは避けなくてはならない。


そんな訳で・・・私が、現在市販のマフラーの中で、唯一及第点を与えるとしたら・・・
ハットリ製作所のTIPE-3だと・・・勝手に思っている。

良く雑誌(専門誌?)その手の・・・提灯記事・・・を書く場合には、メーカーから何らかの支援を
受けている場合が多いのだが・・・しかし・・・弊社は、ハットリ製作所とは何の関わりあいも無い。


このハットリのGS用マフラー・・・TIPE3で・・・3作目になる。

TIPE1は・・・現在市販されているマフラー同様・・・NGだった。

TIPE2は・・・何とか注意をすれば・・・使えるかな~・・・と言う程度のモノであったので、
騙しだまし使用した。

で・・・現在販売中のTEPE3が・・・長い年月を掛けて・・・やっと・・・完成した?

マフラーが、緩みにくい・・・と言う・・・その1点だけに的を絞れば・・・及第点を与える事が出来よう。


しかし・・・このTEPE3でさえ・・・消音と言う点に関しては・・・今一、及第点レベルに至っていない。


そこで弊社では・・・更なる消音効果の向上を目指して、サブマフラーなるモノを試作して、
弊社所有機数機(一部ユーザーの機体にも)に取り付け・・・テストを行っている。



次回は・・・消音効果を一段と向上させる・・・そのサブマフラーに付いて話をしたいと思います。

では・・・又~。



業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート4

2012-04-22 00:01:00 | マテリアル
前回までに、2サイクルエンジンに於いて、本来の性能を発揮させる為には、高性能なマフラーが必要になる事は説明した。

それが・・・エキスパンション・チャンバー(Expansion Chamber)と、言う名称のマフラーで有る事も説明した。

日本語に直訳すると・・・Expansion=膨張、Chamber=部屋・・・と言う事だが・・・一般的には、膨張室と
訳されている。


では、何故そんな・・・膨張室が必要なのだろうか?

2サイクルエンジンが燃焼する場合は、掃気と排気のタイミングがオーバーラップしている為に、
そのままでは生ガスが、燃焼室に効率良く充填されない。

それを改善する為に・・・2ストロークエンジンでは、一般的にチャンバーと呼ばれるマフラーが必要になるのだ。


その形状は・・・エンジンの排気口に取り付けられた、マニホールド(エキゾーストパイプ)に、膨張室と呼ばれる
ラクビーボールの様な形状をしたモノを取り付けて有る。

その膨張室は・・・入口と出口が急激に絞られた様な形状になっていて、折角燃焼室に吸入(掃気)された
混合気の一部が、燃焼しないまま排気ガスと一緒に大気中に放出されてしまうのを防ぐ・・・と言う訳だ。

因って・・・燃焼室への混合気の充填効率を損なわない様にする為に、チャンバーが必要になると言う事だが・・・。


では・・・その理屈はどうなっているのだろうか?


まず・・・エンジンの排気ポートから排出される排気ガスは、脈動(圧力波)しながらマニホールドを経て、
チャンバー前部の膨張部で急激に拡散しながら膨張室へ入る。

やがて・・・排気ガスはマフラー出口へと到達するが、その圧力波がチャンバー出口付近の絞り部に達すると、
その一部が反射波となって排気ポートへと、押し戻される訳だ。

この反射波が戻るタイミングが重要で、エンジンの特性をほぼ決定すると言っても・・・過言ではないだろう。


実際にチャンバーを設計する時には、使用目的に応じて計算で、チャンバーの長さや容積を
決定している様だが・・・最終的にはカットアンドトライで煮詰めを行うのが普通らしい。


最終的には・・・人間(テスター)の感性次第と言う事だろうか?

しかし・・・このテスター如何では・・・全てがぶち壊しになる。


このチャンバー・・・良い事ばかりではないのである。


それは・・・パワーを追求し過ぎた場合には、明確なパワーバンドを生じると言う点にある。


どう言う事かと言えば・・・あまりピーキーな性格にし過ぎると・・・バイクでサーキットなど
アップダウンが激しいコースでは・・・いとも簡単にパワーバンドから外れてしまう。


一度パワーバンドから外してしまった場合には・・・全くと言って良い程、アクセル操作による
エンジンのレスポンスを得られなくなると言う事だ。

これを・・・トルクの谷・・・等と、言ったりする。


こうなると・・・バイクのレーサーなどでは、再びパワーバンドに乗るまで(回転が元に戻るまで)
我慢しなければならないし、急に減速してしまうので・・・特にレース中などでは、
後続車に追突される危険性が高まる。



又・・・気候変動(温度・気圧・湿度)にも影響される事が多く、キャブレーションも結構シビアになるから
注意が必要なのだ。


まあ・・・バイクなどでは・・・回転が復帰するのを待っていれば良い?のだが・・・ヘリに使用する場合は・・・
最悪・・・墜落してまうから、厄介であると考える。



因って・・・特にラジヘリで使用するチャンバー(マフラー)の場合は、比較的大きな膨張室を持つ、
トルク型のチャンバーが適していると・・・思われるが、当然尖ったピークパワーを得る事は出来ない。


それから・・・一般的にチャンバーは、マニホールドと膨張室が独立している為に、構造上その全長がどうしても
長くなってしまうし、重量も・・・当然重たくなってしまうのもデメリットとして上げる事が出来よう。


その結果・・・これを機体に取り付ける時には・・・どうしても、その重心が後方へ移動してしまうと言う問題が
生じてしまうのだ。

ラジヘリでは、前後方向の重心が重要なので、これを改善する為に・・・カウンターウエイトなど
搭載しようモノなら・・・機体重量がどんどん増してしまうので、マイナスのファクターで有ろう。



それから・・・優れたチャンバーの場合には、出力も2割程度向上するのでパワー的には優位にあるが、
構造上マフラーサイズが大きく成らざるを得ないので、その重量と向上したパワーとを天秤に掛けて
マフラーを選ぶ必要があるだろう。


良くあるのが・・・実際に2割程度パワーアップしたが・・・その分機体重量が増えてしまい・・・結果、
パワーUPした分が帳消しになってしまったなどと言う事も・・・実際に発生するので注意が必要だ。


その様な・・・リスクを考慮すると・・・パワーはそこそこでも・・・出来の良い軽量な、ノーマルマフラーを
使用したいと・・・私は思っている。

空物は・・・出来れば・・・軽いに越した事はないのだから・・・。

その方が・・・機体の各部に掛るストレスが確実に減少し、機体の耐久性にも寄与する・・・
と、考えるからなのだが・・・皆さんは、如何お考えだろうか?

以下の写真は・・・これまで弊社でテストしたマフラーの内、現存する物なのだが・・・これらは全て弊社の
要求に答える事は出来なかった。



一番上の・・・チャンバータイプのマフラーは、テストを依頼されたのが7~8年前になるが・・・その当時は、
マニホールドが如何ともしがたく・・・格好こそ、それらしい形状ではあったが・・・唯の重いマフラーだった。

このマフラー・・・最近、マニホールドを変更して、リニューアルされたらしい。

先日の・・・富山のイベントでも使用していた機体があったが・・・とても、その性能を発揮している様に
見えなかったのが・・・残念であった。


左端の縦に2本並んでいるマフラーは、一時期人気が有ったマフラーだが・・・ヘンテコリンな理屈で
製作されていた為に、興味本位から使用してみたのだが・・・エンジンが異常燃焼を起こすなど・・・
全く良いところが無かった。

やはり・・・理屈に合わないモノなど・・・所詮使い物にならないと、言う事なのだろうか?


右下のマフラーは・・・マニホールド形状が悪く・・・整備時に、エンジンからマフラーを外したくても
外せないなどと言う、オカシナ状況になった。

原因はマニホールドの熱変形によるモノだった。

S45cで製作されているマニホールドのフランジ部分を、もっと厚くして、加工精度を上げれば
良かったのだろうが・・・これには・・・流石に困った。


以上の様に・・・なかなか業務用に使用出来るマフラーが市販されていないのが、現状と言う事ではないだろうか?


これまで色々と2サイクルマフラーについて、理論的な事を話して来たのだが・・・
結論として・・・業務用のラジヘリに使用する事を考慮すると・・・その最適なマフラーとは・・・

パワーはそこそこでも、安定したエンジンの回転が得られ、尚且つ、軽量で消音効果に優れ、
マニホールドの緩みが出ないモノが最適なのでは無いかと、私は考えますが・・・
皆さんは如何お考えでしょうか?

マニホールドの緩みが招く・・・排気漏れなど・・・最悪ですからね。


次回は・・・消音効果を一段と向上させる・・・サブマフラーの話をしたいと思います。

では・・・又~。





業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート3

2012-04-19 06:06:00 | マテリアル
前回は・・・BECに付いての・・・緊急提言(注意喚起)を行ったので・・・
業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート3は、お預けとなってしまった。


今回からは・・・話を元に戻して、マフラーに付いて考えてみたいと思う。


前々回の・・・業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート2では、
4サイクル用のマフラーと、2サイクル用のマフラーとでは、設計理論が根本的に異なっている事を
お話しした。


具体的には・・・4サイクル用の高性能マフラーを開発する場合は・・・間違いなく排気抵抗を
如何に軽減してスムーズに排気させるか?を・・・念頭に設計されている。

その上で・・・高速域を多用する場合と、低中速域を多用する場合とで、長さを調整して使用するのである。


方や問題の・・・2サイクル用のマフラーの場合は・・・如何なっているのだろうか?


パート1で・・・250ccのバイクで、マフラーを付けずに走ったら・・・パワーが全く出なかった・・・
と言う話しをしたと思うが・・・本当にそんな事が有るのだろうか?


その理由は・・・基本的なエンジンの構造にある。


でも、本当に・・・マフラーひとつで・・・そんなにエンジンの特性が変わってしまうモノなのか・・・?


もし・・・そうだとすれば・・・どんなカラクリが2サイクル用のマフラーには有るのだろうか?


以下では・・・当然、エンジンの構造も理解する必要がある事から・・・その辺のサワリだけ、
ここで確認しておきたい。


4サイクルエンジンでは、吸入・圧縮・爆発・排気を行っているので、全ての行程が
終了するまでにクランクシャフトが2回転する。

その事は・・・各工程が、独立している事を意味している。


方や・・・2サイクルエンジンでは・・・吸入・圧縮・爆発・排気の全ての行程が終了するまでに
クランクシャフトを、1回転させるだけで済ませてしまっている。


因って・・・一般的に4サイクルエンジンと比較して、2サイクルエンジンの常用回転数が
高い理由がここにある。



従って、エンジンが1回爆発する為に(燃焼行程)要する、工程数の違いから・・・
エンジンの名前の由来が・・・そこに有る。



以上の事からも・・・2サイクルエンジンの方が、少ない燃焼行程でエンジンを爆発させられるので、
一見、効率が良い様にも思えるのだが・・・。

しかし・・・実際には、この少ない燃焼工程にこそ・・・問題があるのである。



その問題とは・・・何か?・・・と、言う事だが・・・。


2サイクルエンジンの場合には・・・クランクシャフトが・・・僅か1回転するだけで
エンジンが爆発するのだから・・・吸入・圧縮と、爆発・排気を、ほぼ同時に行っている。

その上・・・実際には、次の工程に移る際に、吸入と排気のタイミングも・・・オーバーラップしている
時間があると言う事なのだ。


その理由は・・・構造上・・・ピストンがバルブの役目を負っているからに他ならないのだが・・・。

この様な2サイクルエンジンを・・・ピストンバルブと呼んでいる。


繰り返しになるが・・・そこに問題があって、十分な充填効率が得られないのである。


その理由とは・・・

ピストンが、バルブの役目も担っている以上・・・そのタイミングの設定には・・・自ずと限界がある。

従って・・・エンジンが一回爆発するだけなら問題は無いのだが・・・実際には
連続してエンジンは運転するから・・・問題が発生してしまう・・・と言う訳だ。

それは・・・吸入と排気のタイミングが・・・オーバーラップしている時間があるので、
次の燃焼行程に移る時に・・・爆発させる為に吸入された生ガスが、燃焼(爆発)する前に、
排気ポートから・・・先の工程の排気と共に、一緒に外へ出て行ってしまうのである。

一般的に、これを・・・吹き抜け・・・と、言うが・・・これでは爆発させる為に、
折角吸い込んだ混合気が・・・爆発しないまま大気中に放出されてしまい、
燃焼室に爆発するまで留まっていられない事から・・・酷く充填効率が悪いのである。

これが・・・2サククルエンジンの最大の欠点である。


実際には・・・黎明期の頃は色々な種類の2サイクルエンジンが存在し、違う構造のエンジンも
有った様だが・・・我々が現在、一般的にガソリンヘリで使用しているエンジンは・・・
この手のエンジンだと言う事なのだ。


他に・・・ロータリーバルブと呼ばれる・・・クランクシャフトに直結した、
円盤状のバルブを持つ構造の2サイクルエンジンもある。

こちらは・・・吸気タイミングを、ある程度自由に設定出来るので、レース用などの
一部の高性能エンジンでは常用されているのだが・・・あまり一般的ではない。



因って・・・充填効率を向上させる為に(混合気の吹き抜けを防ぐ)・・・何らかの仕掛けが必要となる。


そこで・・・マフラーに排気バルブの役割を担わせる事を目的として、
エキスパンションチャンバーが考案された。


勿論・・・後には、それらを改善する為の、色々な仕掛けが開発されたが・・・
あくまでも黎明期の頃の話である。

しかし・・・現在我々が使用しているガソリンエンジンは・・・その頃のエンジンと
基本的な構造は・・・然程、変わりないのである。



そんな訳で・・・私が考えるに・・・多分・・・マフラーを設計する場合の難しさからすると・・・
2サイクル用の方では無いか?と、考える。


まあ・・・それは・・・『出来の良い』エキスパンションチャンバー・・・と、呼ばれるマフラーの
場合に限るのだが・・・。


ただし、その手のマフラーは・・・ある回転域から急激にパワー特性が変化する傾向にあるので、
少々使い難い側面も持ち合わせている。

従って・・・市販されているバイク用のマフラーなども・・・当然その要素を取り入れてはいるが、
市街地走行でも扱い難くない程度に、設計されていると言う事だろう。


そんな訳で・・・以前、私が体験した様に、250ccのバイクからマフラーを外した場合には、
思う様な出力が得られなくても・・・至極当然の事だったのだ。



模型用でも・・・それに該当するマフラーが販売されている。


模型用では・・・チューンドサイレンサーと呼ばれている・・・それである。



この続きは・・・次回で。









業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート3のつもりが・・・急患が入る。

2012-04-18 08:32:14 | ガソリンヘリ
前回に引き続き・・・今回も、業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート3と題して、
お話しするつもりであったが・・・ある空撮業者から・・・SOSの連絡があった。

電話でその症状を確認したのだが・・・擬音交じりの説明で・・・サッパリ・・・要を得ない。

そこで・・・時系列で有った事を、そのまま話して欲しいと言っては見たモノの・・・無駄な努力であった。

根拠のない・・・自分の主観を織り交ぜて話されるモノだから・・・何が真実なのか?見当も付かないのである。


仕方がないので・・・例に因って、持参して欲しい・・・と、言う事になった。


実際に持ち込まれた機体を診ながら・・・オペレーターに、その時の状況を・・・根掘り葉掘り・・・聞いた。

その中から・・・原因の糸口を・・・必死に探すのである。

もうチョット・・・話を整理して頂けたら・・・こんな苦労はしなくても済むのだが・・・。


その結果・・・どうも、作業中に低電圧エラーが発生した・・・と、言う事は間違いないらしい。


オペレーターも・・・AceOneのLED表示に付いて・・・購入先が発行しているAceOneの
日本語版の取り扱い説明書を・・・一応、確認したらしい。


その為・・・オペレーターは、頻繁に起動エラー~起動エラーと繰り返すのである。

私が・・・訳した中には・・・その様な表記は無かったハズなのだが・・・?


実際に・・・その、AceOneの日本語版の取り扱い説明書を見せて頂いた処・・・???


そこには、本来記載されていなければならない・・・低電圧エラーではなく・・・起動エラーと
誤表示されていたのである。


これでは・・・そのオペレーターも、頻繁に起動エラー~起動エラーと繰り返すのも無理が無いのである。



その事が・・・問題解決を更に難しくさせていた・・・要因であった。



因みに・・その取扱い説明書は・・・弊社で訳したモノではないので・・・念の為、お断りしておく。



それらの聞き取り調査から、ある仮説を立て・・・それを確認する為に、実際に機体の電源を入れて見る事にした。



その時点では・・・一見・・・異常なく制御系が立ち上がった様にも・・・見えた。


そこで・・・その状態で・・・各部(特に、電源の)の接触不良が無いかを・・・探した。



その結果・・・直ぐに・・・その原因は、見つかった。


それは・・・BECの断線である。

4.8v仕様のサーボ等を使用した機体に、AceOneを搭載してリポから電源を供給する場合には・・・
必ず、電圧を調整する必要がある。


因って・・・BECを使用して、電圧を降圧するのだが・・・そのBECに関しては・・・色々なトラブルが
絶えないのである。


弊社でも・・・今回トラブったBECと同じ製品を使用しているのだが・・・自己責任で、配線を太くして
使用していた。


今回・・・断線したBECは・・・オリジナルのまま使用していたのである。

下の写真が・・・実際に断線したBECである。





このBEC・・・基本的な性能は・・・満たしているのだが・・・その配線だけが、ガソリン機に使用する事を
前提とした場合には・・・些か不安の残る・・・細い線を使用しているのである。


早速・・・その対策や、各部の調整を行った上で・・・修理完了となった。

しかし・・・今回の不具合は・・・かなり危険な状況であった。

従って・・・該当BECを使用しているユーザーは、直ぐにでも対策を執った方が良いだろうと思う。


そんな訳で・・・今回は、緊急提言として・・・予定を変更してBECの話をした。


全て、修理・調整が終了した時点で、依頼先のオペレーターに確認フライトを行ってもらった。



結果は・・・OK。

今回は・・・幸い、何もなくて良かったが・・・機体整備やフライト前のプリフライトチェックの重要さを
改めて痛感させられた事案であった。








業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート2

2012-04-15 05:15:37 | マテリアル
前回は・・・私が子供のころ・・・実際に体験した事をお話しした。

前回も・・・500人程の人にブログを見て頂いた様だが・・・多分、そのタイトルから
多大な期待を抱いて・・・読んで頂いたのではないだろうか?

しかし・・・話の内容が・・・余りにも、そのタイトルと乖離していて、皆さんにとっては、
ツマラナイ話であったと思うが・・・私は、その時非常に重要な事を悟ったのである。


なんて・・・宗教家じゃないのだから・・・そんなに大それた事を悟った訳では・・・勿論ない。


ただ・・・その愚にも付かない悟りを開く為に・・・数々の製品が・・・廃棄処分になった事は
・・・言うまでもない。



問題の・・・2サイクルの250ccバイクも・・・危うく、廃棄処分になるところだった。



しかし、何故・・・2サイクルエンジンは・・・マフラーを装着しないと、まともに走らなかったのか?


昔の・・・模型用のエンジンには・・・最初から、マフラーなど付いていなかったではないか?


マフラーって・・・そもそも、排気音を小さくする為のモノでは無いのか・・・???
もし・・・そうだとすると・・・消音をする必要が無ければ・・・マフラーなど要らないのか?


その辺の事に付いて・・・今回は考えてみたい。



先ず・・・マフラーに付いて・・・基本的にその特性を整理してみる。

4サイクル用のマフラーと2サイクル用のマフラーでは、考えている事が正反対だと言う事だ。

この理由は・・・エンジンの構造にあるのだが・・・。



今回は4サイクル用のマフラーに付いて・・・考えてみたい。


一般的に市販されている車やバイクに・・・標準で装着されているマフラーは・・・まず例外なく
消音目的で作られている。

性能など・・・二の次なのだ・・・ただ、音が小さければそれでいい・・・現在では特にそうだと思う。


しかし・・・元来、4サイクルエンジン用のマフラーは・・・如何にスムーズに排気させるかが・・・
開発時の最大のポイントである。

今は・・・どうか?は、知らないが・・・昔のレース用のマフラーなどは・・・直缶タイプで、
サイレンサー部分などなかった。



何故・・・サイレンサーが無いのか?・・・それは、排気抵抗が増える事が・・・その最たる理由である。

だから・・・昔の4サイクルのレース用の車やバイクには、そんなモノは装着されていなかったのである。



それでも・・・苦情など出無い・・・古き良き時代のことである。



確か・・・昭和49年頃・・・画期的な750ccのバイクが販売された。


通称・・・Z2と、呼ばれる・・・カワサキのRS750である。


当時・・・その洗練されたデザインから・・・爆発的な人気を得た。


しかし・・・エンジンはともかく・・・キャブやフレームに問題が有って・・・その後、幾度となく改修の
憂き目にあった。

それでも・・・それまでは、ホンダのドリーム750Four(RS750が発売された頃は・・・K4だったかな?)
と言う、団子の様な形をしたバイクしか・・・このクラスには無かったのだから、無理も無かった。

エンジンのパワーや、排気音もRS750の方が勝っていたが・・・何より・・・格好が良かったのである。

スピードメーターやバックミラーなどのデザインも洗練されていた。

その証拠に・・・何年か前に・・・同じようなバイクが・・・また、リバイバルで発売されたと聞いている。


それに・・・そのころのホンダのバイクは・・・何を考えているのか?・・・理解に苦しむ様な安全対策?が
施されていた。


ワンアクションで、スロットルが全開にならないのである。


スロットルを全開にする為には・・・操作中にグリップを握り直す必要があった。

唯でさえ・・・前に進まない様なバイクに・・・そのことが拍車を掛けていたのである。


そんな訳で・・・スロットル操作も重かった事から・・・スタート時にタイヤがスキッドする事はなかった。

パワーも無かった事が原因だとは思うが・・・その反面・・・急激にスロットルが戻ってしまうので、
エンジンブレーキでタイヤが・・・泣いた(鳴いた:笑い)。


私も・・・御多分に漏れず・・・Z2を何台も買った。


その当時・・・ヨシムラと言うおじさんが作っていた・・・集合管なるものが販売された。

車にも・・・たこ足・・・と呼ばれる、似た様なモノがあったが・・・あくまでもマニホールドだけだった。


しかし・・・その集合管は・・・マフラー部分も一体で作られていた。


直ぐにでも購入したかったのだが・・・一体何処に売っているのか?・・・
最初は・・・判らなかったのである。

事実・・・日本中で数件しか代理店が無かったので・・・無理も無い。


今なら・・・インターネットで簡単に見つかるだろうが・・・その当時はそんな事も難しかったのである。


ヤガテ・・・苦労の末に・・それを、手に入れた。

当時、横浜の保土ヶ谷にあった(今も有るのだろうか?)横浜ライニングを、何とか探し当てて、
ワザワザ・・・そこまで買いにいったのである。

イザ買ったは良いが・・・持って帰るのに・・・苦労した。

それは・・・重かった。

買いたい一心で・・・後の事は全く考えていなかったのである。


それは・・・言わずと知れた、手曲げであったが・・・¥49,000円もしたのである。


他に・・・機械曲げも、10,000円程安く販売されていたが・・・当時の私の給料が
大体8万円位だったのだから・・・その値段は・・・当時からすれば・・・べらぼうな金額であった。



しかし、そのマフラーで・・・4サイクルのマフラーに付いて・・・学んだ。


ヤガテ・・・それを元に・・・自分で集合管を作ってみた。

当然・・・全てを自作する技術はないし・・・既にヨシムラおじさんに
お金を吸い取られているので財力もない。


従って、仕方がないので・・・材料は全て・・・廃品で賄った。


エキパイは・・・行きつけのバイク屋から・・・Z2のマフラーを鉄屑の中から調達した。

排気管の部分は・・・2トンや3トントラックのプロペラシャフトを車屋の鉄屑の中から拾ってきて使った。

それらを溶接して・・・製作したのである。


材料は・・・ふんだんにあったので・・・排気管の長さや形状を変更して・・・何本か試作した。


実際にシャーシダイナモで確認した訳では無いので・・・何ともいえないが・・・それらのエキゾーストノートは
明らかに・・・ヨシムラのそれとは異なっており・・・手前みそだが・・・性能は上の様に感じた。

単なる思い込みであるが・・・昔のF1のブラバムみたいな音がして・・・何とも言えない、その雰囲気を
醸し出していたのである。


その時・・・私のバイクを・・・ボロクソクーリー(わかるかな~)が乗ったら・・・なんと言っただろうか?



オット・・・今回も他愛のない昔話で・・・時が経ってしまった。


なかなか・・・本題に届かないが・・・文才の無さ故・・・ご勘弁を頂きたい。

次回も・・・読んでね~