車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

田尻歴史館・愛らんどハウス in 大阪府田尻町吉見

2023年02月15日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・大阪府

大阪府田尻町吉見に残る歴史的建造物「田尻歴史館」、愛称は「愛らんどハウス」。1996年に国の登録有形文化財に登録され、2005年には大阪府の有形文化財に指定。また2007年には近代化産業遺産として認定。洋館の二階部分と、隣接した2階建の和館は一般展示されており、内部の見学が可能。歴史的建造物のファンならずとも一度は訊ねてみたい場所です。

明治・大正期の実業家で、関西の紡績業界の中心人物であり「綿の王」と呼ばれた実業家『谷口房蔵氏(万延2年(1861)~昭和4年(1929))』。泉南郡田尻村に生まれ、大阪に出て綿布商を創業。以来綿紡績業につくし、大阪合同紡績、和泉紡績社長などを務め、関西紡績業界の重鎮として活躍した人物。

その谷口房蔵氏が生まれ故郷に谷口綿布工場(後に吉見紡織株式会社)を設立。その工場の向かいに彼の別邸を持つ事で派生する「所得税」の納付。それによって田尻町に貢献しようとしたと伝えられています。

この別邸は大正11年(1922)に建てられ、研修・宿泊施設としても用いられてきました。昭和3年(1928)の谷口の没後、民間会社や個人の所有を経て、1993年に田尻町が保有するところとなり、一般公開される事となりました。

敷地内には洋館に並んで日常生活を送るための和館、茶室や土蔵3棟が配されています。洋館部分は煉瓦造2階建て、至るところに使用されているステンドグラス、明るい色のタイル貼りの外壁、ドイツのユーゲントシュティールの影響を窺わせるこのスタイルは、大正期の西洋館の特徴をよく表しています。

また、インテリアの草花をモチーフとしたステンドグラスはアメリカ流の乳濁したガラスが特徴で、欄間や食器棚にまで多用されており、特に2階踊り場部分に施されたステンドグラスは神秘的ともいえる美しさ。

二階へと通じる階段の幾何学的な造形美

設備として印象的だったのは、洗面台に設けられた二つのカラン。この当時、個人の別宅で普通にカランをひねるとお湯が使えるというのは、相当に贅沢な設備だったと思われます。

和館部分は木造2階建て、一見普通の造りに見えますがこれがまた中々どうして(^^;)。

ガラス越しの日差しを受けて、穏やかに枝を広げる綿の実の投げ入れ。左右の障子戸はどんなに贅を凝らしたカーテンよりも慎ましく雅に見えます。

大胆な構図の欄間彫刻。明り取りの障子戸から差し込む光の優雅さ。

和室の縁から直接行ける茶室

綺麗で素晴らしいものを見ると、心がとっても贅沢な気分になれます。今日は少しだけお金持ちの気分を味わえました(笑)

洋館と向かい合うように造作された日本庭園。振り向いた門の向こうに赤い煉瓦の美しい建物が見えます。

一見あるがままに見えて、計算され尽くした木々や庭石の配置。深呼吸をするにはもってこいの空間ですね。

敷地内の一画にあった十三重塔。特にこれに関しての記載は見当たりませんでした。

訪問日:2015年10月8日

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする