チョット年代が遡るが、急に思い出したので、竹スキーのことについて書いてみます。
少年期を過ごした気仙沼の冬の思い出は、田んぼで滑ったスケートと山やちょっとした坂道で遊んだ竹スキーです。特に太平洋に面して北に位置する割には雪が少ない気仙沼では、10~20cmの積雪やそれが押し固められた道路に竹スキーが最適で、よく遊んだのを覚えています。
竹スキーなるものは全国にあるようですが、形態はそれぞれ特徴があって異なるようです。
気仙沼のはちょっと独特で、なかなか良くできていました。今は道路でそんなもので遊んでいたら危険で、禁止されているのでしょうが、まだ車も少ない、馬車で荷物を運んでいたりもした当時は全く問題ではありませんでした。
そもそも気仙沼は漁港で、当時は「東洋一の魚市場」などといわれていたものでした(今でもそう言っているかは分からないが)。
サンマの水揚げもたしか日本一ではなかったかと思います。当然、魚を運搬する入れ物が必要なわけですが、当時の主流は竹篭だったのです。ということで街中には何件かの竹細工屋(竹篭以外にいろいろなものを作っていた)があり、子供達は雪が降ると小銭を手に竹細工屋に出かけていって、その場で竹スキーを作ってもらっていました。「竹スキーください」というと、おじさんたちは「はいよ」と、仕事の手を休めて、すぐにサッサッと作ってくれたものでしたが、その作っているのを眺めるのがまた楽しみでした。
作り方
1、節の間隔が足の大きさ(長さ)の倍くらいで4~5cm径の青竹を選ぶ。青竹でないと作れません。
2、節の手前と次の節の手前の二箇所を鋸で切断し、つまり片側に節があり、他方に節のない竹筒を作り、これを鉈で縦に二つに割る。
3、節の無い側から1.5~2cm幅となるように、反対側の節から6~10cmのところまで短冊状に斬り割りを入れる。
4、節に近い斬り割りの端の部分を火であぶり(当時は作業場の中のストーブを用いていた)、適当にあぶったら、両端をやけどをしないように雑巾で持ったまま、斬り割りの端の部分で二つに曲げ(これで短冊上の部分が平らになる)そのままの形を保持したまま水にジューッとつけて、冷ます。
5、充分に冷めたら、出来上がり。つま先側に節がついてそり上がった部分と、足で踏まれる平らな部分がついた竹スキーの出来上がり。
坂の上に2個のスキーを平行に並べ、長靴を履いた片足を載せ、次に慎重に他の足を別のスキーの上に載せたら、すり足で前に進んで、後は滑り降りるに任せます。ショートスキーよりさらに短い、マイクロスキーで、長靴とスキーは固定されていないので、慣れるまでちょっと大変ですが、滑りながらすり足で方向をかえることもできました。
子供達はみな上手でした。
昭和30年代の話です。
<鍼灸マッサージサロン・セラピット>
少年期を過ごした気仙沼の冬の思い出は、田んぼで滑ったスケートと山やちょっとした坂道で遊んだ竹スキーです。特に太平洋に面して北に位置する割には雪が少ない気仙沼では、10~20cmの積雪やそれが押し固められた道路に竹スキーが最適で、よく遊んだのを覚えています。
竹スキーなるものは全国にあるようですが、形態はそれぞれ特徴があって異なるようです。
気仙沼のはちょっと独特で、なかなか良くできていました。今は道路でそんなもので遊んでいたら危険で、禁止されているのでしょうが、まだ車も少ない、馬車で荷物を運んでいたりもした当時は全く問題ではありませんでした。
そもそも気仙沼は漁港で、当時は「東洋一の魚市場」などといわれていたものでした(今でもそう言っているかは分からないが)。
サンマの水揚げもたしか日本一ではなかったかと思います。当然、魚を運搬する入れ物が必要なわけですが、当時の主流は竹篭だったのです。ということで街中には何件かの竹細工屋(竹篭以外にいろいろなものを作っていた)があり、子供達は雪が降ると小銭を手に竹細工屋に出かけていって、その場で竹スキーを作ってもらっていました。「竹スキーください」というと、おじさんたちは「はいよ」と、仕事の手を休めて、すぐにサッサッと作ってくれたものでしたが、その作っているのを眺めるのがまた楽しみでした。
作り方
1、節の間隔が足の大きさ(長さ)の倍くらいで4~5cm径の青竹を選ぶ。青竹でないと作れません。
2、節の手前と次の節の手前の二箇所を鋸で切断し、つまり片側に節があり、他方に節のない竹筒を作り、これを鉈で縦に二つに割る。
3、節の無い側から1.5~2cm幅となるように、反対側の節から6~10cmのところまで短冊状に斬り割りを入れる。
4、節に近い斬り割りの端の部分を火であぶり(当時は作業場の中のストーブを用いていた)、適当にあぶったら、両端をやけどをしないように雑巾で持ったまま、斬り割りの端の部分で二つに曲げ(これで短冊上の部分が平らになる)そのままの形を保持したまま水にジューッとつけて、冷ます。
5、充分に冷めたら、出来上がり。つま先側に節がついてそり上がった部分と、足で踏まれる平らな部分がついた竹スキーの出来上がり。
坂の上に2個のスキーを平行に並べ、長靴を履いた片足を載せ、次に慎重に他の足を別のスキーの上に載せたら、すり足で前に進んで、後は滑り降りるに任せます。ショートスキーよりさらに短い、マイクロスキーで、長靴とスキーは固定されていないので、慣れるまでちょっと大変ですが、滑りながらすり足で方向をかえることもできました。
子供達はみな上手でした。
昭和30年代の話です。
<鍼灸マッサージサロン・セラピット>