きらく堂日記

鍼灸師の喜楽堂が日々の出来事、過去の思い出、趣味にまつわる話などを綴った日記帳(=雑記帳)です

2012年7月1日奉納試斬会(1)斬り上げ、(2)胴斬り

2014年04月10日 | 居合・日本刀
平成24年7月15日
田宮流居合・神明会
横須賀市久里浜天神社奉納試斬会・・・ただし試斬の技は戸山流

(1)斬り上げ

向かい合った敵が、刀の柄を握った瞬間に、抜き打ちで敵の前腕を斬り上げる。

抜き打つ速さが命の業ですので、通常の型居合でやるような序破急といった抜き方はいたしません。
柄に手をかけたら一拍子で一気に抜き上げます。身体全体で斬るつもりで刃筋をキチンと通さないと斬れません。

下からの攻撃は相手にとって防ぐのが難しいため、極めて有効な技です。













(2)右の敵、胴斬り

想定は右側にいる敵が刀を振りかぶった時に、抜き打ちで胴を斬るというもの

相手が速ければ私の右腕は斬り落とされますので、これも速さが命。

巻き藁の所に相手が居る訳ですから、斬り合いが如何に接近戦であるかが分かると思います。
刀どうしをチャリンチャりン打ち合わせている分には離れていても良いけど(刀を打ち合わせるのは映画だけのことですが)、相手を斬るには思い切り踏み込まないと刀が届かない訳で、実際は怖くてそれが出来ない。敵の股の間にこちらの足を踏み入れるつもりで踏み込め、または鍔元で斬るつもりで踏み込めと言われます。

相手の刀もこちらに届く訳ですから、踏み込む怖さは並大抵ではないでしょう。
間合いが遠ければ空ぶりするし、近ければつばぜり合いや取っ組み合いになってしまう訳で、実際のところそんな斬りあいがほとんどだったようです。

動きながら、動いている相手を最適な間合いで斬るなんて実は至難の業なのです。
竹刀と真剣の重さの違いは勿論ですが、剣道の打突と真剣での斬りあいは別物なのです。