内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

シリーズ高まる消費税の福祉目的税化と大幅増税論―不可避となった行政大改革―

2008-05-22 | Weblog
シリーズ高まる消費税の福祉目的税化と大幅増税論―不可避となった行政大改革―
 5月19日、政府は、基礎年金を税方式にした場合の財政試算を公表した。それによると、追加的に必要な財源は2009年度時点で9兆円から33兆円で、これを全額消費税増税で賄うと、消費税率は9.5%から18%(現行の消費税率を含む)に引き上げる必要があるとしている。問題となっている医療や介護保険の給付増の手当てはこれには含まれていない。
 また同日、日本経団連の御手洗会長は、消費税を基礎年金だけでなく、医療・介護などの財源に充てるために社会保障目的税化した場合には、2020年とか25年頃には、「10%で収まるとは思っていない」と述べ、消費税の大幅増税の必要性を示唆している。
 政府の試算には、医療・福祉を含めていない上、9.5%から18%と可なりの幅があるが、最低限でも09年度に9.5%への消費税引き上げが必要との期待を示した形だ。
 10年間59兆円の道路特定財源を09年度から一般財源化するとの方針が示されている中で、関連法案が国会を通過した直後での消費税増税提案である。
 はっきりしたことは、現状の放漫財政のままでは、近々にも大幅な消費税増税が必要と政府自体が認め、財界が一定の理解を示していることだ。
 国民の側に立てば、それでなくても年金への信頼感が揺らぎ、将来設計がたち難くなっている上に、石油の高騰と小麦製品を始めとする物価の上昇と景気の停滞など、国民生活の先行きは明るくはない。将来的には少子・高齢化が一段と進むと政府当局自身も公表しており、年金、医療などの福祉関連予算は増加することが予想されている一方、税負担を担う若い世代は減少し、国民の税その他の納付能力は低下することになる。そのような中での消費税等の大幅増税は国民の消費意欲だけでなく、生活する活力まで削いでしまう恐れもある。
 過去のものとなっていた小説「蟹工船」が若い世代に流行っているという。若い世代が酷使されていると感じているからであろうか。働け、働けと言われても正当化やモチベーションが不可欠だ。ましてや少子化の中で一人っ子や子供2人程度の家庭で育ってきた世代には、高齢者のために福祉を担えと言われても、国や地方公共団体が無駄や浪費を徹底的に削減しなければ納得出来ないであろう。
 国や地方の行政を徹底的に簡素化、スリム化し効率化が不可欠だ。問題の先送りは許されず、行政の抜本的改革が必要になっている。それを今回の政府財政試算が明らかにしてくれた。現役世代が若い世代の負担感や高齢者の不安感を取り除く努力が必要のようだ。(08.05.)                    (Copy Right Reserved.)
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シリーズ高まる消費税の福祉目的税化と大幅増税論―不可避となった行政大改革―

2008-05-22 | Weblog
シリーズ高まる消費税の福祉目的税化と大幅増税論―不可避となった行政大改革―
 5月19日、政府は、基礎年金を税方式にした場合の財政試算を公表した。それによると、追加的に必要な財源は2009年度時点で9兆円から33兆円で、これを全額消費税増税で賄うと、消費税率は9.5%から18%(現行の消費税率を含む)に引き上げる必要があるとしている。問題となっている医療や介護保険の給付増の手当てはこれには含まれていない。
 また同日、日本経団連の御手洗会長は、消費税を基礎年金だけでなく、医療・介護などの財源に充てるために社会保障目的税化した場合には、2020年とか25年頃には、「10%で収まるとは思っていない」と述べ、消費税の大幅増税の必要性を示唆している。
 政府の試算には、医療・福祉を含めていない上、9.5%から18%と可なりの幅があるが、最低限でも09年度に9.5%への消費税引き上げが必要との期待を示した形だ。
 10年間59兆円の道路特定財源を09年度から一般財源化するとの方針が示されている中で、関連法案が国会を通過した直後での消費税増税提案である。
 はっきりしたことは、現状の放漫財政のままでは、近々にも大幅な消費税増税が必要と政府自体が認め、財界が一定の理解を示していることだ。
 国民の側に立てば、それでなくても年金への信頼感が揺らぎ、将来設計がたち難くなっている上に、石油の高騰と小麦製品を始めとする物価の上昇と景気の停滞など、国民生活の先行きは明るくはない。将来的には少子・高齢化が一段と進むと政府当局自身も公表しており、年金、医療などの福祉関連予算は増加することが予想されている一方、税負担を担う若い世代は減少し、国民の税その他の納付能力は低下することになる。そのような中での消費税等の大幅増税は国民の消費意欲だけでなく、生活する活力まで削いでしまう恐れもある。
 過去のものとなっていた小説「蟹工船」が若い世代に流行っているという。若い世代が酷使されていると感じているからであろうか。働け、働けと言われても正当化やモチベーションが不可欠だ。ましてや少子化の中で一人っ子や子供2人程度の家庭で育ってきた世代には、高齢者のために福祉を担えと言われても、国や地方公共団体が無駄や浪費を徹底的に削減しなければ納得出来ないであろう。
 国や地方の行政を徹底的に簡素化、スリム化し効率化が不可欠だ。問題の先送りは許されず、行政の抜本的改革が必要になっている。それを今回の政府財政試算が明らかにしてくれた。現役世代が若い世代の負担感や高齢者の不安感を取り除く努力が必要のようだ。(08.05.)                    (Copy Right Reserved.)
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シリーズ高まる消費税の福祉目的税化と大幅増税論―不可避となった行政大改革―
 5月19日、政府は、基礎年金を税方式にした場合の財政試算を公表した。それによると、追加的に必要な財源は2009年度時点で9兆円から33兆円で、これを全額消費税増税で賄うと、消費税率は9.5%から18%(現行の消費税率を含む)に引き上げる必要があるとしている。問題となっている医療や介護保険の給付増の手当てはこれには含まれていない。
 また同日、日本経団連の御手洗会長は、消費税を基礎年金だけでなく、医療・介護などの財源に充てるために社会保障目的税化した場合には、2020年とか25年頃には、「10%で収まるとは思っていない」と述べ、消費税の大幅増税の必要性を示唆している。
 政府の試算には、医療・福祉を含めていない上、9.5%から18%と可なりの幅があるが、最低限でも09年度に9.5%への消費税引き上げが必要との期待を示した形だ。
 10年間59兆円の道路特定財源を09年度から一般財源化するとの方針が示されている中で、関連法案が国会を通過した直後での消費税増税提案である。
 はっきりしたことは、現状の放漫財政のままでは、近々にも大幅な消費税増税が必要と政府自体が認め、財界が一定の理解を示していることだ。
 国民の側に立てば、それでなくても年金への信頼感が揺らぎ、将来設計がたち難くなっている上に、石油の高騰と小麦製品を始めとする物価の上昇と景気の停滞など、国民生活の先行きは明るくはない。将来的には少子・高齢化が一段と進むと政府当局自身も公表しており、年金、医療などの福祉関連予算は増加することが予想されている一方、税負担を担う若い世代は減少し、国民の税その他の納付能力は低下することになる。そのような中での消費税等の大幅増税は国民の消費意欲だけでなく、生活する活力まで削いでしまう恐れもある。
 過去のものとなっていた小説「蟹工船」が若い世代に流行っているという。若い世代が酷使されていると感じているからであろうか。働け、働けと言われても正当化やモチベーションが不可欠だ。ましてや少子化の中で一人っ子や子供2人程度の家庭で育ってきた世代には、高齢者のために福祉を担えと言われても、国や地方公共団体が無駄や浪費を徹底的に削減しなければ納得出来ないであろう。
 国や地方の行政を徹底的に簡素化、スリム化し効率化が不可欠だ。問題の先送りは許されず、行政の抜本的改革が必要になっている。それを今回の政府財政試算が明らかにしてくれた。現役世代が若い世代の負担感や高齢者の不安感を取り除く努力が必要のようだ。(08.05.)                    (Copy Right Reserved.)
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 5月19日、政府は、基礎年金を税方式にした場合の財政試算を公表した。それによると、追加的に必要な財源は2009年度時点で9兆円から33兆円で、これを全額消費税増税で賄うと、消費税率は9.5%から18%(現行の消費税率を含む)に引き上げる必要があるとしている。問題となっている医療や介護保険の給付増の手当てはこれには含まれていない。
 また同日、日本経団連の御手洗会長は、消費税を基礎年金だけでなく、医療・介護などの財源に充てるために社会保障目的税化した場合には、2020年とか25年頃には、「10%で収まるとは思っていない」と述べ、消費税の大幅増税の必要性を示唆している。
 政府の試算には、医療・福祉を含めていない上、9.5%から18%と可なりの幅があるが、最低限でも09年度に9.5%への消費税引き上げが必要との期待を示した形だ。
 10年間59兆円の道路特定財源を09年度から一般財源化するとの方針が示されている中で、関連法案が国会を通過した直後での消費税増税提案である。
 はっきりしたことは、現状の放漫財政のままでは、近々にも大幅な消費税増税が必要と政府自体が認め、財界が一定の理解を示していることだ。
 国民の側に立てば、それでなくても年金への信頼感が揺らぎ、将来設計がたち難くなっている上に、石油の高騰と小麦製品を始めとする物価の上昇と景気の停滞など、国民生活の先行きは明るくはない。将来的には少子・高齢化が一段と進むと政府当局自身も公表しており、年金、医療などの福祉関連予算は増加することが予想されている一方、税負担を担う若い世代は減少し、国民の税その他の納付能力は低下することになる。そのような中での消費税等の大幅増税は国民の消費意欲だけでなく、生活する活力まで削いでしまう恐れもある。
 過去のものとなっていた小説「蟹工船」が若い世代に流行っているという。若い世代が酷使されていると感じているからであろうか。働け、働けと言われても正当化やモチベーションが不可欠だ。ましてや少子化の中で一人っ子や子供2人程度の家庭で育ってきた世代には、高齢者のために福祉を担えと言われても、国や地方公共団体が無駄や浪費を徹底的に削減しなければ納得出来ないであろう。
 国や地方の行政を徹底的に簡素化、スリム化し効率化が不可欠だ。問題の先送りは許されず、行政の抜本的改革が必要になっている。それを今回の政府財政試算が明らかにしてくれた。現役世代が若い世代の負担感や高齢者の不安感を取り除く努力が必要のようだ。(08.05.)                    (Copy Right Reserved.)
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 5月19日、政府は、基礎年金を税方式にした場合の財政試算を公表した。それによると、追加的に必要な財源は2009年度時点で9兆円から33兆円で、これを全額消費税増税で賄うと、消費税率は9.5%から18%(現行の消費税率を含む)に引き上げる必要があるとしている。問題となっている医療や介護保険の給付増の手当てはこれには含まれていない。
 また同日、日本経団連の御手洗会長は、消費税を基礎年金だけでなく、医療・介護などの財源に充てるために社会保障目的税化した場合には、2020年とか25年頃には、「10%で収まるとは思っていない」と述べ、消費税の大幅増税の必要性を示唆している。
 政府の試算には、医療・福祉を含めていない上、9.5%から18%と可なりの幅があるが、最低限でも09年度に9.5%への消費税引き上げが必要との期待を示した形だ。
 10年間59兆円の道路特定財源を09年度から一般財源化するとの方針が示されている中で、関連法案が国会を通過した直後での消費税増税提案である。
 はっきりしたことは、現状の放漫財政のままでは、近々にも大幅な消費税増税が必要と政府自体が認め、財界が一定の理解を示していることだ。
 国民の側に立てば、それでなくても年金への信頼感が揺らぎ、将来設計がたち難くなっている上に、石油の高騰と小麦製品を始めとする物価の上昇と景気の停滞など、国民生活の先行きは明るくはない。将来的には少子・高齢化が一段と進むと政府当局自身も公表しており、年金、医療などの福祉関連予算は増加することが予想されている一方、税負担を担う若い世代は減少し、国民の税その他の納付能力は低下することになる。そのような中での消費税等の大幅増税は国民の消費意欲だけでなく、生活する活力まで削いでしまう恐れもある。
 過去のものとなっていた小説「蟹工船」が若い世代に流行っているという。若い世代が酷使されていると感じているからであろうか。働け、働けと言われても正当化やモチベーションが不可欠だ。ましてや少子化の中で一人っ子や子供2人程度の家庭で育ってきた世代には、高齢者のために福祉を担えと言われても、国や地方公共団体が無駄や浪費を徹底的に削減しなければ納得出来ないであろう。
 国や地方の行政を徹底的に簡素化、スリム化し効率化が不可欠だ。問題の先送りは許されず、行政の抜本的改革が必要になっている。それを今回の政府財政試算が明らかにしてくれた。現役世代が若い世代の負担感や高齢者の不安感を取り除く努力が必要のようだ。(08.05.)                    (Copy Right Reserved.)
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自転車にきちんとした市民権を― 地球温暖化対策の一つとなるか -

2008-05-22 | Weblog
自転車にきちんとした市民権を― 地球温暖化対策の一つとなるか -
 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
 地球温暖化は待ったなしの局面に入っている。先送りは出来ない。自転車に適正な市民権を与え、総合的な対策を進めるべき時であろう。(08.05.)
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2008-05-22 | Weblog
自転車にきちんとした市民権を― 地球温暖化対策の一つとなるか -
 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
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 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
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自転車にきちんとした市民権を― 地球温暖化対策の一つとなるか -

2008-05-22 | Weblog
自転車にきちんとした市民権を― 地球温暖化対策の一つとなるか -
 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
 地球温暖化は待ったなしの局面に入っている。先送りは出来ない。自転車に適正な市民権を与え、総合的な対策を進めるべき時であろう。(08.05.)
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 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
 地球温暖化は待ったなしの局面に入っている。先送りは出来ない。自転車に適正な市民権を与え、総合的な対策を進めるべき時であろう。(08.05.)
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 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
 地球温暖化は待ったなしの局面に入っている。先送りは出来ない。自転車に適正な市民権を与え、総合的な対策を進めるべき時であろう。(08.05.)
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 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
 地球温暖化は待ったなしの局面に入っている。先送りは出来ない。自転車に適正な市民権を与え、総合的な対策を進めるべき時であろう。(08.05.)
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 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
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 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
 地球温暖化は待ったなしの局面に入っている。先送りは出来ない。自転車に適正な市民権を与え、総合的な対策を進めるべき時であろう。(08.05.)
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自転車にきちんとした市民権を― 地球温暖化対策の一つとなるか -

2008-05-22 | Weblog
自転車にきちんとした市民権を― 地球温暖化対策の一つとなるか -
 自転車は、子供の遊び道具や日常的な生活の道具、スポーツ・レジャー目的として使用され、「交通手段」としては必ずしも定着していない。一方、歩道を疾走したり、ベルを鳴らして歩行者の不快感を誘い、衝突により死傷事故を起こすケースも多くなっている。自転車は、道路交通法上「車両」の一種とはされているものの、歩道を走行することが許され、登録義務や免許制度などもない。「車両」なのか歩行に準じる用具なのかの区別が曖昧だ。
しかし、都市を中心とする電車沿線の再開発が進み、地下鉄網が拡大するにつれて、通勤、通学、そして買い物などに自転車が急速に普及し、日常的な交通手段になって来ている。新たな集合住宅の建設など、居住地区は駅周辺から外側に広がるので、交通手段が大きな問題となる。東京などでは、バスは時間が不安定な上、近距離での片道210円、往復420円となると、通勤、通学用のバス利用には家計費の重荷になるのでますます自転車が普及する。
 ところが、自転車専用路はもとよりのこと、駅周辺や商店街、スーパーマーケット、コンビニ、パチンコ店から銀行、公共施設等に至るまで、駐輪場はほとんど設けられていない。地下鉄南北線と三田線が目蒲線に接続した目黒駅はその利便性から目黒通り沿いに集合住宅が増え、急速に発展しているが、歩道の自転車走行と目黒駅周辺の駐輪ラッシュが問題になって来た。すると登場するのが駐輪規制で、道玄坂を中心として「駐輪禁止」の標識が立てられた。自転車は交通手段として若い人たちを中心に必需品化しているので、案の定、駐輪は「駐輪禁止」の看板のない地区に広がり、少し経つと禁止地区にも駐輪されるようになる。そうすると今度は、規制の強化で、監視員による自転車に「警告」書の貼付や場合により撤去が行われる。自動車が急速に普及し始めた頃の駐車違反と違法駐車取締りのいたちごっこが自転車で始まっている。
地方公共団体によっても対応が異なる。渋谷駅周辺は空いているスペースに1日10
0円で駐輪出来る場所を設けるなど、他の区と比較して対策が進んでおり、部分的にモデル・ケースになるが、それでも十分とは言えない。自転車への住民のニーズが高まれば、単にそれを「規制」するだけではなく、自転車専用路の拡大などの安全対策や駐輪場の整備などを行うのが「行政」というものであろう。「駐輪禁止」その他の「規制」には、多くの人件費などの公費が使われ、いわば安易な一面的な対応である。多くの場合、規制は問題の先送りであり、問題自体の解決にはならない。規制している間に抜本的解決策を検討し、3、4年後には解決策を実施に移すことが望まれる。一方、利用者にとっては規制の長期化、恒久化により利便性が低下することになるので、総合的な行政が行われていることにはならない。
 更に、今日、地球温暖化による気候の急激な異常・異変が予想され、炭酸ガス削減が緊要な課題となっている。交通手段としての自転車の利用、普及は、地球温暖化の身近な方法として効果的であり、行政としても再認識しても良いのではなかろうか。
 この観点から、次のことを提言したい。
1、自転車(三輪車などを含む)は、子供の遊び道具、スポーツ・レジャー用品から買い物・交通手段まで、使われている年齢層、目的が多岐に亘り、日常生活に密着した道具となっているので、市町村、区などの地方自治体が総合的に対応することが望ましい。自転車は、基本的には人工的な推進力で動く自動車やオートバイなどとは区別されるべきであろう。その上で警察は、総合的対策の一要素として、歩行者等の安全面などの対策につき市町村等と十分連携し、協力することが望まる。
2、各自治体は、自転車を有効な交通手段として、また温暖化対策の手段として位置付け、駅周辺や公共施設、商店街等での駐輪場の確保や可能な限り専用路の確保など、総合的な対策を推進する。運輸会社、商店街、大規模店などもこの対策に協力することとし、協力者には「環境貢献証」(仮称)を交付すると共に、スペースの提供がある場合には、その部分は固定資産税を免除するなど、税制上の優遇を実施する。
 公共団体、企業その他もこれに協力し、自転車通勤の促進に努めると共に、今後一人当たりの標準的な炭酸ガス削減効果を算定し、徒歩及び自転車通勤者の数により、企業等の炭酸ガス削減実績に含めることを検討する。
3、国及び各自治体もこれらの取り組みを税制上、予算上支援する。
 また、国や地方公共団体、関連団体も、自宅送迎用の公用車の使用を全廃すると共に、自転車通勤の促進を積極的に進める位の環境対策への姿勢を示して欲しいものだ。
4、自転車利用者に対しては、自治体において、道路交通法上の注意やマナーについての講習を義務付け、講習受講者に対し「自転車講習終了証」(仮称)し、自転車に貼付する。学生については学校で講習を実施する。
5、このような自転車インフラの整備と平行して、自転車を持ち込める列車やフェリーの増加などを漸次検討する。途上国援助等においても自転車をクリーンな交通手段としてその普及を支援することも検討すべきであろう。
 地球温暖化は待ったなしの局面に入っている。先送りは出来ない。自転車に適正な市民権を与え、総合的な対策を進めるべき時であろう。(08.05.)
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