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ファイト一発!税理士イワサの社長応援ブログ

税理士の岩佐孝彦が社長に“元気”と“勇気”をお届けするブログです。

一石が投じられた課税問題

2010年08月06日 | 日記
今朝の日経新聞の一面にこんな記事が出ていました。

◎生保二重課税、還付20万件 ~ 個人年金・学資も対象


7月6日の最高裁判で、年金払い方式の死亡保険に「相続税」と「所得税」のダブルで
課税するのは違法という判断が示されました。

もう少し解説すると、以下の通りです。


本来は死亡時に受け取った保険金だけに相続税が課せられる。

現に一括で保険金を受け取った場合は相続税のみしか課せられていない。

しかし、年金方式で分割で保険金を受け取った場合、毎年受け取った時点で所得税も
課せられる。

こうした形を「二重課税」として問題視し、取りすぎた所得税を還付する。


以上のような判決が出たわけです。

そして、記事によれば、還付の対象となる保険契約が何と20万件にのぼり、すでに
300億円近い納税がなされているとのこと。

大きな波紋を呼んでいますね。



中小企業の経営の現場において、還付になる代表例は以下の通りです。


◎大きな設備投資をしたときなどの消費税の還付

 消費税は「使ったお金」に対する税金ですが、大きくお金を使った時は「預かった消費税」
 より「支払った消費税」の方が大きくなるため、還付になるケースが生まれます。


◎欠損金の繰戻し還付制度の利用
 
 21年度の税制改正で復活した制度で、前期に黒字だった時に払った法人税について、
 翌期に赤字になれば、前期の黒字と翌期の赤字を合算して税金を再計算し、前期に払った
 法人税の一部を還付するというものです。


一般的にこうした形で還付を受けると、調査の対象になりやすいといわれます。

やはり税金の本質は納めるべきものであって、もらうべきものではありませんからね。


ですから、今回の判決は国税庁が真剣に還付の調整をせざるを得ない状況を生み出した
という点で、大きな一石を投じたと思います。



私も税理士として健全な税務行政をより一層推進すべく、税法の研究を頑張ります!





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