ファイト一発!税理士イワサの社長応援ブログ

税理士の岩佐孝彦が社長に“元気”と“勇気”をお届けするブログです。

会社を守るための経営者の処世術 ~ ニッセイ個別相談会(御堂筋支社)

2011年10月04日 | 日記
今日は、日本生命の御堂筋支社に訪問しました。

先月実施した「経営者セミナー」で参加された方のフォローの
個別相談会の対応のためです。

前期の決算申告書をご持参して頂き、財務課題を踏まえたうえで
アドバイスさせて頂きました。

今日のような形で、顧問先のお客様以外の会社の決算申告書を
見させて頂いたときに痛切に感じるのは…

もっと早くなぜ手を打たれなかったのか?

ということです。

節税も医療の世界と同様、予防が大切です。



今日の個別相談では、こんなケースがありました。

1つ目は、立派な後継者がいらっしゃって事業承継の計画をお持ち
でいらっしゃるにもかかわらず、先代社長の役員退職金のプランが
全くない。

その結果、会社と個人トータルで見てムダな税金を払っておられる。


事業承継のうえで、役員退職金の支給は大変深い意味があります。

自社株対策に大きな効果があり、税金面でのキャッシュアウトを防げ
ます。

それにより、次世代にバトンタッチした暁に会社のキャッシュフロー
を本業に集中できる環境づくりにもつながります。

オーナー社長は1つの会社から2回退職金をもらうシナリオも
可能です。


役員退職金シナリオが無策というのは、先代社長自身のリタイアメント
プラン上の効果だけでなく、後継者を税金コストからお守りするため
にも、あまりにもったいない話です。



2つ目は、別会社での新規事業が赤字で撤退の決断もできず、
何とか再建を図りたいというご相談でした。

売上アップのためのマーケティング戦略の方針についてのアドバイス
とともに、最悪のシナリオとして万一の時のソフトランディングの
方法もお伝えさせて頂きました。

万一業績の回復の見通しがたたず、繰越の赤字が膨らんでしまった
としても、絶対ただでは転ばないこと。


税務上の一定の要件を満たせば、関係会社の繰越赤字は本体の黒字会社に
吸収合併した場合、引き継ぐことができます。


そこまで最悪を想定しておけば、思い切って赤字解消に動くことができます。

新渡戸稲造氏もこんな名言を残されています。

「勇気を修養するものは、進む方の勇ばかりではなく、退いて守る方の沈勇
 もまたこれを養うよう心掛けねばならぬ。
 両者がそろって真の勇気が成る。」

勇気ある撤退をするためにも、万一の時の財務戦略を用意しておく必要が
あります。


事業承継や新規事業の展開における財務戦略は、単に知らなかったばかりに
節税チャンスを見逃して損してしまったというレベルの話で済まされるもの
ではありません。

ある意味社運がかかっています。

会社を守るための経営者に必須の処世術として、財務戦略の設計に知恵を
働かせましょう!



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