■1月29日、総合教育会議で大阪市教委はテスト結果を校長評価・給与へ反映し、学力向上の目標達成により学校予算の差別化を図るなどの方針を示しました。2月15日、私たちは大阪市教委提案について市教委交渉を持ちました。約40名の市民が駆けつけてくださり、熱のこもった交渉になりました。交渉後には、大阪市役所ヒューマンチェーンを行い、学校現場や保護者、市民から多彩なリレートークを行い、楽器演奏や歌で市民に大いにアピールしました。参加してくださったみなさん、ありがとうございました。
■大阪市教委交渉で明らかとなったのは、総合教育会議で、既定路線のように提案されていた内容が、試行開始の1ヶ月半前になっても、何一つ具体的に決められていないということでした。そもそも今回の提案は、昨年8月吉村市長が大阪市の全国学力テストの結果が政令指定都市で最下位となっていることを煽り、政治主導で校長・教員評価と学力テスト結果を連動させようとしたことから始まっています。そこには、学校現場の実態や子どもたちへの影響などを考慮した形跡はなく、およそ教育の論理を無視したものでした。市教委は、具体的な制度設計を任されたものの、この時期になっても制度の根幹に関わる部分でさえ「検討中」としか答えることしかできませんでした。ついには3月中に試行案がまとまるかどうかも「答えられない」という始末でした。
■具体的には、学力向上度に応じた校長・教員評価の基準となる各学校の学力向上目標(前年度より○○ポイント向上)をどのようにたてていくのか、学校が独自に考えるのか、市教委から指定するのか、学力向上目標をどのように数値化するのか、市教委は明確に回答することができませんでした。
市教委は、昨年10月に各学校に学力テスト(小学校では経年テスト、中学校ではチャレンジテスト)を基にした「各学校の数値目標」を提示していました。私たちは、この「各学校の数値目標」を試行実施での「各学校の学力向上目標」として使うのではないかと考え、数値目標の算出方法が統計学上でたらめではないのかと問いました。しかし、市教委は、算出方法を作成する際に参考にした統計学の専門家の名前さえ明らかにすることができませんでした。しかも、この「数値目標」の算定方法を、試行実施での学力向上目標に活用するかどうかも「検討中」としか答えませんでした。
さらには、私たちは吉村市長の提案時から問題になっていたテスト教科担当教員と担当外教員との評価の「公平性・公正性」をどのように担保するのか問いただしました。しかし、市教委はここでも「検討中」としか答えませんでした。
■私たちは、現在のテスト漬けになっている大阪市の中学校の実態を現場の声として明らかにしました。テストの回数が全国的に見ても突出して多くなってる状況の中で、テストに授業時間を奪われ、通常の授業が圧迫されています。その結果、授業の進み方をかなり早めなければならず、本来であれば「落ちこぼれ」を出さないために丁寧な授業が必要であるにもかかわらず、それと逆行することになっています。市教委は、大阪市の学校は夏休みや冬休みを短くして他府県より授業時間を確保しているので問題ない。膨大なテストが授業を圧迫している実態については把握していないと逃げました。
私たちは、この間、大阪市でいじめ認知件数が激増していたり、不登校の上昇率も高くなっているデータを示し、テストが子どもたちのプレッシャーやストレスになっているのではないかと問いました。市教委は、テストが子どもたちにどのような影響が出ているかを「調査する」としましたので、今後、報告を求めていきたいと思いました。
■総合教育会議の中では、学校現場の実態や子どもたちへの影響については、全く議論されていません。誰のための新制度かと思わざるを得ません。
全国学力テストで上位にある福井県の県議会で中学生の「自殺」を契機に「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」(2017年12月19日)を採択しました。その中では、「学校の対応が問題とされた背景には、学力を求めるあまりの業務多忙もしくは教育目的を取り違えることにより、教員が子どもたちに適切に対応する精神的なゆとりを失っている状況があったのではないかと懸念するものである。このような状況は池田町だけにとどまらず、「学力日本一」を維持することが本県全域において教育現場に無言のプレッシャーを与え、教員、生徒双方のストレスの要因となっていると考える。これでは、多様化する子どもたちの特性に合わせた教育は困難と言わざるを得ない。」と指摘しています。
私たちは、この「意見書」を市教委内で共有すること、山本教育長や教育委員にも配付し、教訓として受け止めていくように強く要請しました。
それはこの制度が教員にとっても大きなストレスになり、病休者や退職者が増えるのではないか、今も大阪市は病休者が多く、代替も見つからない学校が多い中で、今後は学校がいっそう危機的な状況に陥るのではないかということです。参加者の中からは大阪市と他府県・他市を受験した学生が、大阪市に合格しても他に逃げているという実例も紹介されました。
■これほどまでに検討課題が多い中でも、総合教育会議では今年4月からの試行開始を表明しています。2月19日の教育委員会議でも、この問題が審議されますが、市民には非公開です。校長や教員、保護者、教職員組合にも、いまだに全く説明がなされていません。
試行案がまとまるのは、早くても3月上旬になります。試行実施まで1ヶ月を切っています。しかも学校関係者への説明責任も全く行われることなく、試行が強行される危険性があります。何としても4月からの「試行実施」強行を食い止めていきたいと思います。
大阪市教委交渉を終えて、試行実施には様々な問題が山積しており、吉村市長の思惑通りに進んでいないことがはっきりと分かりました。新制度の問題点を様々な視点から明らかにし、校長、教員、保護者、市民がつながり、反対の声を大きくしていけば、4月からの試行実施をストップさせることは可能です。4月からの試行実施を断念させるために一緒に声を上げていきましょう。
■当面の焦点は、2月18日の大阪市議会教育子ども委員会です。私たちは、新制度に反対する陳情書を提出しています。陳情書が採択されるように、是非とも多くの皆さんの傍聴を呼びかけます。
□日時 2月18日(月) 13:00
□場所 大阪市役所P1階(屋上会議室)
□傍聴受付 傍聴人数10名。12:30に役所P1階前。
■大阪市教委交渉で明らかとなったのは、総合教育会議で、既定路線のように提案されていた内容が、試行開始の1ヶ月半前になっても、何一つ具体的に決められていないということでした。そもそも今回の提案は、昨年8月吉村市長が大阪市の全国学力テストの結果が政令指定都市で最下位となっていることを煽り、政治主導で校長・教員評価と学力テスト結果を連動させようとしたことから始まっています。そこには、学校現場の実態や子どもたちへの影響などを考慮した形跡はなく、およそ教育の論理を無視したものでした。市教委は、具体的な制度設計を任されたものの、この時期になっても制度の根幹に関わる部分でさえ「検討中」としか答えることしかできませんでした。ついには3月中に試行案がまとまるかどうかも「答えられない」という始末でした。
■具体的には、学力向上度に応じた校長・教員評価の基準となる各学校の学力向上目標(前年度より○○ポイント向上)をどのようにたてていくのか、学校が独自に考えるのか、市教委から指定するのか、学力向上目標をどのように数値化するのか、市教委は明確に回答することができませんでした。
市教委は、昨年10月に各学校に学力テスト(小学校では経年テスト、中学校ではチャレンジテスト)を基にした「各学校の数値目標」を提示していました。私たちは、この「各学校の数値目標」を試行実施での「各学校の学力向上目標」として使うのではないかと考え、数値目標の算出方法が統計学上でたらめではないのかと問いました。しかし、市教委は、算出方法を作成する際に参考にした統計学の専門家の名前さえ明らかにすることができませんでした。しかも、この「数値目標」の算定方法を、試行実施での学力向上目標に活用するかどうかも「検討中」としか答えませんでした。
さらには、私たちは吉村市長の提案時から問題になっていたテスト教科担当教員と担当外教員との評価の「公平性・公正性」をどのように担保するのか問いただしました。しかし、市教委はここでも「検討中」としか答えませんでした。
■私たちは、現在のテスト漬けになっている大阪市の中学校の実態を現場の声として明らかにしました。テストの回数が全国的に見ても突出して多くなってる状況の中で、テストに授業時間を奪われ、通常の授業が圧迫されています。その結果、授業の進み方をかなり早めなければならず、本来であれば「落ちこぼれ」を出さないために丁寧な授業が必要であるにもかかわらず、それと逆行することになっています。市教委は、大阪市の学校は夏休みや冬休みを短くして他府県より授業時間を確保しているので問題ない。膨大なテストが授業を圧迫している実態については把握していないと逃げました。
私たちは、この間、大阪市でいじめ認知件数が激増していたり、不登校の上昇率も高くなっているデータを示し、テストが子どもたちのプレッシャーやストレスになっているのではないかと問いました。市教委は、テストが子どもたちにどのような影響が出ているかを「調査する」としましたので、今後、報告を求めていきたいと思いました。
■総合教育会議の中では、学校現場の実態や子どもたちへの影響については、全く議論されていません。誰のための新制度かと思わざるを得ません。
全国学力テストで上位にある福井県の県議会で中学生の「自殺」を契機に「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」(2017年12月19日)を採択しました。その中では、「学校の対応が問題とされた背景には、学力を求めるあまりの業務多忙もしくは教育目的を取り違えることにより、教員が子どもたちに適切に対応する精神的なゆとりを失っている状況があったのではないかと懸念するものである。このような状況は池田町だけにとどまらず、「学力日本一」を維持することが本県全域において教育現場に無言のプレッシャーを与え、教員、生徒双方のストレスの要因となっていると考える。これでは、多様化する子どもたちの特性に合わせた教育は困難と言わざるを得ない。」と指摘しています。
私たちは、この「意見書」を市教委内で共有すること、山本教育長や教育委員にも配付し、教訓として受け止めていくように強く要請しました。
それはこの制度が教員にとっても大きなストレスになり、病休者や退職者が増えるのではないか、今も大阪市は病休者が多く、代替も見つからない学校が多い中で、今後は学校がいっそう危機的な状況に陥るのではないかということです。参加者の中からは大阪市と他府県・他市を受験した学生が、大阪市に合格しても他に逃げているという実例も紹介されました。
■これほどまでに検討課題が多い中でも、総合教育会議では今年4月からの試行開始を表明しています。2月19日の教育委員会議でも、この問題が審議されますが、市民には非公開です。校長や教員、保護者、教職員組合にも、いまだに全く説明がなされていません。
試行案がまとまるのは、早くても3月上旬になります。試行実施まで1ヶ月を切っています。しかも学校関係者への説明責任も全く行われることなく、試行が強行される危険性があります。何としても4月からの「試行実施」強行を食い止めていきたいと思います。
大阪市教委交渉を終えて、試行実施には様々な問題が山積しており、吉村市長の思惑通りに進んでいないことがはっきりと分かりました。新制度の問題点を様々な視点から明らかにし、校長、教員、保護者、市民がつながり、反対の声を大きくしていけば、4月からの試行実施をストップさせることは可能です。4月からの試行実施を断念させるために一緒に声を上げていきましょう。
■当面の焦点は、2月18日の大阪市議会教育子ども委員会です。私たちは、新制度に反対する陳情書を提出しています。陳情書が採択されるように、是非とも多くの皆さんの傍聴を呼びかけます。
□日時 2月18日(月) 13:00
□場所 大阪市役所P1階(屋上会議室)
□傍聴受付 傍聴人数10名。12:30に役所P1階前。