tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

石灯籠と献石がずらり 生駒聖天 宝山寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第40回

2020年02月24日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の発刊を記念して、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。1月30日(木)付で掲載されたのは「宝山寺(生駒市)/御利益の証しずらり」、筆者は大阪府四條畷市在住の津山進さんだった。
※トップ写真は、石燈籠と献石が並ぶ参道=生駒市の宝山寺で

生駒聖天(宝山寺)にお参りすると、「永代浴油 金〇〇圓」などと書かれた献石(石碑)がずらりと並んでいることに驚かされる。これは「浴油供」(浴油祈祷)といって、毎夜(午前2時から)、歓喜天像に油を注ぐ行法をする、その油(ゴマ油をベースとした聖油)の代金を寄進する、という意味のようだ。詳細を林屋友次郎著『聖天信仰の手引き』(発行所:大井聖天 大福生寺 税込3,000円)という本で知り、当ブログで紹介したことがある。では、記事全文を紹介する。


これら献石(石碑)の写真は、2016年4月16日に撮影した
    
 生駒聖天の名で親しまれている宝山寺は、現世利益の中心的な場所として多くの人々が参拝に訪れます。もとは、7世紀ごろ修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が般若窟で修行し、後に空海も修行したと伝えられています。1678(延宝6)年に湛海(たんかい)律師が中興開山しました。



 護摩堂様式の本堂にはご本尊の不動明王像を、檜皮葺(ひわだぶき)で風変わりな八棟造(やつむねづくり)の聖天堂には歓喜自在天(秘仏)が祀られています。観光的寺院とは趣を異にし、密教寺院の厳かさが感じられます。江戸時代には皇室や将軍家、郡山藩、さらには住友家からの帰依も篤く、現在に至るまで事業家・芸能人などから一般の人々まで幅広く信仰を集めています。



 参道にずらりと並ぶ石灯籠と献石は御利益の証しとして寄進されたものです。昭和の一大スター、高田浩吉や吉本興業の創始者、吉本勢(せい)の献石もあります。渥美清・松坂慶子主演の映画「男はつらいよ」のロケ地にもなり、また、「美しい日本の歴史的風土100選」(古都保存財団)に生駒山とともに選ばれています。3月第2日曜日に、ご本尊に国家安泰を祈願して大護摩供(おおごまく)が執り行われます。(奈良まほろばソムリエの会会員 津山進)

(宗派)真言律宗
(住所)生駒市門前町1-1
(電話)0743-73-2006
(交通)近鉄生駒ケーブル「宝山寺」下車 徒歩約10分
(拝観)拝観自由 無料
(駐車場)有(無料)


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お水取りを目前に、聖林寺の倉本明佳ご住職と観音経を唱える

2020年02月23日 | 奈良にこだわる
得難い経験をさせていただいた。金曜日(2020年2月21日)、社寺でボランティアガイドを行っている「ナント・なら応援団」(南都銀行OB・OG)の団員向けの研修会が開催された。今回の講師は聖林寺(しょうりんじ 桜井市下692)ご住職の倉本明佳(みょうか)さんで、演題は「国宝十一面観音の来歴~まなざしの行方~」だった。倉本住職は県「祈りの回廊」(2020年春夏号)9ページ目に大きく紹介されている。

事前の打ち合わせでは、「観音経のデータを送りますので、印刷をお願いします。PowerPointで入江泰吉さんが撮られた十一面観音さまの画像を投影しますので、皆さんとご一緒に観音経を唱えましょう」とのことだった。なお観音経とは法華経の一部で、「法華経第25品、観世音菩薩普門品(ふもんぼん)の通称。観音品(かんのんぼん)」(デジタル大辞泉)である。

般若心経より少し長い程度の短いお経である。観音経のことは以前、松原泰道著『観音経入門』(祥伝社NONBOOK)を読んで、少し予備知識があった。この本には、こんなことが書かれていた。

どろどろの生活の中で、なんとかして安らぎを得たいとあせっているのが、私たちの現実の姿です。このあせりをなだめすかして現実的な欲望を人間性自覚の尊厳な願いにまで高めさせようと、手を代え品を代えて説きすすめられるのが「観音経」です。

「そんなに卑屈にならなくともよい、そんなに泣き悲しまなくともいい。あなたはまだ気がつかぬが、あなたにはこんなすばらしいはたらきが宿されているのだ。既得のあらゆる概念をすてて、あなた自身の原点にたち返ってごらん。あなたをあなたたらしめる尊い人間性を必ず自覚できるのだよ」とあなたに内在する大きないのちが、あなたに呼びかけているのです。その声が目(ま)のあたりに観えることを教えるのが「観音経」です。



そんなお経を殺風景な銀行の会議室で唱えてくださるというのだ、これは有難いことである。世間は新型肺炎騒動でざわついているし、また3月からは東大寺二月堂で修二会(お水取り)が始まる。修二会は二月堂の秘仏・十一面観音さまに我々衆生の罪過(ざいか)を懺悔(さんげ)し、その功徳(くどく)によって除災招福を祈るという悔過(けか)法要なので、趣旨は同じである。

ご講演では、聖林寺のご本尊「子安延命地蔵菩薩」のことや、それが『大和の民話』に登場すること、観音さまとはどんな仏さまか、頭上の化仏は何を意味するかなど、興味深い話が続いた。最後に、観音さまの画像を東大寺二月堂の「お松明」の横に投影した。



倉本住職は持参されたお鈴(りん)を取り出され、その音を合図に読経が始まった。我々はそれに唱和する。観音経では、「念彼観音力(ねんぴかんのんりき)」(観音菩薩の力を念ずれば…)という言葉が13回も繰り返され、13の観音さまのご利益が説かれる。

時間が一瞬止まったような、不思議な体験だった。唱和した皆さんも、心が洗われた気分だっただろう。この観音さまは本年6月16日(火)~8月31日(月)まで、上野の東京国立博物館に出陳される。その間、聖林寺では観音堂(収蔵庫)を建て替えされる。今、そのためのご寄進を募っているという(銀行振込または郵便振替)。皆さんも、ぜひご協力をお願いいたします!
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「早わかり!『奈良百寺巡礼』講座」は、クラブツーリズム奈良分室で4月2日(木)から全11回!(2020 Topic)

2020年02月22日 | お知らせ
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、昨年の『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して、本年(2020年)4月から来年3月までの毎月第一木曜日(8月はお盆休み)13:30~15:00、クラブツーリズム奈良分室(近鉄奈良駅ビル5階)で、「早わかり!『奈良百寺巡礼』講座~お寺がわかれば奈良がわかる!~」を開催いたします(最少催行人員は5名様)。

参加費は各回1,200円で、コーヒーがついています。電話(0742-90-1000 9:15~17:30 日祝休業)などで要申し込み。講師は私が務めます。『奈良百寺巡礼』に記載のお寺を紹介してまいりますが、記載順(北から順)ではなく、

4月2日 京都府南部・奈良(1)/5月7日 花の寺・御坊寺院/6月4日 吉野/7月2日 南都七大寺・世界遺産/9月3日 天理・桜井/10月1日 奈良(2)/11月5日 宇陀・廃寺と寺跡/12月3日 生駒・斑鳩/1月7 大和郡山・磯城/2月4日 橿原・明日香/3月4日 葛城・香芝・御所・五條

1回だけのお申し込みも可能です。たくさんのお申し込みをお待ちしています!
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「ワイン酵母仕込 のんのこ」(佐賀県 宗政酒造)は、フルーティな香りの麦焼酎!

2020年02月21日 | グルメガイド
家飲みの焼酎は、クセのない麦焼酎「いいちこ」(大分県 三和酒類)を定番にしているが、こないだ「ボトルワールドOK富雄店」で、「ワイン酵母仕込 のんのこ」(佐賀県 宗政酒造)1.8ℓ 税別1,480円という珍しい麦焼酎を見つけた。「これは美味しいのでは!?」と思い、買ってみた。パッケージ裏に

佐賀県産麦を100%使用し、さらにワイン酵母で仕込んだ新感覚の本格焼酎です。白ワインの様なさわやかな香り、軽快な飲み口ながらも、旨味やコクを最大限に残す独自のノンカーボン製法により、麦の甘味や旨味を最大限に閉じ込めました。香りと旨さが織りなすハーモニーをこころゆくまでお愉しみください。



とあった。日本酒でも私はフルーティな大吟醸が好みなので、おそらくこれは私に合うと思ったのだ。早速その夜、ストレートですこし味わってみたが、これはうまい!ほのかに、リンゴのようなバナナのような香りがするのである。いつものように炭酸で割っても、お湯で割っても、美味しく飲めた。



「独自のノンカーボン製法」とあるのは、活性炭を通していない、という意味のようだ。「いいちこ」などは活性炭で濾過しているので、味がスッキリしている(雑味がない)と聞いている。宗政酒造はよく知らないが、「のんのこ」はよくリーズナブルな値段で棚に並んでいるので、飲んだことがある。

しばらくはこれを楽しんでみたい。皆さんも「ボトルワールドOK」などで発見されれば、ぜひお試しください!
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徳勝龍関の優勝パレード、2月23日(日)午後3時から奈良市三条通で開催!(2020 Topic)

2020年02月20日 | お知らせ
徳勝龍関の優勝パレードが、2月23日(日)午後3時~3時半、奈良市の三条通で開催される。コースはJR奈良駅前交差点~上三条交差点(やすらぎの道)までの約500mだそうだ。奈良市のHPによると、
※チラシは、松森重博さんのブログ「鹿鳴人のつぶやき」から拝借

令和2年大相撲1月場所において、奈良市出身力士としては初、奈良県出身力士としても98年ぶりに幕内最高優勝を飾った「徳勝龍」関の祝賀パレードが後援会主催のもと、下記のとおり開催されます。また、本市から徳勝龍関に表彰を行います。

1.祝賀パレード
(1)日時:令和2年2月23日(日・祝) 15:00~15:30 ※荒天の場合は中止
(2)場所:三条通ショッピングモール(JR奈良駅前交差点~上三条交差点)
(3)主催:徳勝龍関育てる会
(4)後援:奈良県、奈良市
(5)協力:三条通ショッピングモール、近畿大学校友会奈良県北部支部
(6)ご来場に際しての注意事項
 ・お越しの際は、公共交通機関をご利用ください。
 ・パレード隊列通行時は、危険ですので車道に立ち入らないよう、お願いします。
 ・咳エチケットや、マスク着用等、感染症予防に努めていただくよう、お願いします。
 ・混乱を避けるため、プレゼント、花束等は渡すことは出来ません。
 ・当日体調にご不安のある方はくれぐれもご無理なさらないようお願いします。

2.表彰について 奈良市民栄誉賞を授与いたします。(ボクシング 村田諒太氏以来2人目)
 ※パレードとは別会場で行います。なお、一般公開は致しません。

3.その他 奈良県が徳勝龍関に「奈良県スポーツ特別功労賞」を、奈良県議会が「奈良県議会スポーツ特別功労賞」を授与する予定です。


県スポーツ特別功労賞は拳四朗(寺地四朗)さん以来18人目、県議会スポーツ特別功労賞は今回が第1号だそうだ。

これは楽しみだ。新型コロナの風評被害で人通りが減っている三条通商店街の景気づけにもなる。皆さん、23日はぜひマスクを着用して、三条通へお越しください!

コメント (4)
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