NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の発刊を記念して、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。1月30日(木)付で掲載されたのは「宝山寺(生駒市)/御利益の証しずらり」、筆者は大阪府四條畷市在住の津山進さんだった。
※トップ写真は、石燈籠と献石が並ぶ参道=生駒市の宝山寺で
生駒聖天(宝山寺)にお参りすると、「永代浴油 金〇〇圓」などと書かれた献石(石碑)がずらりと並んでいることに驚かされる。これは「浴油供」(浴油祈祷)といって、毎夜(午前2時から)、歓喜天像に油を注ぐ行法をする、その油(ゴマ油をベースとした聖油)の代金を寄進する、という意味のようだ。詳細を林屋友次郎著『聖天信仰の手引き』(発行所:大井聖天 大福生寺 税込3,000円)という本で知り、当ブログで紹介したことがある。では、記事全文を紹介する。
これら献石(石碑)の写真は、2016年4月16日に撮影した
生駒聖天の名で親しまれている宝山寺は、現世利益の中心的な場所として多くの人々が参拝に訪れます。もとは、7世紀ごろ修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が般若窟で修行し、後に空海も修行したと伝えられています。1678(延宝6)年に湛海(たんかい)律師が中興開山しました。
護摩堂様式の本堂にはご本尊の不動明王像を、檜皮葺(ひわだぶき)で風変わりな八棟造(やつむねづくり)の聖天堂には歓喜自在天(秘仏)が祀られています。観光的寺院とは趣を異にし、密教寺院の厳かさが感じられます。江戸時代には皇室や将軍家、郡山藩、さらには住友家からの帰依も篤く、現在に至るまで事業家・芸能人などから一般の人々まで幅広く信仰を集めています。
参道にずらりと並ぶ石灯籠と献石は御利益の証しとして寄進されたものです。昭和の一大スター、高田浩吉や吉本興業の創始者、吉本勢(せい)の献石もあります。渥美清・松坂慶子主演の映画「男はつらいよ」のロケ地にもなり、また、「美しい日本の歴史的風土100選」(古都保存財団)に生駒山とともに選ばれています。3月第2日曜日に、ご本尊に国家安泰を祈願して大護摩供(おおごまく)が執り行われます。(奈良まほろばソムリエの会会員 津山進)
(宗派)真言律宗
(住所)生駒市門前町1-1
(電話)0743-73-2006
(交通)近鉄生駒ケーブル「宝山寺」下車 徒歩約10分
(拝観)拝観自由 無料
(駐車場)有(無料)
※トップ写真は、石燈籠と献石が並ぶ参道=生駒市の宝山寺で
生駒聖天(宝山寺)にお参りすると、「永代浴油 金〇〇圓」などと書かれた献石(石碑)がずらりと並んでいることに驚かされる。これは「浴油供」(浴油祈祷)といって、毎夜(午前2時から)、歓喜天像に油を注ぐ行法をする、その油(ゴマ油をベースとした聖油)の代金を寄進する、という意味のようだ。詳細を林屋友次郎著『聖天信仰の手引き』(発行所:大井聖天 大福生寺 税込3,000円)という本で知り、当ブログで紹介したことがある。では、記事全文を紹介する。
これら献石(石碑)の写真は、2016年4月16日に撮影した
生駒聖天の名で親しまれている宝山寺は、現世利益の中心的な場所として多くの人々が参拝に訪れます。もとは、7世紀ごろ修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が般若窟で修行し、後に空海も修行したと伝えられています。1678(延宝6)年に湛海(たんかい)律師が中興開山しました。
護摩堂様式の本堂にはご本尊の不動明王像を、檜皮葺(ひわだぶき)で風変わりな八棟造(やつむねづくり)の聖天堂には歓喜自在天(秘仏)が祀られています。観光的寺院とは趣を異にし、密教寺院の厳かさが感じられます。江戸時代には皇室や将軍家、郡山藩、さらには住友家からの帰依も篤く、現在に至るまで事業家・芸能人などから一般の人々まで幅広く信仰を集めています。
参道にずらりと並ぶ石灯籠と献石は御利益の証しとして寄進されたものです。昭和の一大スター、高田浩吉や吉本興業の創始者、吉本勢(せい)の献石もあります。渥美清・松坂慶子主演の映画「男はつらいよ」のロケ地にもなり、また、「美しい日本の歴史的風土100選」(古都保存財団)に生駒山とともに選ばれています。3月第2日曜日に、ご本尊に国家安泰を祈願して大護摩供(おおごまく)が執り行われます。(奈良まほろばソムリエの会会員 津山進)
(宗派)真言律宗
(住所)生駒市門前町1-1
(電話)0743-73-2006
(交通)近鉄生駒ケーブル「宝山寺」下車 徒歩約10分
(拝観)拝観自由 無料
(駐車場)有(無料)