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黄金仏が出土した大峯山寺(天川村)/毎日新聞「やまと百寺参り」第54回

2020年06月10日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。本年(2020年)5月28日付で掲載されたのは《多くの遺物「山の正倉院」/大峯山寺(天川村)》、執筆されたのは天川村在住の奥田八尋さんだ。
※トップ写真は、純金阿弥陀如来坐像(左)と同菩薩坐像(右)=いずれも大峯山寺提供

過去の発掘調査で、高さ3cmほどの黄金仏(純金製の仏像)が出土したとは聞いていたが、その写真を見るのは今回が初めてだ。さすが、地元民の強みだなと感心した。これら黄金仏を発見したのは、山の考古学者・故菅谷文則氏(元橿原考古学研究所・所長)たちの調査団だった。大峯山寺本堂の解体修理の機会をとらえて発掘調査されたのだ。では本文を紹介する。
 
大峯山山上ケ岳の山頂に立つ大峯山寺(おおみねさんじ)は、天川村洞川(どろがわ)の龍泉寺、吉野町吉野山の竹林院、桜本坊(さくらもとぼう)、喜蔵院、東南院の5寺院が山頂に建つ宿坊とともに維持管理しています。

2004(平成16)年7月にユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の「大峯奧駈道」として登録され、お寺も構成資産となりました。わが国最高所の重要文化財のお寺で、修験道の根本道場です。明治時代の発掘調査で山頂の経塚から藤原道長の経筒など43点が出土し、大和金峯山山頂出土品として重要文化財となりました。

1983(昭和58)年からの本堂の解体修理に伴う発掘調査中の1985年に、堂内内陣の地下から黄金仏(純金製の仏像)2体が出土しました。1体は阿弥陀如来坐像で、もう1体は菩薩坐像。これらは平安時代のものと思われます。他にも多数の遺物が発掘されました。山岳信仰にかかる経箱、経筒、銅板経、神仏像などはいずれも重要文化財に指定され、数々の出土品から「山の正倉院」と呼ばれています。(奈良まほろばソムリエの会会員 奥田八尋) 

【宗 派】 修験道
【住 所】 吉野郡天川村洞川703 
【電 話】 0747-64-0001(龍泉寺)
【交 通】 近鉄下市口駅からバス「洞川温泉」下車、徒歩約4時間
【拝 観】 戸明(とあけ)式(5月3日)~戸閉(とじめ)式(9月23日)の期間
【駐車場】 無(登山口に有料駐車場あり)



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