寝苦しい夜が続いているが、朝、目を覚まし新聞をパラパラめくっていると、《「暑い夜」3倍に》というこれまた暑苦しい見出しが目に飛び込んできた。国立環境研究所の発表を報じたもので、サブタイトルは《温暖化「今後20~30年で」》(朝日新聞 7/3付)。
地球温暖化の影響で、日本では1981~2000年にはひと夏に4~5回だった「暑い夜」(東京だと最低気温27度以上)が、2011~2030年には約3倍の頻度になる、というものだ。スーパーコンピュータによるシミュレーションの結果で、《同研究所は「温暖化は遠い将来の影響だけでなく、いま生きている人の多くが影響を受ける」と指摘している》。
※アサヒ・コム(7/4付 見出しは新聞とは異なっている)
http://www.asahi.com/science/update/0703/TKY200707020320.html
それにしても最近は、国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告やドイツのG8サミットなど、環境問題に関する議論が深まってきた。IPCC報告では、人間の活動が温暖化をもたらした確率は90%以上と結論づけ「温暖化は、単純な地球気候の長期サイクルによるものだ」という一部に残る反論を全面的に退けた。大型ハリケーン「カトリーナ」の洗礼を受けた米国の態度も、大きく変わってきた。
しかし、こんな状況の中で、武田邦彦著『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)という本が売れている。この本には「温暖化騒ぎの発端はマスコミの偏向報道だ」とか「温暖化しても海水位は上がらない」などといういい加減なことが書いてあるのだが、テレビなどで取り上げられたことから、25万部のベストセラーとなっている。
「これではいけない」と、先日インターネット新聞『JanJan』に「『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』のウソ」という記事を投稿したところ、多くの方からご支持いただいた。
http://www.janjan.jp/culture/0707/0707018158/1.php
25万人に比べれば僅かな数だろうが、早いうちに誤解を解いて、マトモな環境保全に目を向けていただきたいのであるが…。
※写真は柳生花しょうぶ園のスイレン(6/23)
地球温暖化の影響で、日本では1981~2000年にはひと夏に4~5回だった「暑い夜」(東京だと最低気温27度以上)が、2011~2030年には約3倍の頻度になる、というものだ。スーパーコンピュータによるシミュレーションの結果で、《同研究所は「温暖化は遠い将来の影響だけでなく、いま生きている人の多くが影響を受ける」と指摘している》。
※アサヒ・コム(7/4付 見出しは新聞とは異なっている)
http://www.asahi.com/science/update/0703/TKY200707020320.html
それにしても最近は、国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告やドイツのG8サミットなど、環境問題に関する議論が深まってきた。IPCC報告では、人間の活動が温暖化をもたらした確率は90%以上と結論づけ「温暖化は、単純な地球気候の長期サイクルによるものだ」という一部に残る反論を全面的に退けた。大型ハリケーン「カトリーナ」の洗礼を受けた米国の態度も、大きく変わってきた。
しかし、こんな状況の中で、武田邦彦著『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)という本が売れている。この本には「温暖化騒ぎの発端はマスコミの偏向報道だ」とか「温暖化しても海水位は上がらない」などといういい加減なことが書いてあるのだが、テレビなどで取り上げられたことから、25万部のベストセラーとなっている。
「これではいけない」と、先日インターネット新聞『JanJan』に「『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』のウソ」という記事を投稿したところ、多くの方からご支持いただいた。
http://www.janjan.jp/culture/0707/0707018158/1.php
25万人に比べれば僅かな数だろうが、早いうちに誤解を解いて、マトモな環境保全に目を向けていただきたいのであるが…。
※写真は柳生花しょうぶ園のスイレン(6/23)
しかし、肝心の「陸上にある氷」のことは触れてないようでした・・・これは2つの意味で深刻な問題なんですがねえ・・・
この番組は、私も見ました。武田氏の意見に、きちんと反論している人がいなかったことは、とても残念でした。これを含め、上記『JanJan』記事の「ご意見板」に、私見を書いておきました。
(「ご意見板」でなく、このブログのコメント欄に反論を書く人がいます。その旨お伝えしているのに、困ったものです。)
武田氏の主張は「武田氏の示す前提」を信じるならば一定の説得力を持っています。まあ、ぼくが盆暗なだけかもしれませんが。そして、それに反論する人たちの主張も「彼らの示す前提」を信じるなら実に説得力のある主張だと思います。なので、ぼくはそのつもりで色々な方の主張を読ませて頂いています。よくわからないものも中にはありますが、興味深いものが多いですね。
さて、ぼくたち市井の素人は、武田氏の示す前提の真偽、鉄田さんが示されている前提の真偽、環境庁をはじめとする政府や専門機関の調査結果の妥当性や真偽について、本当の意味で正しく判断することはできません。ネットなどから情報を収集することはできますが、その情報の真偽をまた疑うということになればキリがありません。
つまり、最終的には「環境庁の発表するデータはそれなりに正しいだろう」とかいうようなある種の「権威」による判断しかできないわけです。それは相手がIPCCだろうと武田氏だろうと同じことです。IPCCだから無条件に信じるというのでは武田氏の本を読んですべてを鵜呑みにするのと、情報リテラシーという意味では大差ないと思います。
ただ、多くの情報に触れることでリテラシーを育むことは大切だと思いますし、その点で、鉄田さんのような論客がTBを送り込んでぼくのようなもの好きを釣るのは意味があることかもしれません。普段なら同書の書評記事以外からのTBは無条件で削除しているのですが、あながち無関係でもないし、関連情報として面白いのであえて残しておきます。
でも、『JanJan』の当該記事の文章が、武田氏の本顔負けの好戦的な書き方なのはどうもイタダケナイと思うのですが…。あれでは、「武田氏の主張を信じるような愚民よ我の言葉を聞いて蒙を啓け」とばかりにご高説を垂れているようで、一般的にあまり好い印象は与えないのではないでしょうか。まあ、あえてああいう表現を選ばれたのかもしれませんが。
それでは長々と失礼いたしました。
> 「分別回収が進む」ことと「消費量が増える」ことには何らか
> の相関関係がありそうだということだけで、分別回収が原因
> で、消費量増加が結果だという根拠はどこにもない。
この辺は、私も指摘した点です。違うのは、
> 「分別回収」が先か「消費量増加」が先かは判らずとも、
> 圧倒的な再利用の少なさに変わりはない。
というところで、それは私もご意見板で補足説明しておきました。
私はlylycoさんと同じく、ブログを中心にで自説を発表しています。そうすると、どうしても自己満足に陥りがちになりますので、お書きの「情報リテラシー」がポイントとなります。
私は別に高説を垂れているつもりはありませんが、あの本を読まれたlylycoさん(および貴ブログの読者の方)が、私の反論に対してどう思われるかを知りたくて、トラバさせていただいた次第です。
情報の洪水の中で「ニュートラルな視点で読むべき」というのは、1つの態度だと思い、尊重しています。今後の環境対策が、IPCC報告書の方に向かうのか、武田氏の方向に向かうのか、ぜひ見守っていただきたいと思います。
ランキング1位になっているのを見て「そんなに売れて
よい本ではないだろう」とは思っていますが。。(笑)
>25万人に比べれば僅かな数だろうが、早いうちに誤解を解いて、
>マトモな環境保全に目を向けていただきたいのであるが…。
武田氏もマスコミもですよね。ちゃんと北極圏にある
グリーンランドの氷が溶けると、と報道していれば
この本も何ページか薄くなったはずです。
>途上国の森林はほとんどが燃料(薪炭材)として使われ、
>パルプ用に回るのは全体の2.5%程度だ。
このことから私たちが議論すべきは紙のリサイクルが
必要か不必要かの議論ではなく、熱帯雨林を守るために
今以上に効果のあることはなんだろうということだと
思っています。
正義のために事実をあいまいにするよりは、間違ってもいいから
事実を正確に理解しようとする姿勢の方が大事だと思います。
もちろん、間違いを認める潔さがあることが前提ですけどね。
> ちゃんと北極圏にあるグリーンランドの氷が溶けると、と
> 報道していればこの本も何ページか薄くなったはずです。
武田氏はIPCC報告書を引用しておきながら、間違った記述をしているわけで、これは相当意図的なものを感じます。
> 正義のために事実をあいまいにするよりは、間違ってもいいから
> 事実を正確に理解しようとする姿勢の方が大事だと思います。
武田氏自身、自著でそう書いているのですが。氏は過去の著作との一貫性を保とうと、誤りをそのまま踏襲しているように感じます。どこで止まるのやら…。
> 国の環境対策の政府委員が、武田教授にぼろ負けしました。
そんなことがあったのですか。困ったものですね。武田氏の専門は「資源材料工学」なので、環境分野はしろうとに過ぎないのですが。
残念ながら、環境問題については誤解しいる人がまだまだ多いので、機会をとらえて誤りを正していきたいと思っています。
その後、氏の著書を立ち読みしたり、ネットでいろんな書き込みなどを見てみました。それはオンエアでの氏の「北極海の氷が融けても海水面は上がらない」「温暖化により南極の氷が増え、海水面は下がる」といった主張に単純に疑問を持ったからです。
氏は「アルキメデスの原理により氷が融けても水面は上がらない」といろいろな場面で主張され、さまざまな人が「なるほど」と納得をしています。陸上の氷や雪の融解、海水の熱膨張には触れず、あえてアルキメデスの原理を持ち出しているところに疑問を感じます。
私は、科学や環境を特別に学んだわけではありませんが、アルキメデスの原理で説明するなら「海に浮かぶ氷が融けると、海水面は上がる」が正解だと思います。
コップの水に浮かんだ氷が融けても水位は上がらないが、塩水に浮かんだ氷が融ければ水位は上がります。塩水のほうが水よりも比重が大きいからです。確かに海氷は塩分も含みますが、かなりの量を放出するので海水の三分の一程度の含有だと言われます。
アルキメデスの原理で説明すること自体が適切ではないと思われるのに、この原理が間違って使われ、より多くの人を惑わせていることに懸念を感じます。
もう一点、確かに南極の降雪量は増えているようですが、大気の水蒸気量が増えれば当然のことです。2~3℃気温が上昇しても雪が降るような地域で多く降っても不思議はありません。
しかし、問題はその地域自体の範囲が減少していくことや、全体の降水量、氷や雪の融解する量などのバランスで、そういったことに触れられずに、もっともらしく説明されることにも疑問を感じます。
立ち寄っただけで、長々と書いてしまいましたが、この本の件は少し注目してみようと思いました。
海面上昇、氷河の影響大 「グリーンランド以上」
http://www.asahi.com/science/update/0720/TKY200707200393.html
日本テレビでは「世界一受けたい授業」でアル・ゴア氏を招待して講義を行ってたけど、南極の氷棚の説明どまりだったようです。(検索してYouTubeの映像で確認^_^;)
映画をきちんと見ていれば、グリーンランドをさりげなく画面に入れた状態で「この説明はちょっと後で」と話すシーンで気づいた人も多いと思う。
また、「カンブリア宮殿(TV東京系)」で東大の小宮山学長の話では、ゴア氏の住宅の電気の浪費っぷりを皮肉ってたものの、映画のことはしっかりしているときちんと区別して評価してましたのでお知らせまで。