今年も、今井町町並み保存会の若林稔会長から、こんなメールをいただいた。《第5回今井灯火会(とうかえ)開催についてPR、御支援のお願い 第5回今井灯火会の時期が近付いてまいりました。毎年、各メディアや広報力の強いお方のお世話になり、PRを助けて頂いて居りますおかげで、徐々に楽しむ方も増えてきております。今井灯火会は結果的には観光イベントに見えますが、本物のロウソクの灯かりを住民みんなで1灯づつ灯し、鎮魂と火の怖さを知り、そして今は消えつつある夕涼み風景の再現を計っています。実施要項を添付しておきますので、今年も報道、御協力などをよろしくお願い致します。今井町町並み保存会会長・今井灯火会実行委員長 若林 稔》。以下、実施要項から抜粋して紹介する。
目的
「灯りが町を明るくします」。灯火会活動を通じてまちに一人ひとりが灯をともし、町の安全と繁栄を願い、更に町民の親睦と、団結を深めることを目的とする。
実施日時
平成24年8月4日(土)午後7時 (点火)~午後10時(消灯)
実施場所
・寺院 稱念寺(しょうねんじ)・順明寺・西光寺・蓮妙寺
・神社 春日神社・春日神社境外(春日神社正面よりギャラリー間までの道の両端)・八幡神社
・公共施設 今井公民館・華甍(はないらか)周辺・南町生活広場・北環濠小公園
・町内 共栄町・材木町・中蘇武町・本町・中町・北口町・南御堂町
各会場イベント
・華甍 点灯式 午後7時から
・春日神社境内 七夕飾り・灯籠流し・夜市
・児童公園前・春日神社復元堀 灯籠流し(午後7時から)
・今井まちづくりセンター おはなしの夕べ(昔話語り聞かせ。午後8時から)
接待
・春日神社 天川村ごろごろ水を使ったひやし飴水500杯予定(午後8時より)先着順・無料
・稱念寺 冷やし甘酒300杯予定(午後7時30分より)先着順・無料
・華甍北側・四阿(あずまや) 呈茶席100杯予定(午後7時より)先着順・有料
※雨天中止。ただし七夕・飲食行事は雨天決行。呈茶席は今井公民館和室にて開催
・連絡先(本部)℡ 0744-25-3102
今井町は重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に指定されていて、近世の木造家屋がずらりと建ち並んでいる。そこでたくさんの蝋燭(ろうそく)の火を灯す行事は無謀に思えるが、そうではない。ここではLEDなど人工的な灯りではなく、本物の火を使うところに意義がある。古来、日本人はお盆には迎え火・送り火を焚き、祖霊をあの世から迎え、送った。『古事記』においては、火は聖なるもの、人間の生活に欠かせないものであると同時に、粗末に扱ってはならないものとされる。
イザナミは火の神・カグツチを産んだために、カグツチの炎に焼かれて死んでしまう。人間は火の使用によって文明を作った。食物を調理したり、粘土を焼いて土器を造った。しかし火は1つ間違うと火事を起こし、人間を焼死させる。イザナミは自らの命を犠牲にして火を産みだした。それは人間に、獣と違う人間らしい生活をさせようとして、自らの命を犠牲にしたのである。だから、火は注意深く扱わなければならない。大阪ガスでは「火育(ひいく)」という事業を行っていて、火を使うと脳が活性化するという研究も進められている。今井灯火会にはたくさんの子供たちも参加する。これは子供たちに対する絶好の「火育」の機会なのである。
若林さんのブログ「梅香のつれづれ日記」に、CHAKOさんとおっしゃる方が女性の繊細な感性で、こんなコメントを認(したた)めておられた。《私たちの生活においてあまりに身近な電燈。一昨年の大震災で、私の住まいの関東地方も一時街の明りが制限されました。もちろん、被害の大きかった地方にお住まいの方々の不便さ、心細さに比べればその比ではありませんが、上空から見た東京が普段よりも暗かったのは事実でした。でも、本来、夜は暗いもの… それを改めて思い起こした出来事でした。今井町にぽっと燈る自然なろうそくの灯は、いつもとは違う夜を演出してくれるでしょう…》。
《夏の夕暮れ、浴衣を着て自然な灯の中、大切な人とそぞろ歩きをしてみてはいかがでしょうか? 都会の光の洪水は確かに美しい。でも、今井に灯るろうそくの灯は、きっと忘れかけていた何かを思い出させてくれること間違いありません。あと、ろうそくの灯は女性をますますきれいに見せてくれるようです。もちろん男性にも美人に見えます!!日本本来の夕涼みを堪能し、一つひとつの灯に思いを馳せ、今ある時間に感謝しながら過ぎゆく夏を想う… ぽっと灯る明りは、きっと自分を素直にさせてくれるのではないか… そんな気がしており、今井に帰るのを楽しみにしています》。
まこと、近世の町並みの中でゆらめく蝋燭の灯火は、忘れかけていた記憶を思い出させてくれることだろう。浴衣姿のきれいな女性を見るのも、楽しみだ。皆さん、ぜひ今井灯火会をお訪ね下さい!
目的
「灯りが町を明るくします」。灯火会活動を通じてまちに一人ひとりが灯をともし、町の安全と繁栄を願い、更に町民の親睦と、団結を深めることを目的とする。
実施日時
平成24年8月4日(土)午後7時 (点火)~午後10時(消灯)
実施場所
・寺院 稱念寺(しょうねんじ)・順明寺・西光寺・蓮妙寺
・神社 春日神社・春日神社境外(春日神社正面よりギャラリー間までの道の両端)・八幡神社
・公共施設 今井公民館・華甍(はないらか)周辺・南町生活広場・北環濠小公園
・町内 共栄町・材木町・中蘇武町・本町・中町・北口町・南御堂町
各会場イベント
・華甍 点灯式 午後7時から
・春日神社境内 七夕飾り・灯籠流し・夜市
・児童公園前・春日神社復元堀 灯籠流し(午後7時から)
・今井まちづくりセンター おはなしの夕べ(昔話語り聞かせ。午後8時から)
接待
・春日神社 天川村ごろごろ水を使ったひやし飴水500杯予定(午後8時より)先着順・無料
・稱念寺 冷やし甘酒300杯予定(午後7時30分より)先着順・無料
・華甍北側・四阿(あずまや) 呈茶席100杯予定(午後7時より)先着順・有料
※雨天中止。ただし七夕・飲食行事は雨天決行。呈茶席は今井公民館和室にて開催
・連絡先(本部)℡ 0744-25-3102
今井町は重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に指定されていて、近世の木造家屋がずらりと建ち並んでいる。そこでたくさんの蝋燭(ろうそく)の火を灯す行事は無謀に思えるが、そうではない。ここではLEDなど人工的な灯りではなく、本物の火を使うところに意義がある。古来、日本人はお盆には迎え火・送り火を焚き、祖霊をあの世から迎え、送った。『古事記』においては、火は聖なるもの、人間の生活に欠かせないものであると同時に、粗末に扱ってはならないものとされる。
イザナミは火の神・カグツチを産んだために、カグツチの炎に焼かれて死んでしまう。人間は火の使用によって文明を作った。食物を調理したり、粘土を焼いて土器を造った。しかし火は1つ間違うと火事を起こし、人間を焼死させる。イザナミは自らの命を犠牲にして火を産みだした。それは人間に、獣と違う人間らしい生活をさせようとして、自らの命を犠牲にしたのである。だから、火は注意深く扱わなければならない。大阪ガスでは「火育(ひいく)」という事業を行っていて、火を使うと脳が活性化するという研究も進められている。今井灯火会にはたくさんの子供たちも参加する。これは子供たちに対する絶好の「火育」の機会なのである。
若林さんのブログ「梅香のつれづれ日記」に、CHAKOさんとおっしゃる方が女性の繊細な感性で、こんなコメントを認(したた)めておられた。《私たちの生活においてあまりに身近な電燈。一昨年の大震災で、私の住まいの関東地方も一時街の明りが制限されました。もちろん、被害の大きかった地方にお住まいの方々の不便さ、心細さに比べればその比ではありませんが、上空から見た東京が普段よりも暗かったのは事実でした。でも、本来、夜は暗いもの… それを改めて思い起こした出来事でした。今井町にぽっと燈る自然なろうそくの灯は、いつもとは違う夜を演出してくれるでしょう…》。
《夏の夕暮れ、浴衣を着て自然な灯の中、大切な人とそぞろ歩きをしてみてはいかがでしょうか? 都会の光の洪水は確かに美しい。でも、今井に灯るろうそくの灯は、きっと忘れかけていた何かを思い出させてくれること間違いありません。あと、ろうそくの灯は女性をますますきれいに見せてくれるようです。もちろん男性にも美人に見えます!!日本本来の夕涼みを堪能し、一つひとつの灯に思いを馳せ、今ある時間に感謝しながら過ぎゆく夏を想う… ぽっと灯る明りは、きっと自分を素直にさせてくれるのではないか… そんな気がしており、今井に帰るのを楽しみにしています》。
まこと、近世の町並みの中でゆらめく蝋燭の灯火は、忘れかけていた記憶を思い出させてくれることだろう。浴衣姿のきれいな女性を見るのも、楽しみだ。皆さん、ぜひ今井灯火会をお訪ね下さい!
<本物の火を使うところに意義がある。古来、日本人はお盆には迎え火・送り火を焚き、祖霊をあの世から迎え、送った。『古事記』においては、火は聖なるもの、人間の生活に欠かせないものであると同時に、粗末に扱ってはならないものとされる。…
<今井灯火会にはたくさんの子供たちも参加する。これは子供たちに対する絶好の「火育」の機会なのである
有難うございます
保存すべき町屋がずらりと並ぶ今井町の町並みを保存して行く上で最も大事な火災から守るという事を、先人たちは火を使いながら伝えてきてくれました
最近、火災から守る手段として取り入れられている手法は、直火を使わないことばかりで小さなろうそくの火さえ知らない子供たちが増えてきています
イベントを通してでも本物の火を子供たちに教えてあげることが出来ればと頑張っています
そういう意味からもTetsudaさんも書いて下さったように、古事記、日本書紀ですでに火に対する心構えが表現されていますが、相当進化しているはずの現代人が、この根本的なところを忘れてしまって、イベントとしての評価に走りがちなのを戒めたいですね
> 直火を使わないことばかりで小さなろうそくの
> 火さえ知らない子供たちが増えてきています
以前、飛騨古川で「和ろうそく」を買い、家で火をともしてみました。かすかな風にゆらゆらと揺れ、何ともいえない安らぎを感じました。
> イベントを通してでも本物の火を子供たちに
> 教えてあげることが出来ればと頑張っています
火育(ひいく)とは、よく言ったものです。お子さんたちだけでなく、大人も含めた火育の機会としていただきたいと思います。