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石仏龕(せきぶつがん)、巨大石仏、曼荼羅石の十輪院/毎日新聞「やまと百寺参り」第11回

2019年06月14日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の発刊を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。昨日(6/13)掲載されたのは「巨大石像や曼荼羅石/十輪院(奈良市)」、筆者は同会理事の稲田英二さんである。稲田さんは同寺の檀家さんなので、この寺のことは、よくご存じである。では全文を紹介する。

十輪院は、元正天皇の勅願寺とも、吉備真備の長男・朝野宿禰魚養(あさのすくねなかい)の開基とも伝えられます。国宝の本堂(鎌倉時代前期)には、重文・石仏龕(せきぶつがん=仏像を納める厨子)が組まれ、奥には本尊の石造地蔵菩薩立像が祀(まつ)られています。左右には釈迦(しゃか)如来・弥勒菩薩など多数の仏像が彫られています。

南門をくぐった右手には蓮池を中心とした庭園が広がっています。様々な花が咲き、これからの季節にはハスの花が見ごろを迎えます。池を囲むように踏み石が敷いてあり、石の下には四国八十八ヵ所の砂が埋められています。池を一周すれば、四国八十八ヵ所を回ったことになるのだそうです。

庭の周辺には多数の石像が祀られています。特に不動明王立像と合掌観音立像(ともに鎌倉時代)は2㍍ほどの巨大石像です。興福寺曼荼羅(まんだら)石(鎌倉時代・奈良市指定文化財)は表面に興福寺の建物と仏像が刻まれ、石造では唯一の貴重なものです。十三重石塔・愛染曼荼羅なども祀られています。庭園散策のあとは茶室・頻婆果亭(びんばかてい)で、お抹茶を楽しまれてはいかがでしょう(奈良まほろばソムリエの会理事 稲田英二)。

(宗派)真言宗
(住所)奈良市十輪院町 27                 
(電話)0742-26-6635
(交通)JR・近鉄奈良駅からバス「福智院」下車 徒歩約5分
(拝観)9時~16時半。ただし12月28日~1月5日、1月27日~28日、8月16日~31日および月曜日(祝日の場合は翌火曜日)は閉門。500円               
(駐車場)有(無料)10台



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