tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奈良まほろばソムリエの会の総会(2019)、トーク&上映会、懇親会

2019年06月18日 | 奈良にこだわる
日曜日(6/16)13:00~17:40、奈良ロイヤルホテルでNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の総会、保山耕一さん(映像作家)のトーク&上映会、懇親会が開催された。50分の通常総会(第7回)に続き、お待ちかねのトーク&上映会が始まった。同会理事の松森重博さんがご自身のブログ「鹿鳴人のつぶやき」にアップされたので、以下に紹介する(写真はすべて私の撮影)。
※トップ画像は保山さんの「平城宮跡の朝霧」。最近10~20年、朝霧が出なくなっているとか


総会が始まった。同会・豊田理事長の冒頭挨拶



6月16日、NPO法人奈良まほろばソムリエの会の総会がありました。総会のあと今回は映像作家 保山耕一さんを招いての90分間のトーク&上映会を開くことができました。昨年11月頃でしたか、保山さんにお願いしていたものです。実現できてほんとうにうれしく思っています。保山耕一さん、清水真貴さん、ほんとうにありがとうございました。170名以上の満員の参加者に大きな感動を与えていただきました。


保山さんのトーク

トークと上映が交互にありました。保山さんのトークも大きな画面での映像も音響もすばらしい上映会でした。それぞれの上映に際し、保山さんから素晴らしいお話がありました。わたしのメモから書き起こしておきます。

1,春日大社の藤
砂ずりの藤、ことしは伸びなかった、なぜか?藤をひっぱって自分の顔と一緒にとる人がたくさんいたからだ。それは外国人観光客だけではない。ちょっと考えなければならないと思う。




2、平城宮跡の朝霧
この10年20年ほどで平城宮跡の朝霧が少なくなっている。なぜだろうか。何かが変わった。借景という。その借景を大切にしなければと思う。

3,興福寺の中金堂
昨年300年ぶりに中金堂が再建された。素晴らしいことだ。平城宮跡の朱雀門→大極殿→興福寺中金堂、再建された現場のチームがつぎつぎと建てられた。素晴らしい技術の引き継ぎだと思う。古いものの良さ、そして新しいもの、そのバランスが大事だと思う。

(今年も私[保山さん]の映像と東京でご一緒していただいた)千住真理子さんのバイオリン、ストラリバリウスも、興福寺中金堂の消失した300年前と同時期の300年前に作られただ楽器という。映像の中で中金堂の満月、掛けられた五色の幕がでてくる。それぞれ興福寺金堂に300年ぶりに現れた満月であり、風だと思う。

4、大和の大雲海
2018年12月21日。霧が出るとの予感がして、この日、早朝若草山に登った。100年に1回と思える大雲海が広がった。そこで春日さんの御蓋山(みかさやま)だけが雲の海に浮かんでいた。浮雲の峰といわれる意味が初めてわかった。

5、長谷寺の桜
伽藍にはそれぞれ意味があることを感じる。浄瑠璃寺でも、伽藍配置にそう感じた。長谷寺の吹き上げる桜が舞う光景。本堂の観音様に向かっているように思えた。

6,吉野山の桜
何度も吉野山の桜は撮っている。撮るとき地元の人の言い伝える話をいろいろ聞きながら撮っている。「満月と桜の満開が重なるとき、甘い香りが漂う」と聞いた。その通りだと思った。そして、吉野山の桜は祈りの桜だと思う。


7,明日香村の棚田
なぜ不便な大変な場所で棚田を作っているのか、地元の人に聞いたら「この光景が好きだから棚田を作っている。だけど、米作りは儲からない。儲からないから若い人は外へ行ってしまって米作りをしない。この光景は、後継者がいない田んぼばかりだ。20年経ったらこの光景が残っているかどうかわからない。米作りはあとで作ろうとしても、急にはできない」



8,大和の祈り
2017年の国民文化祭で上映された作品「大和の祈り」をダイジェストにして最後に上映されました。

当たり前のことでも突然消えることがある。近頃、鹿が消化できないビニール袋などを食べて死んだニュースが、外国人観光客が増えて食べられないものを食べさせて死んだとニュースは報じていた。外国人観光客だけだろうか。そうではない。まほろばソムリエの会の皆さんもどのように奈良の良さを伝えていったら良いか、考えてほしい。

この7月6日から月1回、奈良公園バスターミナルのレクチャーホールで上映会を行い、まほろばソムリエの会の皆さんともご一緒に奈良の良さを伝えたいと思っている。奈良県奈良公園室長の竹田博康さんは「魅力ある奈良を発信する」と言っておられる。よろしくお願いします、と結ばれました。



奈良公園室長・竹田博康さんの来賓挨拶(以下、懇親会で)


京阪奈情報教育出版社長の住田幸一さんの来賓挨拶。緊張のせいか、やや表情がカタい

トーク&上映会は、あっという間の90分だった。映像も良いし、トークがまたいい。これらのコラボで、久しぶりに深い感動を覚えた。


最後にご来賓の記念撮影

7月から毎月第1土曜日14:00~15:30、県庁東側の奈良公園バスターミナル2階の「レクチャーホール」で、保山耕一さんの作品上映会が始まる(入場無料・申し込み不要)。メインは保山さんの映像だが、最後の30分(15:00~15:30)は奈良まほろばソムリエの会が『奈良百寺巡礼』に掲載されたお寺を紹介する。各お寺のご住職にも可能な限りご出演いただく。

初回(7/6)は松森さんの担当で、ご住職を迎えて「生蓮寺(しょうれんじ)」(五條市)を紹介する。10月には私も登壇する。皆さん、毎月第1土曜日は、奈良公園バスターミナル2階「レクチャーホール」に足をお運びください!



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