tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

今井町(橿原市)の地域おこし活動、今日までそして明日から

2022年04月02日 | 奈良にこだわる
春爛漫、奈良盆地ではほぼすべてのソメイヨシノが見頃を迎えた。そんなとき、若林稔(梅香)さん(今井町町並み保存会会長)のFacebookで、今井小学校の今年(2022年)の新1年生の数が64人に達したと知り、これには驚いた。近年は全校生徒数が増加傾向にあったとは聞いていたが、それがここまで来ていたとは!
※トップ写真は東北復興のシンボル・三春滝桜(福島県三春町)の子孫。大和文華館で3/30撮影

若林さんは近畿日本鉄道を退社された2000年(平成12年)から本格的に今井町の地域おこしに関わられ、「インスタントの観光はあかん」「経済の復興が最終目的や」と早くからおっしゃっていた。その活動の一部は、私も「梅香語録」などで紹介させていただいた。まずは、若林さんのFacebook(4/1付)を引用させていただく。

今井町でも桜満開です。桜といえば入学式となりますが、今井小学校の新1年生は64人。6年生が26人卒業して特別クラスの入学なども含めて40人の学童が増えます。

少子高齢化が各地で進む中、今井小学校では少しずつ毎年増員の傾向にあったのが、今年は40人も増えました。私が町並み保存を始めてもう半世紀になりますが、当初から少なくなりつつあった子供のことを憂えて、「子供がいる町、子供が安心して通学できる町」を大事に育ててきました。

学校行事にも町並みの保存の時間を作っていただいてからも、もう第1期の卒業生は26歳ぐらいになり、家庭を持ち子供を持つ親になった世代が、今井町の校区で子供を育てたいという循環がやってきたのかなという思いです。町を作るのは子供世代からです。

そんな長いスパンの町づくりの過程では、流行に流されて観光志向の町づくりが押し寄せてきて、押しつぶされそうになった時期もたくさんありましたが、昨日校長先生がご挨拶においでになって新1年の大人数の入学に教師陣も増員してうれしい悲鳴を上げていますとお聞きして、私も大感激しました。

昔の隆盛を取り戻す町づくり、半世紀掛かってようやく基礎が固まってきた感じです。もう少し活動できる若さが欲しいが、齢には勝てぬ、次の世代に思いをしっかり伝えていかなければ…。とにかく今井小学校の大量増員 万歳!です。次は経済自立の町づくりにエンジンをかけます!


若林さんは徒手空拳、いろんな相手とぶつかりながら、町をここまで引っ張ってこられた。その姿は、風車(変わらぬ現実)に、痩せ馬にまたがって突撃するドン・キホーテを思い起こさせた。よく途中で潰されずに、ここまで来られたものである。

「もう少し活動できる若さが欲しいが、齢には勝てぬ」とお書きだが、ゲノム編集による再生医療の発達で、今後10年ほどで日本人の平均寿命は120歳になる、という山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所)の話もある。81歳の若林さんには、まだ40年近くの人生が残されているのだ。最近は、大工仕事にも精を出されている。

若林さん、これまでの精力的なご活動、ありがとうございました。まだまだお元気ですし、「阿伽陀屋(あかだや)若林亭」という新たな舞台も完成しました。これからは「経済自立のまちづくり」に、突進してください!

※4/5追記 若林さんがFacebook(4/4付)に追加のコメントを書かれましたので、紹介しておきます。約10年間で小学校の全校生徒が211人→262人→338人と、コンスタントに増加したそうです(60%増)、これはスゴイ!
今井小学校 10年前の2013年は全校生211名、5年前の2018年は262名、10年後の今年は338名になり、10年間で127名増えています 子供を安心して通わせることが出来る町はインスタントではできません 学校を取り巻く周辺の町づくり、人づくりが子供たちを育てるうえで重要だと周囲が感じたのちに新しい加入者が増え、子供たちが増えるのです 学童保育の施設も町中にあるがさらに増設が急がれています この子たちが大人になったときにまた今井町は更なる1歩を前に踏み出しているでしょうまさに子供は宝です うれしいことです!

※4/13追記 若林さんがFacebook(4/12付)に追加のコメントとExcel表を追加されましたので、紹介しておきます。 
今井小学校が少子高齢化の時代になって、逆に児童の増加しているのが続いていることを掲載してきたが、校長先生から今日お願いしていた2001年からの各年の児童数を教えていただいたので、一覧表にまとめてみました。

児童数の減少を憂えて小学6年生に卒業茶粥体験を継続して開始したのは2008年からで、その後学校行事に取り入れていただきましたが、学校での授業をさらに2時間頂き、今井町の学習を丹念に繰り返して来、先生たちも一斉写生大会を町中で展開して卒業時に6年間6枚の絵画を児童に手渡すなど、郷土愛の意識を高める地道な活動を繰り返してきたのが、ここ数年の間にようやく安全で環境のいい今井小学校区内で住み、子供を今井の学校に通わせたいという環境づくりが地についてきたのが児童の増加につながり、それが表からもよくわかります。本当にうれしいことです!
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 前登志夫「作詞校歌 紹介展」... | トップ | 「ドライブ・マイ・カー」を... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

奈良にこだわる」カテゴリの最新記事