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寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3728話) おんぶ

2024年09月19日 | 行動
 “名古屋に住む50歳の息子から「母さんの顔が見たくなった。これから行くね」と、突然の電話。嬉しくなった。新鮮な野菜、あり合わせの食材をスーパーの袋に詰め込み待っていた。
 「急に思い立って何もみやげないよ。御免ね」と変わりなく優しい。「いいのよ、元気な姿を見せてくれるだけで嬉しいから」と私。久しぶりでも、これといった会話もなく、幼い頃から新聞が大好きな彼は、隅から隅まで読んでいる。静かな時間が流れる。
 突拍子もなく「ねぇ、おんぶして」と私。彼は「おんぶですむなら安いむんだ」と私を背負い、和室、応接間、リビング、部屋の中をぐるぐる。赤ちゃんを寝かせるように揺すって「ねんね、ねんね、寝る子は育つ」と子守唄を歌ってくれる。四十数年前に逝った父さんに「いつもおんぶしてもらった」と息子。「俺と同じことやってるな」と、主人は笑っていたことでしょう。
 大きな背中、ほっこりするぬくもり、とっても嬉しい。ああ幸せ。涙がこぼれそう。グウグウグウ。「オーイ本当に寝るなよ。この調子ならまだまだ元気でいられるな」。息子は笑いながら帰っていった。母と子の勿体ほどの、幸せな午後のひとときでした。息子よありがとう。またおんぶしてね。”(8月25日付け中日新聞)


 愛知県江南市の主婦・樋口さん(84)の投稿文です。84歳のお母さんが50歳の息子におんぶしてと言う。そしてそれを快く受け入れられた。こんなことがあるのだ。ボクから見れば、おんぶして、と言うお母さんの方が勇気がいると思う。言われた方は「仕方がないな】と言って只受け入れればいいのだ。でもこう言える親子関係、なかなかないと思う。84歳ともなると言えるのだろうか。ボクにはまず無理だ。
 妻は、20歳を超えた孫と時折ハグをしている。孫は逃げない。この行動は続きそうな気がする。家族関係もいろいろある。親子、孫がこうした行為ができるのは良い関係でなければできない。日本人は肌を触れあうことが苦手、少ないという。それだけにどんどんやってほしいものである。



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