“長女が二十歳の誕生日を迎え、お祝いに家族で食事に行きました。その数日後、娘から「これ」と包みを渡されました。包みを開けたら私へのプレゼントが出てきました。それと同時に、「二十歳となりました。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします」と書かれたカードが入っていました。聞くと、夫と祖父母にもそれぞれプレゼントとカードを贈ったとのことでした。
私も親になって二十年。共働きで子どもとゆっくり過ごす時間も少なく、子育ての仕方がこれで良いのかと悩み続けた二十年でした。娘は大学生となりました。私たちから大したことも教わっていないはずなのに、お礼を言ってくれるなんて。
娘からの思いがけないプレゼントから、子育ては大変なことばかりではなかったと思えてきました。二十年間、私は実にたくさんの人に助けてもらいました。この恩を今後は私が返す番だと考えています。”(9月1日付け中日新聞)
三重県松阪市の看護師・坂井さん(女・50)の投稿文です。子供からこのような行為をされると、今までの苦労は一片に忘れ、いろいろな不満も一挙に吹っ飛んでいく。親とはそんなものである。成人したお祝いにプレゼントを貰う子は多いが、感謝で親や周りの人にプレゼントをする子供は少ない。それだけに酒井さん家族は感激である。これには坂井さん夫婦の姿や躾が反映されたのはもちろんだと思う。
子育ては苦労ばかりではない。苦労ばかりだったら、子供を産み育てる人ははるかに少なかろう。苦労を上回る喜びがあるのである。世界人口の増加を見れば、これは人類共通であると思う。先日講演会に参加したら「人間の三大欲求は食べる、眠る、子孫を残す」と言われた。現代はいろいろな生き方があり、認められてもいる。ボクもそれを否定はしない。だが凡人にとっては、結婚し子供を育てて一生を終える、これが喜びも大きく、分かりやすい過ごし方と思える。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます