今週のドル・円相場の推移
今週のドル・円相場の最大値幅は約2円37銭となり、10週間ぶりに値幅2円超の比較的良く動いた1週間となりました。 先週までのドル円相場は週足の最大値幅が1円前後に収まるという小動きが5週間も続きましたが、やや異常な膠着相場の過程で抑圧されていた動意のマグマは、いったんは下向きに噴出することを選んだようです。
8月2日をタイムリミットに続けられている米連邦政府の債務上限引き上げ交渉がなかなか決着しないことに対する焦燥感に加え、火曜日深夜に公表された米FOMC議事録、水曜日深夜に行われたバーナンキFRB議長の下院での議会証言で量的緩和第3弾への期待が一時大きく盛り上がったことが、ドル売り・円買い動意の基本的背景になりました。
木曜日の深夜に実施された上院の議会証言でバーナンキFRB議長が現時点で量的緩和第3弾導入の用意は無いことを明言したこともあり、その後は円高動意にもブレーキがかかりました。
量的緩和第2弾を打ち切った後はしばらく現状維持で様子をみる、というFRBの基本路線は実は何も変わっておらず、「今後の米国景気・物価情勢の変化に応じて追加緩和、あるいは緩和巻き戻しの是非を判断する」という状態であることが再認識させられたと言えます。
今後の米FRBの金融政策運営のかじ取りが「量的緩和第3弾の導入」、「量的緩和2弾の巻き戻し」のいずれに向かうのかは、やはり今後の米国景気の回復力の強度に依存して決まるとみられます。
刻一刻と迫る8月2日問題。 実際に米国債をデフォルトさせたら大変な経済的混乱が引き起こされるリスクがあることはねじれた議会も分かっているため、過去70回ぐらいのケースでは刻限ギリギリまで揉めた場合でも最後は妥協し、成立しているようです。 今回の民主・共和両党の交渉も、いわゆる大人のチキンレースだとみる向きが多く、本気で米国債のデフォルトが起きると思っている向きは少ないと思われます。
またまた延命策を取る結論になると思われますが、膨張した風船の爆発は数カ月後に先送りです。
投資面から考えると :
>これから2週間チキンレースを行い、渋い顔をしながらも債務上限の引き上げ法案の合意が見られると仮定。 ドル・円は上下に振れながらも8月2日近くにはかなり戻すのではないかと判断し始めているところです。 チキンレースが始まるわけですから、要人の発言によってかなり下げる場面も想定出来そうです。 78円を割り込むようになれば、当然日銀の口介入(実際には行われない)が頻繁になってくると思われます。 よって今回は市場最高値76.25を超えることは無いと判断。 78円付近では一度買いを入れてみるのも面白いかと思われます。
>債務上限引き上げ法案が可決されない場合・若しくはQE3に踏み込んだ場合 残念ながら75円は軽く下回るでしょう。 この構図を頭の中に記憶させた上で、読者の皆様は適格な投資判断を行っていただきたいと思うしだいでございます。
今週のドル・円相場の最大値幅は約2円37銭となり、10週間ぶりに値幅2円超の比較的良く動いた1週間となりました。 先週までのドル円相場は週足の最大値幅が1円前後に収まるという小動きが5週間も続きましたが、やや異常な膠着相場の過程で抑圧されていた動意のマグマは、いったんは下向きに噴出することを選んだようです。
8月2日をタイムリミットに続けられている米連邦政府の債務上限引き上げ交渉がなかなか決着しないことに対する焦燥感に加え、火曜日深夜に公表された米FOMC議事録、水曜日深夜に行われたバーナンキFRB議長の下院での議会証言で量的緩和第3弾への期待が一時大きく盛り上がったことが、ドル売り・円買い動意の基本的背景になりました。
木曜日の深夜に実施された上院の議会証言でバーナンキFRB議長が現時点で量的緩和第3弾導入の用意は無いことを明言したこともあり、その後は円高動意にもブレーキがかかりました。
量的緩和第2弾を打ち切った後はしばらく現状維持で様子をみる、というFRBの基本路線は実は何も変わっておらず、「今後の米国景気・物価情勢の変化に応じて追加緩和、あるいは緩和巻き戻しの是非を判断する」という状態であることが再認識させられたと言えます。
今後の米FRBの金融政策運営のかじ取りが「量的緩和第3弾の導入」、「量的緩和2弾の巻き戻し」のいずれに向かうのかは、やはり今後の米国景気の回復力の強度に依存して決まるとみられます。
刻一刻と迫る8月2日問題。 実際に米国債をデフォルトさせたら大変な経済的混乱が引き起こされるリスクがあることはねじれた議会も分かっているため、過去70回ぐらいのケースでは刻限ギリギリまで揉めた場合でも最後は妥協し、成立しているようです。 今回の民主・共和両党の交渉も、いわゆる大人のチキンレースだとみる向きが多く、本気で米国債のデフォルトが起きると思っている向きは少ないと思われます。
またまた延命策を取る結論になると思われますが、膨張した風船の爆発は数カ月後に先送りです。
投資面から考えると :
>これから2週間チキンレースを行い、渋い顔をしながらも債務上限の引き上げ法案の合意が見られると仮定。 ドル・円は上下に振れながらも8月2日近くにはかなり戻すのではないかと判断し始めているところです。 チキンレースが始まるわけですから、要人の発言によってかなり下げる場面も想定出来そうです。 78円を割り込むようになれば、当然日銀の口介入(実際には行われない)が頻繁になってくると思われます。 よって今回は市場最高値76.25を超えることは無いと判断。 78円付近では一度買いを入れてみるのも面白いかと思われます。
>債務上限引き上げ法案が可決されない場合・若しくはQE3に踏み込んだ場合 残念ながら75円は軽く下回るでしょう。 この構図を頭の中に記憶させた上で、読者の皆様は適格な投資判断を行っていただきたいと思うしだいでございます。