FX寺子屋 by 葛勝老師

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スペイン・ポルトガルの財政赤字削減策。 28~29日のEU首脳会議に照準合わせか。

2012-06-27 20:42:13 | 日記
<スペインの財政赤字削減策>
スペイン政府が財政赤字削減の為に増税を検討していることが明らかになりました。 スペインは対GDP比での財政赤字を2012年は5.3%まで削減することを約束していましたが、景気の低迷が続く中で達成は厳しい状態でした。 こうした中、スペインはEU/IMFから付加価値税(現在18%、多くの商品は8%、または4%に軽減されている)の引き上げを求められてましたが、ラホイ首相はこれに後ろ向きな姿勢を示していました。

ところが、ここにきてスペイン政府は
・付加価値税の軽減されている一部の商品やサービスの再分類。
・住宅に関する税制優遇措置の縮小。
・石油関連製品に対する ”グリーン税” の新設。

などによって財政健全化を進めることを検討し始めているようです。 すでに総額450億ユーロ規模の増税と支出削減策を発表していますが、それに追随する形となっています。 こうした譲歩を先に見せることによって、EUから同国の銀行への支援融資の条件や形式について自国に有利な形に持って行こうとしているのかもしれません。 28~29日にはEU首脳会議が開催に照準を合わせてきているのでしょうか。

<ポルトガルの財政赤字削減策>
一方、ポルトガルはすでにEU/IMFの支援が入っていますが、支援(780億ユーロ)と引き換えに約束した財政赤字削減目標(2013年までに対GDP比3.0%)について :

ポルトガルは達成すべき目標があり、それを達成できるとの自信を示していますが、ただこれは追加の緊縮財政策の導入を時期尚早とする文脈の中で出てきたものですので、本当にそう思っているかは別問題です。

景気が悪い中で前のめりで歳出削減をしたくないという立場は分かりますが、さらなる歳出削減なしに2013年9月目標の市場復帰は難しいと見る市場関係者は多いようです。 これで対応が後手に回ると、後々ポルトガルに対する不安が市場に拡がることになるでしょう。 もちろん、そうなるとしてももう少し先の話だとは思いますが、非常に気になるところです。

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