吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

おやつ

2012-02-27 15:12:03 | インポート
さっちゃんは、小さな頃から、あまりものをねだることがありませんでした。
流行りのキャラクターグッズはもちろん、お洋服も食べ物も。
一緒にお買い物に行って、どれにする?これにする。と、いうことはあっても
欲しいものの前で駄々をこねられた記憶が1度もありません。

そんなさっちゃんですが、1年ほど前から、一緒にお買い物に行った時に
「なにか欲しい物ある?」
と、私が尋ねると、必ず返ってくる言葉があります。

「おやつ」

この、おやつは、さっちゃんのためのものではありません。
さっちゃんが、仲良しさんと一緒に食べるためのおやつです。
よく、スーパーのお菓子売り場のコーナーに
えびせんやポテトチップスや、ビスケットやチョコ菓子などが
小さな袋に小分けされて、4袋つながったものが置いてあるのですが
さっちゃんは、あの手のひらサイズの小さなお菓子を
ヘルパーや、お父さんや私と、分け合って食べるのが好きなのです。
小さな指先で、小さなお菓子をつまんでは渡し、つまんでは渡し
でも、微妙に自分の方が多く食べるように分けるのがポイント。
けれど、独り占めせずに人に分けるというのは、とても良いことなので
ヘルパーさんたちにも、是非食べて下さいとお願いしてあります。
会社によっては、与えられた物を受け取ってはいけない決まりもあるので
ヘルパーさんたちも、会社とさっちゃんの板ばさみで、迷うところでしょうが
少なくとも、さっちゃんや私の口から漏れることはありません。
(何を言いたいのかニュアンスで理解してね)

さっちゃんは1人っ子なので
兄弟喧嘩をしたり、食べ物の奪い合いをする機会が無いので
さっちゃんがまだ小さかった頃から
私が、食べ物の奪い合いをしてきました。
おやつも半分こ、ジュースも半分こ。
マクドナルドの5個入りのチキンナゲットは
2個ずつ分けて、最後の1個は、さっちゃんのおててで半分こ。
たまに、小指の指先ほどの「半分」だったり
ナゲットの皮のみということもありましたが
それはそれで、面白いから良いのです。
大事なのは、「半分こ」

ですから、さっちゃんが、自宅から遠く離れた高等養護学校への入学が決まり
同時に、本人の理解に関係なく、3年間の寄宿舎生活も決まっていて
その、入学式のお昼に、サンドイッチを半分こしてくれたとき
私は必死に泣きたいのを堪えて、小さなサンドイッチを食べました。
さっちゃんは、その後も、「半分こ」の精神を貫き
寄宿舎の先生におやつをふるまい、お友だちにふるまい
その精神は、いまだに衰えていないのです(と、言うか、既に習慣?)

「なにか欲しい物ある?」
「おやつ」

さっちゃんは、迷わずに4袋つながりのお菓子をカゴに入れます。
そのお菓子を、ヘルパーさんと「はんぶんこ」する場面を想像すると
思わず、顔がほころんでしまいます。

昨日は、朝早くから、ヘルパーの I ちゃんに来てもらって
さっちゃんと朝ご飯を食べてもらいましたが
朝食後も、やっぱりお菓子を半分こ。
そして、 I ちゃんと思いっ切り外遊びをして
帰宅後に小腹が空いて、お菓子をもひとつ半分こ。
その後、ヘルパーのNさんに交代してお昼を作り
昼食後に、もひとつおまけに半分こ。

  …え?

その後、さっちゃんは一旦自分のお部屋へ行って
軽くひと遊びした後、居間にとことtこやってきて
「おやつ、たべてない」
と、Nさんに訴えました。
「え?お昼ご飯の後に食べたよね?」
Nさんが確認したのですが、さっちゃんは無視。
「おやつ」
あからさまなすっとぼけに、Nさんは笑いを堪えながら
「どうだっけ?食べて無かったっけ?」
と、もう一度確認をしたのですが、完璧に無視。
こうして、さっちゃんは5つめのおやつをゲットし
Nさんと、半分こして食べたのだそうです。

まあ、半分こだから、食べたのは、ほぼ2袋ってことで
私も聞かなかったことに。
あははは。