吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

トラップ&マジック

2011-06-30 16:18:45 | インポート
昨日、さっちゃんは、だぁ~いすきなへルパーのEさんと
ガトーキングダムへ行ってきました~!
ガトーキングダムと言うのは、温水プールと温泉を併設したリゾート施設で
円山公園キッズランド(遊園地)も、手稲オリンピア遊園地も閉鎖してしまった今
札幌では、数少ない大型遊技場です。

さっちゃんの、映画やプールやカラオケへ出掛けたり
毎週木曜日に自宅で調理をしたりという予定は
前月に翌月の予定を立てて、介護事業所の方で対応をしてくれます。
でも、予定のある日にどのヘルパーさんが来てくれるのかは
予定日の1週間前でなければ分からないので、ある意味、「おたのしみ」です。
ただ、「この日はアナタがいいわ~ん♪」と毎日お祈りすると
もしかしたら、祈りが叶うことがある「かも」しれません。

なので、昨日のガトーキングダムへのお出掛けは
先月から予定が決まっていたのです。
Eさんは、とても忙しい人なので、普段なかなか遊ぶことが出来ないものだから
さっちゃんは、先月から、ほとんど毎日のように
「ガトキン、いつですか?」
「ガトキン、いつですか?」
「ガトキン、いつですか?」
と、繰り返し私や周りの人たちに聞いていました。
Eさんとのお出掛けが楽しみなのは勿論ですが
もしかしたら、予定通り、ちゃんと行けるのか、心配だったのかもしれません。

そして、昨日の札幌は、今年初めての真夏日!
さすが、ピーカン娘です。

午前中は、作業所でお仕事をして、お昼にEさんがお迎えに来てくれて
作業所で、Eさんもみんなと一緒にお昼ご飯を食べて
午後からガトーキングダムへ行ってきたのですが
流れるプールで漂ったり、プールの中で追いかけっこをしたりして
3時間ほどたっぷり遊んだ後は、温泉でまったり。
ほどよくほっくりと仕上がった頃に、お父さんがお迎えに来て、お嬢様帰宅。

すると、家では私がトラップ(お夕飯)を仕掛けて、待ち構えているという訳です。
さっちゃんと一緒に家へ辿り着いたEさんを、緩く拉致して
みんなで、一緒にお夕飯を食べました。
さっちゃんには、ご飯やお味噌汁を盛り付けるお仕事をしてもらったのですが
なんだか無表情で、ちゃっちゃかちゃっちゃか働いていたのは
多分、みんなでご飯を食べられる喜びへの、照れ隠しだったのでしょう。
お買い物に行く時間や、下拵えをする時間が無かったため
有り合せの食材で用意した粗食でしたが
Eさんは、なんでも美味しい美味しいと言って食べてくれました。
そう言われると、なんだか本当に美味しいような気がしてくるので、不思議です。
そうなんです。
Eさんは、何を食べても美味しい美味しいと食べるので
一緒に食事をすると、なんでも美味しく、そして、楽しく食べられるのです。
これは、名付けてEさんマジック。

「私、これ食べられないんだよねー」
「私、それきらいー」
こういうことばかり言う人と食事をすると
メニューひとつ頼むのも、なんだか変に気を遣ってしまうので
折角の食事が、なんだか楽しくないし、楽しくないと味も落ちます。
Eさんと食事をすると、先ずこういうことがないので
大変気持ち良く食事をすることが出来るのです。

そう言えば、Eさんの介護事業所のガイドヘルパーさんたちは
好き嫌いの無い、食べるのが大好きな人たちが多いなぁ。
雇用の条件に、「食べ物の好き嫌いがないこと」と、入っているのでしょうか。
今度、社長のSちゃんに聞いてみようっと。

あっ、そうそう!
Eさんのすごいところ。
さっちゃんと、プールで散々遊んで、温泉でゆったりして
ええ感じでけだるくなっていたはずなのに
食後の食器をしっかり洗っていました!しかも、全部!
サービスの時間はとっくに過ぎていると言うのに、なんて人だ…。
つーか、客人に食器洗わせるなよ!自分!!


さて、約8年間私の拙い日記を書き綴ってきたさるさる日記さんが
本日で、完全終了してしまいました。
悩んだり、笑ったり、お受験に失敗しながらも結果的に成功に終わったり
さっちゃんと一緒に警察へ行って調書を取られたり、謝罪に行ったり
寝不足で半分眠りながらも何故か意地になって更新したり
本が数冊書けそうなくらい、色んなことがありました。
忘れたい過去も、忘れたくない過去も、今日で全部消えてしまいました。
なんだか寂しいような気もしますが、仕方がないですね。
これからは、こちらの吐露でよろしく♪

旧吐露の人たちには、予め引越し先を伝えておいたんだけど
それを見逃してしまった人たちは…。

またいつか、お会いしましょう!


きゅん

2011-06-29 15:28:32 | インポート
ある日のこと。
私がシャワーを終えると、さっちゃんがわんわん泣いていたので
慌てて駆け寄り、「どうしたの?」と尋ねると
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔で「さみしいのー」と、言いました。
私が見当たらないので、寂しくなったと言うのですが
実際には、私の気を引く為の、女優作戦です。

だけど、きゅん。

ある朝のこと、なかなか起きないさっちゃんを起こしに行って
「起きなさーい!」と顔を近付けると、鼻の頭にちゅっ♪とされました。

きゅん。

さっちゃんは、バナナが良く似合います。
だから、我が家はバナナを切らさない。
黙々とバナナを食べるさっちゃんの顔を見て

きゅん。

お水を飲もうとして、うつむいたさっちゃんの、むちむちのほっぺたを見て

きゅん。
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どっか悪いのか、私。



今日の、NHKの『スタジオパーク』のゲストは
『13人の刺客』以来、ちょっと気になる存在の、窪田正孝くんでした。
自分勝手な、ネコっぽい感じの子。
でも、ぶらさがり健康器で、ひょいひょい懸垂してたー!
そりゃーそうだよ、見池崇史監督の秘蔵っ子だもんね。
秘蔵っ「子」って言っても、既に成人していて、さっちゃんとは同学年なのですが。
何かに集中しているときの顔が、非常にカッコイイです。
ちゅーか、カワイイ。
ネコだな、やっぱり。

きゅん。

新妻

2011-06-28 10:47:29 | インポート
昨夜は、お父さんの帰りが、いつもより少し遅かったので
さっちゃんと私は、先にお夕食を始めていました。

私たちが食事を始めて間もなくすると、お父さんが帰ってきました。

すると、さっちゃんは私よりも早く席を立ち
お父さんの食器やお箸をテーブルの上に並べ
更に、お父さんのうがい用のコップにお水を注いで、うがい薬を数滴落とし
お父さんが、直ぐに食事が出来るように、抜かりのない用意をしていました。
まるで、新妻です。

いや、私が新妻の頃でも、もちろん今となっては「全く」
こんなに良妻ぶりを発揮した覚えはありません。

と、言うことは、この一連の行動は、私から学習したものではなく
本人が自然に思い付いた、「気配り」ということになります。

なかなかやるわね、さとみ。

さて、さっちゃんが通っている施設は、朝と夕方に送迎バスが出ています。
さっちゃんは、携帯電話のアラーム等で、『お出掛けの時間』をセットしておけば
家に鍵をかけて、1人で出掛けることが出来るのですが
ご近所に…と、言うよりも、うちのど正面のお宅に
お巡りさんにマークされる程度の、「困った人」が住んでいるため
もしものことを考えると、さっちゃんを1人で置いていくのは心配なので
私がお仕事等で、家にいられないときは
送迎バスに乗るまでの時間を、ガイドヘルパーさんに着いもらっています。
その、約30分程度の間に、お喋りをしたり、じゃれ合ったりするのが
さっちゃんにとっては、楽しみであり、息抜きでもある様です。

今朝は、お仕事がお休みだった私が、朝のお見送りをしたのですが
家を出るのが少し早過ぎて、送迎バスが来るまで、暫く時間に余裕があったので
家の前の芝生の中から、四つ葉のクローバーを探してみることにしました。
(高等養護学校の生活園芸科卒業の癖に、葉っぱを怖がるさっちゃんは、傍観)

ごそごそと芝を掻き分け、探すこと数分。

ありました!

大喜びで、摘み取ろうとすると、何故かクローバーの葉が崩れてしまい
手に残ったのは、崩れてしまった四つ葉のクローバー…。
慎重に、そっと、そっと、摘み取ったつもりなのに…。

もしかして、凶事を暗示してる?

バイキング

2011-06-27 19:23:43 | インポート
知的障がいをもつ、成人以上の方々を対象にした
『青年学級』というものがありまして。
以前から、そういう活動があることは知っていたものの
なかなか、参加させる気持ちもキッカケもなく過ごしていたのですが
今年度から、取り敢えず、参加させてみようかなと言う気持ちになり
申し込んでみたのです。

青年学級は、いくつかのグループに別れていて
その中から、自分の興味のあるものや、好きなことを選んで、希望を出します。
運動を中心にしたクラブや、色々な美術作品を作るクラブや
市内にある色々な場所を見学するたんけんクラブ
お料理をしたり、お食事に出掛けたりする「グルメクラブ」などがあり
各クラブには、施設職員さんたちが、スタッフとして配置されています。
ですから、さっちゃんの様な子でも、多分安心なはず。
勿論、参加申し込みをするときの備考欄に
「注意事項」は書き添えておきましたが。

さっちゃんが希望したのは、「グルメクラブ」で
昨日は、その第1回目の活動日だったのですが
内容は、なんと、さっちゃんの大好きなバイキング!!
さっちゃんが、昨日やけに早起きだった理由は、これだったのでしょうか。

活動は、原則的に現地に送り迎えをすることになっているのですが
私は、日曜日はお仕事を休むことが出来ないので
集合の時だけ、ヘルパーのDちゃんにお願いしてしまいました。
自宅から集合場所までは、交通機関の乗り換えのタイミングにもよりますが
大体、1時間ちょっとで行けるはずです。
ただし、それは、さっちゃんがちゃっちゃと動いてくれた時の話。
いつもの、自分1人の行動なら、ゆっくりでも構わないのですが
待ち合わせで、しかも全員が初対面で、第1回目の活動となると
そんな呑気に構えてもいられません。
が、そこはDちゃん。
余裕で待ち合わせ場所に到着したそうです。
流石です。

そして、その約2時間後、解散場所へ私がお迎えに行くと
満足そうに、お腹を撫でながら歩いてくるさっちゃんの姿が…。
さっちゃんと一緒にいた、スタッフのKさんという女性の話では
初対面ながらも、「おしえて」とKさんに甘え
一緒に料理を取りに行ってもらったそうで
カレーライス1人前、うどん、豚串揚げ、鶏串揚げ、サラダ
そしてデザートには、チョコレートフォンデュとアイスを食べたそうです。

そりゃーお腹撫でたくもなるよなぁ…。

でも、その後、久し振りにパフェが食べたくなった私は
札幌駅の「四つ葉パーラー」にさっちゃんを連れ込み
コーヒーとパフェを頼んで、パフェを半分こして食べようと思ったら…
さっちゃんは、上のフルーツとムースの部分を、ちょっとだけ食べたと思ったら
「もういらない」
そう言って、パフェグラスを私の方に押してよこしました。
ええ!?うそっ!!
いつもなら、自分が少しでも多く食べてやろうという勢いで
パフェを目で楽しむ間もなくがっついてくるくせに!!
しかも、もう要らないって、パフェ1つを私に全部食べろと?
この年になると、パフェ1つは、甘かったり冷たかったりで、辛いんだよー。
美味しいと思えるのは、半分こが適量なんだよー。

でも、勿体無いから全部食べましたよ。
昭和生まれは、食べ物は残すべからずと育てられているんです。
苦しくったって、悲しくったって、食べますよ。
あまー。ちめたー。あまー。ちめたー。
後半は、何かの修行みたいに辛かった…。
っていうか、大好きなパフェも進まないって、あなた、どれだけ食べたのよ。

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ラズベリームースとはちみつのパフェ。
私は、パフェに仕込まれたスポンジとコーンフレークは嫌いです。
「あげぞこ」だし、コーンフレークは口の中に刺さるし、とんだ裏切り行為だぜ!



玉子焼き

2011-06-26 17:06:05 | インポート
今朝のさっちゃんも、かな~り素敵でした。

実は、私は昨晩ミロンガに出掛けておりまして。
帰宅したのは、日付が変わるか変わらないかという時間で
なんたかんだで、寝たのは1:30頃だったのですが
朝の4:30頃に、頭をなでなでされたので目を覚ます
さっちゃんが、ニコニコしながら、私の顔を覗き込んでいました。

「おはよー…」

そう言ったものの、まだ眠い。
だって、寝てから3時間くらいしか経っていないのですから。
さっちゃんのほっぺたを撫でながら、また少しずつ眠りそうになると
今度は、ぼっぺたにぽつぽつとちゅーの雨が降りだしました。

うー、可愛い。
けど、やっぱり眠い。
あと少しだけ、寝かせてよ。

再び、毛布にくるまろうとした私の耳元に、必殺の囁きが…

「むじむじ」

…そう来たか…。
むじむじで来たか…。
うーん、どうしよう…。
でも、やっぱりまだ眠いなぁ…。

「まま、はなむじむじ」

あー、もう降参!
分かりました!
起きますよ。
ああ起きますとも。
むじむじ言われたら、もう起きずにはいられません。

おのれの仕掛けたワナに、おのれでハマるとは…。

私は、身体と毛布をひっぺがす勢いで、無理矢理起きて
テーブルを見て、今度は本当に目を覚ましました。

テーブルの上には、さっちゃんのお茶碗とお椀、そしてお皿。
牛乳を飲むコップに至るまで、全てきちんとセットされていたのです。
セットされていたのは、さっちゃんの食器だけというのがご愛敬。
そして、台所には、卵が2つとウインナー。

「さっちゃん、お腹空いてたの?」

さっちゃんは、ただニコニコ笑うだけ。

さっちゃんが、早起きするのも珍しいけど(しかも、4時半!)
自分1人で、ここまで食事の用意をするのは、もっと珍しい。
もしかしたら、初めてかもしれません。

そこで、折角なので、玉子焼きを自分で作ってもらうことにしました。

玉子焼き器に油をしいて、火にかけて…。

おい!ちょっと待った!
まだ卵が殻の中なんですけど!
先に卵を割ってください!
あ、逃げないで下さい。
玉子焼き器、火にかけたままです!
火を着けたら、その場を離れちゃいけません!

そうこうするうちに、私がちょっと目を離した隙に
さっさと卵をボウルに割り入れていたさっちゃん。
殻も入らず、黄身も割れず、なかなか良い割卵っぷりです。
ところが、卵を掻き混ぜるのは苦手らしい。
手首のスナップが利かせにくいらしく
優しく優しくボウルの中の卵を掻き混ぜるので
卵の黄身が行ったり来たりするばかりで、さっぱり卵が混ざらない。
「もっと強く、ぐるぐるって回したら?」
「こわーい!」
何が怖いんだか。
っていうか、そう言ったら、私がやってくれると思っているに違いない。
その手には引っ掛かりません。
卵はしっかり混ぜきらなくても、火を通せば焼けるので
お母さんは、知りませんよ。
(と、言ったそばから、ちょっとだけ混ぜてしまった…)

気を取り直して、玉子焼き器を火にかけ
卵液をだーっと注ぎ込み、大雑把に掻き混ぜだすさっちゃん。

わあ!全部入れちゃった!
玉子焼きは、卵液を数回に分けて流し込まなくちゃ!
慌てて卵液をボウルに戻して、そのまま玉子焼きの焼成を強行。

さっちゃんは、フライ返しを使って、卵を畳みこんで
また、玉子焼き器に卵液を流し込みます。
そして、また卵を畳みこんで…。
その繰り返しです。
頑張れ、もう直ぐだ!

こうして、さっちゃんの「努力の玉子焼き」が出来上がり
本当は、まんまと独り占めしようとして食べようとしていたのですが
私が、「半分こでしょ!」と騒がれたため
渋々、お父さんと私に、1cmほどのものを一切れずつ半分こ。
なんだか、えらく不満そうです。
でも、親は食べずに子供に全部与えるって
お母さんは、正しいとも美しいと思わないんだもの。
少ない食べ物も、みんなでちょっとずつ食べた方が楽しいし
美味しい物は、みんなで食べた方が、もっと美味しい。

だって、美味しい物を独り占めすることに成功したって
「美味しいね」って、にこにこ出来る相手がいなくて、つまらないでしょ。