先日、時間潰しと眠気覚まし用に、五十嵐貴久のサイコホラーを購入しました。
タイトルは、『リカ』
10年以上前に幻冬舎から出版されたもので、五十嵐貴久のデビュー作でもあるそうです。
10年前というと、私は飲食店で主に深夜勤務をしていて
さっちゃんは、札幌から車で6時間ほどかかる某市で、女子高生ライフを満喫していた頃です。
そういえば、その頃は、ゆっくり本を読んでいる暇さえなかったっけ。
さて、この『リカ』ですが
こわ。
主人公は、ごく普通のサラリーマン。
妻も可愛い娘もいて、特に何の不自由も無いけれど、刺激も無い毎日。
そんな彼が、後輩に勧められて出会い系サイトを知り
ほんの出来心で知り合った女性、リカ。
カレは、メールでしかやり取りをしたことのないリカに
迂闊にも、自分の携帯電話の番号を教えてしまう。
ところが、リカは恐ろしいサイコパスだった。
この彼、本当に迂闊過ぎるんですよ。
出会いサイトに載せたプロフィールは、本名をたった一文字変えただけの名前で
ご丁寧に職業まで書いちゃってるし。
読み始めから、こりゃあかんと思っていましたが
その嫌な予感は、悪い意味で的中してしまいます。
しかも、予想を上回る最悪さで。
ホラーものによくある、主人公の「え?何故そこでそうするわけ?」な行動が満載で
途中とちゅうでイライラします。
それにしても、リカ、やりすぎ。しつこ過ぎ。
しかも、最初はただのサイコパスだったリカが(「ただのサイコパス」というのもなんですが)
後半では、サイコパスを通り越して、ゾンビみたいになってるし。
私は、ホラー映画を観過ぎて、怖がる感覚が鈍感になっていますが
『リカ』は怖かった。
具体的に「こう」という感じの、視覚、聴覚を刺激される、分かりやすい怖さではなく
頭の中で、ぼんやりと感じる、得体の知れない怖さ。
「眠気覚ましに」という私の目的は、確かに果たされました。
リカという人物も恐ろしいけれど
インターネットで知り合った人に、うっかり気を許してしまったことで
とんでもない目に遭ってしまうなんて、物凄く。生々しい。
『リカ』は、過去にドラマ化、舞台化もされているらしいのですが
よくあれを題材に芝居をしようと思ったなぁ。なんて、変に感心してしまいます。
今年、『リカ』の続編の、『リターン』が出版されたらしいのですが
戻って来たのね、リカ。