天真寺日記

天真寺の日々を綴ります

ブラウンボトルトーク

2006-11-08 21:49:18 | 仏教
先日渋谷「花のえん」にて開催された、アーユス主催の「ブラウンボトルトーク」に姉と一緒に参加してきました。
今回のテーマは、「ホームレス」。って誰?

ゲストは、浄土真宗僧侶・赤川浄友さんとルポライター・北村年子さん。
赤川先生は、以前天真寺にご講師として来られていた花山勝友さんのお弟子さん。
元堀越学園の先生であり、笑い療法士と言う肩書きをお持ち。
パワフルに、そして興味深くお話をまとめて下さいました。





北村年子さんの現場の経験から、「ホームレス」の人々との関わり合いを中心にお話が進められました。

「ホームレス」という言葉で何を想像しますか?
公園で生活をしている人、テント生活をしている人、毎日の食べ物に困っている人・・・

北村先生いわく
「ホームレス」とは、野宿生活者や路上生活者という”人”をさす言葉ではなく、
安心できる居場所や家がない”状態”をさす言葉であるという。

立派な家に住んでいても心が安らげない人はホームレス
たくさんの友だちに囲まれていても本当に心を許せる相手がいない人もホームレス
自分の関係のないどこか遠くの話ではなく、身近なことなのだ。


北村さんが、こんな話を紹介して下さった。
学生達と野宿労働者の方に炊き出しのボランティアをされた時のこと。

炊き出しが終わると、ある学生が涙を流しながら帰ってきた。
野宿労働者の方が、素手で炊き出しを差し出したその学生に、
「手冷えるやろう、寒かったろう。」と自分の軍手を差し出してくれたという。

そんな優しさにふれて、言葉にならない思いがこみあげてきたのだろう。
自分になくとも人を思いやれる、これはなかなかできないことです。
富や名誉や地位の衣がはがれた時にあらわれる、人間の本質が見えてくるような気がします。


北村先生が、
人と人とが互いに「弱さ」を助け合い、共に生きていくことの大切さについてもお話されていた。


お釈迦さまは「自らの姿をみつめる」ことの大切さを説かれています。
それは「自らの弱さ」も含めてであります。
弱いからダメ、という現代的な割り切り方ではないのです。
お互いが持つ弱さも悲しみも分かち合い、つながり合い共感できる世界。
それがまさに仏さまの世界です。

私たちは自分では想像もできないくらい、実は広くて大きくてダイナミックな世界に生きているんだ、ということを仏教を通して聴かせていただくことが必要なのではないかと感じました。

ホームレス問題も、決して人ごとではなく、全て私とつながったこの世界で起きていること。
だからこそ、その痛みをつらさを知り、共感することが必要なのです。
私にはまだまだできていないと、自問自答をしながら勉強させていただきました。
仏さまのこころを聴いて、さまざまな問題を考えていかなくてはいけないと改めて考えさせられたご縁でした。

(龍)

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2 コメント

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いいねー! (furu)
2006-11-08 21:32:39
とってもいい感じで読みましたよ。龍哉さんが大事にしているものも私なりに触れることができたように思います。
これからも記事を楽しみにします。
返信する
ありがとうございます (龍哉)
2006-11-10 11:43:15
先日はお疲れ様でした。
でも、ホームレスって、自分自身にも当てはまるような気がします。
奥深いテーマであります。

また、いろいろとお話をお聞かせ下さいね。
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