闇に響くノクターン

いっしょにノクターンを聴いてみませんか。どこまで続くかわからない暗闇のなかで…。

たまにはフランス語を

2009-08-22 00:42:54 | 翻訳への道
たまにはフランス語も翻訳しなくてはならない。しかし今日読んだ箇所は、スーパーのアルバイト(今日は、数日前に買った商品に欠陥があり機能しないという客とメーカーの連絡をやらされた。しかしこれは、入社後半年のアルバイトにやらせるべき仕事なのだろうか?)で疲れた頭には、超難しかった。

D'ailleurs, si, dans toute nation, l'état de conservation est un état dans lequel il est presque impossible de se maintenir ; et si le terme de l'aggrandissement d'un empire doit, ainsi que le prouve l'histoire des romains, être regardé comme un présage presque certain de sa décadence ; il est évident que chaque nation peut même se croire d'autant plus autorisée à ces conquêtes qu'on appelle injustes, que, ne trouvant point, dans la garantie, par exemple, de deux nations contre une troisieme, autant de sureté qu'un particulier en trouve dans la garantie de sa nation contre un autre particulier, le traité en doit être d'autant moins sacré que l'exécution en est plus incertaine.

ちなみに、この部分の英訳は次のとおり(Eさん、ありがとう)。

Besides, as it is almost impossible for any nation to preserve itself, and as limiting the aggrandizement of an empire must, as is proved by the history of the Romans, be considered as an almost certain presage of its decay, it is evident that each nation may even believe itself the more authorized to make those conquests that are called unjust, as not finding, for instance, in the guarantee of two nations against a third, as much security as an individual finds in his own nation against another individual; the treaty relating to it ought then be much the less sacred, as its execution is more uncertain.

結局、原文でもっとも難しかったのは、なかほどの「injustes, que, ne trouvant point」の「que」をどう解釈するかで、はじめ、「d'autant plus autorisée … que(○○よりもますます権威づけられる)」と解釈しようとしたがどうも無理があり、次に、「il est évident que … que …(○○も△△も明白である)」で切り抜けようとしたがこれも不自然で、ああでもない、こうでもないと一時間ほどなやんでしまった。最終的に、これは「parceque(なぜならば)」の省略形ではないかとおもいつき、それでいくことにしたしだい。ちなみに英訳はこれを「as」の一語で移しかえており、私の考えに近い。
散々苦労してこしらえあげた仮の訳文は次のとおり。ちょっとぎこちない訳文でお読み頂くには恐縮だが、ご参考までにその直前のパラグラフから入れておく。

     ☆     ☆     ☆

「(諸民族に正義についての一般的観念を適用していたときに、私の精神は疑問を次の点に要約していた。なにゆえ他の人民とのあいだに取り決めた条約に違反する人民は、社会と取り決めた協約を犯す個人よりも断罪されないのか、また民衆の臆見にしたがえば、なにゆえ不正な征服が民族の評判を落とす程度は、盗みが個人の値打ちを下げるよりも少ないのかの理由を次に見出すためには、私の記憶に、あらゆる時代にあらゆる人民によって犯されたすべての条約の一覧表を喚起するだけで十分であると。こうした条約を考慮に入れないと、すべての民族は、混乱と災禍の時代を、自分の利益のために隣人を攻撃し彼らを征服するか、あるいは少なくとも自分を害しない状態におくために利用する大きな蓋然性がつねに存在するのが私にはわかる。ところで個々の民族は、歴史に学び、犯すことに利益がある条約への違反は、まさに休戦条約でしかないすべての条約の暗黙の条項であり、したがって、隣人をおとしめるのに都合のよい機会をとらえながら、民族は隣人の先を越すことしかしないと納得するほど、この蓋然性は十分に大きいと考慮することができる。なぜならば、すべての人民は、自分を不正義という非難もしくは隷属のくびきにさらすことを強制されて、奴隷もしくは主権者であるという二者択一に還元されるからである。)
 そのうえすべての民族において、もし現状保持の状態が維持することがほとんど不可能な状態であり、またもし大国家の拡張の限界が、ローマ人の歴史が証明しているように、その退潮のほとんど確実な前兆と見なされなくてはならないならば、ひとが不正と呼ぶこうした征服によって、個々の民族が、自分たちはますます権威づけられると思い込むことさえできるのは明白である。なぜならば、たとえば二つの民族の第三の民族に対する保証のなかに、個人が民族の保証のなかに他の個人に対する安全を見出すのと同じだけの安全をすこしも見出さないとき、保証条約の執行は不確実であり、またそれ以上に、その条約が神聖化されることはより少ないはずであるから。」

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