闇に響くノクターン

いっしょにノクターンを聴いてみませんか。どこまで続くかわからない暗闇のなかで…。

フランドル楽派を聴きながらライプニッツを読む

2009-12-13 23:18:44 | 雑記
今日は、夕食時に新宿まで出かけタワーレコードをちょっと覗いたほかは、一日中寓居でライプニッツの『人間知性新論』(工作舎)を読んでいた。今日読んだのは第三部「言葉について」の主要部分だが、概念や事物に自然的な区分はあるかということとそれと言語(名称)のからみについての議論は、単純ながらおもしろい。
これは要するに、青色と緑色に明確な違いはあるのか、青色と緑色がグラデーションのような状態になっているとき、どこまでが青色でどこからが緑色だと明確に言えるのかというようなこと。この議論が生物の種にまで広げられて、たとえばさまざまな品種があるにもかかわらずそれらを「犬」と呼ぶことができるのはどうしてか(長い縮れ毛の子犬とグレーハウンド犬とは、なぜスパニエル犬と象の場合と同じように別個の種ではないのか)などが取り上げられたのち、「ライオン・虎・山猫のような、猫に似たところをもつ多くの動物は、同一の種族に属していたのかもしれず、猫の古い種の新たな再区分として今あるのかもしれません」と進化論を予告するようなところまでいく。ちなみにライプニッツがこうした着想をもっていたのは、フランス語、イタリア語、スペイン語などがラテン語から分かれて出てきたという事実に関心をもっていたため、そこからの類推として自然に出てきたのではないかとおもう。

さて、その間聴いたCDだが、今日は朝から気合を入れて、エリク・ファン・ネーヴェル指揮の『Masters from Flanders(フランドル楽派の巨匠たち)』10枚組セット(Etcetra輸入盤)を順番に全部聴いた。
このCDセットは、10枚組で約7,000円と価格も手ごろで、しかも15世紀から16世紀のフランドルとブルゴーニュで活躍した作曲家が網羅的にほとんど入っている。すべて聴いてみて、演奏もそこそこの水準に達しており、この時代の音楽に興味をもっている人にはお勧めだ。参考までに、以下に10枚のタイトルをあげておく。

 1. Adriaan Willaert and Italy
 2. Philippe Roger and Spain
 3. Orlandus Lassus
 4. 16th Century Songs and dances from Flanders
 5. Philippus de Monte and the Hapsburgers
 6. Nicolaas Combert and the Court of Charles V
 7. Isaac, Obrecht, De la Rue
 8. Josquin des Prez
 9. Johannes Ockeghem and France
 10. Guillaume Dufay and Burgundy

すべての曲と演奏をじっくり聴いたわけではないが、なかでは、CD-6に入っていたクレメンス・ノン・パパ(1510/15年-1555/56年)の曲がおもしろかった。

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