闇に響くノクターン

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ワルシャワの空港で思わぬトラブル

2010-11-12 23:28:07 | 東欧滞在記
10月4日、今日はいよいよ波蘭(ポーランド)で過ごす最後の日だ。
ショパン空港からの出発予定時間は午前11時で、安全を見て、主催団体が8時30分に迎えのタクシーを予約してくれている。ゆっくりしている時間はない。
それでも、前日早く寝ていることと時差ボケの複合効果で早朝に起床。7時過ぎ、これが見納めと、友人と二人でワルシャワを散歩することにした。
時間はまだ早いが、月曜の朝なので、人々は急ぎ足で町中を歩いている。改めてじっくり見ると、朝のイェロゾリムスキェ通りは相変わらず殺風景なのだが、それでもブロツワフにもK市にもない独特の雰囲気がある。言ってみれば、大都市のにおいのようなものだ。あまり時間がないが、新世界通りまで行って、取り残した町の風景をデジカメに納める。私としては、もう一度バルバカンまで行ってみたかったのだが、時間がないのでそれは断念し、急いでホテルに戻る。
このホテルは、フロントもポーターもきちんとしているので、空港までのタクシーを予約してもらっていると告げると対応もスムーズだ。タクシーを待っている間、日本人の滞在客とも何度かすれ違ったが、その大半はショパン・コンクール目当ての人たちらしく、音楽コンクールとは無縁の風情のわれわれを怪訝そうに見てすれ違っていく。
待つことしばし、予約してあるタクシーが来たというが、これまで乗った波蘭のタクシーの運転手は、大半がくたびれたような私服を着た中年男だったので、どこに運転手がいるのかと一瞬とまどう。実は、目の前に止まっているベンツにスーツケースを積み込んでいるのが、その運転手だったのだが、黒づくめの出で立ちにサングラスをかけた背の高い若者で、外見はどう見てもアメリカ人のおにいちゃんという風情だ。ふーん、とともかく乗り込むと、カーステレオからリズム・アンド・ブルースなどを流して、どこまでもアメリカ風を気取っている。無許可のタクシーではないのでまあいいさと彼にまかせて、30分ほどで空港に到着。スーツケースが重いのでチップをはずんで、波蘭語でありがとうというと、サングラスをはずしてにっこりする顔は、やはりポーランドのいもにいちゃんだ。

時間は早いし余裕があるとアエロフロートのカウンターにいくと、ここで思わぬトラブル発生。前日、友人が生ハムや肉をあまりにも買い込み過ぎたため、スーツケースが重量オーバーで追加料金を払わないと積み込めないというのだ。さらに説明をきくと、その料金は、ユーロではなく波蘭の通貨であるズウォチで、カウンターとは別のフロアにあるアエロフロートの事務所で支払う必要があるという。外国人にとっては、ややこしいことこのうえない。友人も私も、手元にまとまったズウォチが何もないので、まず両替所探し。追加料金は約1,300ズウォチ(約4万円)だとメモしてもらってあるので、急いで両替。次にアエロフロートの事務所を探して、担当官に事情説明。すると、1,300ズウォチでは足りないのではないかと、こちらの説明が腑に落ちない雰囲気で、先ほどのカウンターの担当者に電話してなにやら確認している。しばらくして確認がとれ、支払いを済ませてあわててカウンターに向かう。安いはずの肉がとても高くついたと友人は苦笑い。いずれにしても、カウンターでの手続きが定刻までに間に合ったことで私は一安心。あとは出国手続きが残るのみ。
さてその手続きはいたって簡単で、スムーズに窓口を通貨。先ほどの追加料金の為の両替と釣り銭で、手元にズウォチが残ったので、免税店でこまごまとしたおみやげ品を買い込む。ショパン生誕200年の大きなポスターの前で、あらためて記念撮影。
搭乗前に友人はまた係員に呼び止められたが、きいてみると、荷物に4万円も追加料金を払って気の毒だというので、エコノミークラスの席をビジネスクラスに変更してくれるということらしい。こういうのをけがの功名というのだろうか。
ともかくこうして、われわれは無事ワルシャワを離陸した。


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