闇に響くノクターン

いっしょにノクターンを聴いてみませんか。どこまで続くかわからない暗闇のなかで…。

翻訳が一通り開通

2012-12-26 21:42:01 | 翻訳への道
2008年の5月にはじめた『人間の精神について』の翻訳が、先ほどようやくすべて一通り終わった。作品全体の結びは次のような文章である。

     ☆     ☆     ☆

この主題について、私はこれ以上詳述しないであろう。そして私は、より徳高くより啓発された人間を形成することを望むであろう熱意ある市民に、優れた教育のすべての問題は以下のことに帰することを喚起させることに甘んじよう。それはまず、幸運がわれわれを置く異なった身分それぞれのために、若い人々の記憶に課さなくてはならない対象と観念の空間を固定すること、次に、彼らに栄光と称賛の情念を燃え上がらせるためにもっとも確実な手段を決定することである。
これらの二つの問題が解決されたならば、現在は状況の盲目的な符合の作品である偉大な人間が、立法者の作品となるであろうこと、また、偶然に生じることを少なくしながら、大国家において、優れた教育が才能と美徳を無限に増やすのが可能であることは確かである。

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ほっとしたところで、今はワーグナー『ラインの黄金』~「ワルハラ城への神々の入場」を聴いている。