(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

ガールズ&パンツァー 第11話「激戦です!」

2013年03月24日 | 視聴済アニメごった煮
相変わらずおもしろいんですが……

 そんな今回のお話は…
 黒森峰女学園と熾烈な戦いは続く。火力と数に勝る黒峰森に対抗するため、長期戦に持ち込みたい大洗女子。
 みほは地形的に有利な山の上に陣取るため「もくもく作戦」「パラリラ作戦」を連続して展開する。だが、それには動じず、正攻法で対抗する黒森峰。
 ようやく山の上に集結した大洗女子は、攻勢をかけ最終的に2台の黒峰森戦車を倒す。
 これで7対18。みほの繰り出す作戦が効果をあげ、試合の流れは大洗女子に傾いているように見えたが……。
 以上公式のあらすじ。

 三ヶ月も待たされると実際熱量下がるわな。そんなわけなので、以前のようなテンションじゃないのはご容赦ください。
 さて、前回一体なんの意味があって出てきたのかよく分からないゲーマーチームが開始早々やられてからのスタート。戦力の劣る大洗女子がいきなりのピンチをどう切り抜けるかが見せ所。物量と火力と正攻法で押してくる黒森峰を、みほらしい戦術と機動力で少ない戦力を最大限に発揮できる地点まで移動し敵を待ち構える。まぁ、あらすじに書いてある所が第一段階なわけです。
 「もくもく作戦」「パラリラ作戦」は、まぁ単なる煙幕なんですが、とにかく大洗は早く有利な山上へ行って布陣したいわけです。また戦力を落としたくもないわけで、万が一にも山上へ行くまでに撃破されたくはないので、この煙幕は非常に有効。足の遅いポルシェティーガーもワイヤーを使って他の車輛で坂を引っぱり上げる為にも必要だったわけです。
 私はそれよりも、ここで一番のポイントだったのは、ただ一機単独行動していた38tだと思っている。「いないなー」とは思っていたんですが、小さくて小回りの効くこの車輛が伏兵として攪乱し、撃破できないまでも履帯を壊して敵の進攻遅らす、また後述する山上での戦闘において退路を作った意味はデカイだろう。
 大洗は数的に絶対的に不利なので、戦力を常に集中させるだろうと思っていたので、この38tの伏兵に「みほ、やるなぁ」と唸らされましたよ。きっと私は戦場でみほとやり合ったらコテンパンだ(笑)。
 コテンパンはともかく、山上で布陣してからは有利な地形を活かして2輛撃破するも、重戦車を盾にしてじわじわ包囲してくる黒森峰に押し負けてしまう。
 まぁ展開的にはそうならざるを得ない所なので、ここでの展開に某ないが、この山上での戦闘シーンはすごくロングで引いたカットで山全体と布陣を映すカットがあるんですよね。戦車はコマ粒ほどの黒い点でしか見えませんが、砲撃による砲火と轟音の後にどわーっと土煙が湧き上がり砲撃戦のすごさを物語る。この客観視点は画面的にアクセントになっていて、個人的にはおもしろいカット割りでありました。
 山上での砲撃戦の状況は、劇中でキャラクターの皆さんが語ってくれるので置いておくとして、おもしろいのは押し負けて包囲される前に撤退する段になって、先述した38tが突撃して攪乱する「おちょくり作戦」だ。こちらもどういうことなのかはサンダースのお二人が解説なさってくれるので譲るとして、私がおもしろいというのは、先述した38tの小ささと機動力が伏兵として見事にハマったことなのだ。
 いつのまにか紛れ込んできた38tに気をとられてワタワタしていると、上から大洗の本体がやってきて撃つ。先ほどまでジリ貧だった所を見せていただけに、伏兵38tの登場から黒森峰が見事に攪乱され、みほらしいちまちまとした作戦にまんまとしてやられていることが見ていて実に気持ちが良い。そして隊列が乱れた所で今度は重くて固いポルシェティーガーを先頭にし盾にして突っ込み敵布陣を突っ切る。この小勢が多勢を手玉に取る「してやったり感」がたまらないではないか。
 また、黒森峰が王者の誇りなのだろう西住流の正攻法でくる所を、「みほ」が用意周到・臨機応変に対応して引っ掻き回すことで、みほが大洗に来て見出した「自分達の戦車道」は西住流に勝るとも劣らないと思わせてくれるのが良い。
 ともあれ、ここから大洗は市街地へ向って移動することとなるのだが、川を渡る段になってからが今回の一番のメイン所である。

 川を渡っている最中にうさぎさんチームことM3がエンストしてしまう。ここでモタモタしているとせっかく引き離した黒森峰に追いつかれてしまう。M3を駆る一年生たちは意を決し自分たちを置いて先に行くようみほを促す。しかしM3をこのままにしておいては横転して流されてしまい一年生たちに危険が及ぶかもしれない。
 ここでみほは座ってじっと下を見ているのだ。そして去年の出来事を回想する。崖から落ちて河に落ちた仲間を助けるためフラッグ車の車長でありながら戦列を離れたことを。そしてその結果は、負けてしまった。
 みほがじっと座って回想するこの間。このけっこう長い間が実にじれったく、見ていて「みほ、行きたいんだろ?行けよ。行ってやれよ!」と思わずにはおれんではないか。みほがどうするかは分かりきってはいる。だが分かっているだけに、そしてこれまでを観てみほの想いを知っているだけに、みほが自分の気持ちを素直に行動に表す所を見たいと思わせてくれるのだ。
 しかし状況は昨年よりも逼迫していると言え、負ければ大洗女子学園は廃校になってしまう。みほの、仲間達の大切なものが無くなってしまうのだ。負けてはならないのだから、うさぎさんチームを置いていくことに理はあるが、本当にそれで良いのか?みほがじっと座って何をその時思っていたかを感じられる。だからこそ、ここでみほに「助けに行ってほしい」と思うのだ。
 すると、そんな視聴者の気持ちを代弁するかのように沙織が「行ってあげなよ。こっちは私たちが見るから」と笑顔で言って頷くのだ。その言葉にみほは意を決する。以前の感想でも述べたように、みほは決して類い稀なリーダーシップを発揮してみんなをグイグイと引っぱっていくスーパーヒロインではない。負けたら廃校という決勝戦と仲間の危機を助けたい気持ちの狭間で揺れて、気持ちが立ち往生してしまう普通の女の子だ。そんな彼女の気持ちを友達の沙織がそっと背中を押したのだ。第1話で「誰も私の気持ちなんて考えてくれなくて」と言っていたみほには、今、こうして彼女の気持ちを汲んでくれる友達がいる。
 沙織の言葉に驚くでもない喜ぶでもない表情を見せたみほはこの時なにを思ったであろうか。きっと自分は自分であって良いと思ったのではなかろうか。だからみほは大きく息を吸い込み、優花里に「ワイヤーにロープを!」と意を決した表情で言ったのだ。彼女にもう迷いはない。決勝が始まる前に優花里に言っていたように、みほは「そうしたい」のだから。
 こうしてみほはワイヤーと自分にロープを結びつけ、ルノー・III突を足場にしてエンストしたM3まで飛んでいく。彼女のいないIV号の中では、前進することよりも仲間を助ける事を選んだみほの選択を、みほがみほであったことに頷き合い、そして彼女の戦車道が間違っていないことを勝って証明したいと決意を新たにする。
 みほがM3に到達すると、遠方で土煙が見え黒森峰の接近を知り、仲間達は「隊長を助けるんだ!」と援護射撃を始め、M3ではみほと一年生たちがロープを引っぱりワイヤーをたぐり寄せ引っぱり上げる。すると一年生たちは口々に「隊長!ありがとうございました!」と礼を述べるのであった。
 戦争であったならば、みほは良い隊長ではないのかもしれない。戦車道という武道においても勝ち負けがある以上、必ずしも正しくはないだろう。だがけっして間違ってはいないのだ。プラウダ戦で彼女が言っていたように、これは戦争ではない。勝つことよりも大事なことがあるのだ。そして当たり前の優しさを当たり前にするみほだから、みほは大洗女子戦車道チームの隊長として、またひとりの人間として皆に慕われている。視聴者的にも、これまで見てきた「誰よりも優しいみほ」は、間違いなくその通りであったことがこの上なく心地良い。またそれは大洗女子チームの皆もそうなのだ。
 この決勝戦、きっと勝つであろうことは分かってはいるものの、どうしてもみほたちに「勝ってほしい」と思わせてくれるではないか。見事に主役に感情移入させてくれるのだから、素晴らしいと言わざるを得ない。

 M3もエンジンが再びかかって窮地を脱した大洗女子は市街戦へ持ち込む為に市街地へ向けて移動を開始する。
 個人的にちょっと嬉しかったのは、途中にあった石橋をポルシェティーガーが自重を活かして橋を壊したことだ。橋を壊す理由は言うまでもないので省くが、ちゃんと壊してくれたのを見ては「分かってるなぁ!」と思わざるを得ない。よしよし!といった気分である(笑)。
 さて、市街地についた大洗女子は先行していた黒森峰の斥候III号戦車を発見。今のうちに撃破しようと追いかけるが、逃げた先には史上最大の超重戦車「マウス」が待ち構えていた。その装甲は大洗女子の砲撃を難なくはじき返し、その砲撃は直撃したルノーを簡単にひっくり返す。
 遮蔽物の多い市街地で、足を使って優位に立とうと思っていたであろう大洗女子であるが、ルノーとIII突を失い、またも窮地に追い込まれてしまった。ってところで引っぱった。

 しかしあんな超重戦車を投入されたら、アンティークみたいな大洗の戦車では太刀打ちできませんなぁ。III突はけっこうな至近距離から撃ったというのに、簡単に砲弾が後ろにカキーン!と跳ね返されていたもの。まぁ足はたぶん当然重いであろうから、完全スルーするのもひとつの手だとは思うが、はてさて。(ああ、でもバーチャロンフォースでtetsuoスルーしていると痛い目見るよね……)
 それから斥候のIII号を発見し追いかける件。見ていて「これは囮だ」と私はすぐに勘付いたのだが、みほともあろう者がそこに気付かないとはなぁ。まぁ、彼女のそういうところが、完全無欠のスーパーヒロインしていなくて、逆にみほの人間らしさを感じられて良い。
 あとIII突なんですが、撃破されたんですかね?判定器の白旗上がっていなかったと思うんですが。個人的にはこのIII突は実は生きている、ってのが最終決戦のポイントだったり、などと思っていたりするが、私の予想など当たった試しが無いのできっと違うんだろう(笑)。
 ともあれ、お話としては相変わらずピンチありチャンスあり、そしてまたピンチと展開を楽しませてくれる。そしてしっかりとみほを中心とした大洗女子の厚い友情を見せてくれるんだから言う事ない。
 が、個人的には大洗女子を応援しにきてくれた他の学校の方々が、節々で解説をしてくれるのがちょっと気になってしまった。どうせなら自分で「こういう事なのかな」と想像を働かせたり、「なるほど、こういう事か」と得心を得てニヤニヤしたかった所(笑)。
 マウスの登場までは割とみほの思い通りに進んだが、最終的には5対17(だったっけ?)だから圧倒的不利なのは変わらない。これをひっくり返すにはもうフラッグ車の撃破しか手はないが、みほの姉まほが容易にそんなことをさせてくれるとは思えない。しかしそこは、みほの戦術と腕、かな?
 初めての対外試合と同様に市街戦に持ち込んだ大洗女子が、この圧倒的不利な状況からどう勝利を得るか。そしてこの物語をどう締めるか。次回最終回を楽しみにしたい。


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