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青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

瑞穂の国を行く

2018年06月13日 17時00分00秒 | 只見線

(磐梯遥か@蓋沼森林公園展望台より)

郷戸から広域農道を抜け、会津盆地に戻って来ました。向かうは盆地を俯瞰する蓋沼森林公園の展望台。会津盆地を囲む山の中腹にある展望台からは、豊饒な瑞穂の国たるニッポンの田園風景を見る事が出来ます。遠く磐梯山を見晴るかす…はずなのですが、この日はかなり霞み気味。しかしながら、麓に広がる会津盆地の田園風景は期待に違わず美しく、水が張られた田んぼが見事なパッチワーク。ただ、もうちょっと見通しが効くのかなと思ったのですが、磐梯方面は意外に手前に森が被るのですね。昔と比べて木が伸びているという事なんでしょうか。


色々と構図を練ったものの、磐梯山アングルはちょい撮りにくいので、足元を狙います。大川の堤防の向こうに広がる若松の市街。眼下に広がるのは、田んぼの条里制ともいうべきシンメトリーの世界。ここからの俯瞰は光線的には午後の方がよく、もう少し遅い時間であればもっと光線が寝て来ていい感じの写真が撮れるのかもしれません。が、一応公園のゲートは17:00に閉鎖しますと書いてあるので、その後の立ち入りはどんなもんなんですかね。


列車は会津平の田園地帯を抜け、会津高田の街へ。田んぼの海に浮かび上がるように連なる家並みは、島のようにも見えまず。現在は会津高田町は周辺の町村と合併して会津美里町を名乗りますが、まさに美里の名に相応しい風景です。ここから見ると、会津盆地の南側を周遊するようにぐるりと回って行く只見線の線形が実に良く分かりますね。これだけの風景が保たれているのも、農家の方々が一つ一つの田んぼをしっかり管理しているからこそ。休耕田がほぼない、というのが素晴らしい。

食糧生産だけでなく、景観の保持者としての農家の方々の働きにも感謝です。
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美麗的風景、超国境

2018年06月12日 17時00分00秒 | 只見線

(水際に浮かぶ@会津中川~会津川口間)

只見川に突き出た大志の集落を後に、灌木と水辺の間を緩やかにカーブしていく428D。もう会津川口は指呼の間。そういえば、いつの間にかこのアングルの国道沿いに展望台が出来て、とても撮影がしやすくなっていました。R252はドライブルートとしても非常に素晴らしい道で、何回もドライブしているけど飽きる事はないですね。今回は六十里越を通らなかったんだけど、今度来るときは久々に新潟側から入ってみようかな。


午後の薄日にゆっくりと時が流れる会津川口の駅。この水辺の駅は、列車の駅と言うよりも何となく船着き場と言うか…只見川を周遊しているヒトやモノたちの集積する港のような、そんな雰囲気を感じます。この日は平日だったんでそこそこ人の流れがありましたが、駅に来る人よりは併設された農協でお金を出し入れしている人が圧倒的に多かったのはご愛敬。まあヒト、モノが集まればカネとなるのは経済の流れとしては自明の理である。


会津川口の駅は金山町の観光案内所も兼ねていて、只見線の立派なパンフレットが置かれていた。置かれていた、のだが、日本語版がなくて中国語版と英語版…?聞けば、最近はジャパンツーリズムの一つとして、日本の原風景のような奥会津の景色と、風光明媚な只見線の沿線風景はインバウンド需要が急上昇しているそうだ。


沼沢湖を抜けて、返しの430Dを宮下ダムの旧道から。さっきは天狗岩のスノーシェッドから覗き込んでいた辺りです。森の嵐気と、只見グリーンと言えばいいのか、神秘的な色を湛える水面。連続するロックシェッドを抜けて来るこの感じ、いかにも幽谷の趣があります。


天狗岩では降っていた驟雨も上がり、午後の遅い日差しが三島谷に差し込んで来た。短編成のキハが眩しいほどの緑に囲まれて、宮下ダムの湖面も輝きます。四季折々に美しい景観を見せる只見線の車窓風景ですが、海外勢でも特に中国・台湾・香港からの観光客に人気となっているようです。中華圏のツィッターで只見線の雪景色が紹介されたものが拡散されたらしく、特にネイチャー系に関心のある向きがフツーに一眼担ぎーの、スノーシュー履きーので真冬の一橋俯瞰に臨んだりするようになったそうな。日本勢顔負けやん(笑)。

川口の駅に置いてあった中国版のパンフレットには、「誠激悠加入只見線之旅、邂逅未曾發學的風景」とあります。「只見線の旅に行くと見た事もないような風景に会えますよ」みたいな意味なのかな。外国人に大人気の日光、そして会津西街道から戊辰戦争白虎隊の歴史の街会津若松、そしてもういっちょ足を伸ばして只見線沿線まで、どこまでインバウンド需要を引っ張り込めるか。AIZUマウントエクスプレスが会津川口辺りまで乗り入れれば面白いかもしれないね。昔の名鉄北アルプスの立山直通みたいに。
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驟雨

2018年06月11日 17時00分00秒 | 只見線

(カメレオン・グリーン@会津宮下~早戸間)

濃厚な緑のカラーリングを纏った只見ユネスコエコパークラッピング。圧倒的な緑に支配された深緑の三島谷、只見川も森の色が溶け出したかのような濃厚な緑色をしている。天狗岩のスノーシェッドから睥睨する目くるめくビリジアンの世界、水面と森の境目をヘつりながら走る列車が、その姿を緑に隠して。


午前中は青空が広がっていた奥会津、午後になってにわかに空が掻き曇り、降り出した驟雨が水鏡を乱します。朝とは全く違う表情を見せるしっとりとした第三橋梁の景色、これも三島谷の顔の一つ。この静謐な三島谷の雰囲気を壊さぬように、ゆっくりと宮下ダムを渡り、滝原のトンネルに向かう427D。鞭聲粛々…から始まる頼山陽の詩を思い出してしまいそうな、そんなシチュエーション。ラッピング車両も、しっかり奥会津の風景に溶け込んでいるように思えます。
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邪険にされたラッピング

2018年06月10日 17時00分00秒 | 只見線

(ネタモノ、ジャマモノ、評価は色々…@会津坂本~会津柳津間)

柳津であわまんじゅうのオヤツをいただいて、朝も撮った八坂野の踏切周りで午後の427D。おや、この列車は先頭にラッピング車両が付いてきました。「只見ユネスコエコパーク」のラッピング車両。若松にいるキハ40は只見線と磐越西線の共通運用なので、朝は磐越西線の方に行っていたのかな。磐越西線でも朝の輸送力列車に使われていて、西会津町の中心地である野沢駅から会津若松までを3連で運用し、1両外して昼過ぎからは2連で只見線の運用に就いているそうです。


この日は空模様は晴れたり曇ったり。梅雨の入り口…という感じの雰囲気。ラッピング&東北色が早苗の八坂野を行く。ちなみに朝の一橋の水鏡狙いで一緒になった地元氏が「ラッピングが入ってたらやだなあ…」みたいな事を言ってまして、どうやら正調の東北色キハ40こそ只見線!という原理主義的な向きには邪魔者扱いされているようです。気になって界隈の声を拾ってみたんだけど、「沿線の美しい風景に合わない」とか「雰囲気を壊す」とか「これが来たらハズレ」とかひどい言われようで、何だかかわいそうになって来た。まあ、確かに朝の4連狙いで1両だけこれが入ってたら編成美を乱すのかもしれないけど、この濃い緑色、別に悪くないと思いますけどねえ。

よく考えたら、ある意味編成美を乱しまくってる飯山色のキハ110なんかを「125D先頭きたああああ!」みたいに喜んで撮っている人間なんですよね私(笑)。個人的にもこーゆー派手な感じ嫌いじゃないですよ。ミャンマーに行っちゃったキハ40とか現地でこんな感じに塗られてるらしいしね。あくまでバリエーションの一つとして楽しめば良いのではないでしょうか…
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粟に託して願いごと

2018年06月09日 17時00分00秒 | 只見線

(静かな昼下がり@会津川口駅遠景)

1日6往復の列車が発着する会津川口駅。設定は朝夕が中心になっていて、昼間に川口を出る列車は12:30頃のこの428Dだけ。只見線のダイヤの中ではかなりの古株列車で、朝晩はちょこちょこダイヤの改正はあるものの、この会津川口12:30頃発の列車はずーっと変わらないようです。昼下がりの静かな会津川口、車内に人影は疎ら。


どこで撮ろうかな…とゆるゆると流しながら、早戸手前の高倉にあるアーチ橋で。ここは俯瞰でやるのが定番みたいですけど、ヤマに登っている暇もないので接近戦。3両くらいがバランスがいいのかな。森が迫る枯れた沢筋に架かるアーチをゆっくりと。


宮下手前から対岸に渡って第二橋梁。第二橋梁の構図ってどう取ったらいいのか悩みますなあ。ある意味只見川の鉄橋群の中では一番フツーの鉄橋なんで画にしにくい。水鏡でもなく、川霧がある訳でもなく、光もないし、ただ撮影しただけになってしまった…。逆サイドに回って歳時記橋の方から撮影した方が良かったかもしれない。


何となく追っ掛けて行くのにも飽きて、柳津名物のあわまんじゅうを食べながら一息。平日にもかかわらず、人の切れ目なくお客さんが買いに来る柳津名物。たまに福島の物産展なんかやってると都内のデパートでも買えたりするけど、やっぱ店でジカに買って食うのが一番美味い。家族の土産用とその場で食う用をオーダー。柳津と言えば虚空蔵さんとあわまんじゅうだよね。甘さ控えめのこしあんに、ザラザラブチブチとした粟の食感が美味しい逸品。


「今からおよそ170年前、日本三大虚空蔵尊の一つ福満虚空蔵尊のその界わいが大火災にあって、当時の喝巌和尚が2度と災難に「アワ」ないようにとの饅頭をつくり信者一般に御護符として配ったものが以来、柳津の名物となったと言われています。(小池菓子舗HPより)」

災難除けのご利益もあるあわまんじゅう。福島も、奥会津も、只見線も、もう二度と災害にアワないように…
願いを込めて、最後の一口をいただきます。
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