青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

神様がくれたひととき

2019年02月26日 17時00分00秒 | 弘南鉄道

(カモン!ラッセル!@鯖石~石川プール前間)

大鰐駅でED221のパン上げと出区準備を確認したとあらば、その次に考えなければならないのが、運行されるラッセルをどこで撮ろうかということ。キ105の魅力と言えば、やっぱり鉄仮面の如き前面のフランジャーで豪快に雪を弾き飛ばしていくシーン。そーいうのが撮りたいね!となれば、線路に近付いてカブリツキを撮りたくなるところではある。ただ、跳ねた雪が当たるほど線路に寄っては危険だし、そもそも作業の邪魔。たかだか趣味ごときで現業に迷惑をかけるのは愚の骨頂だからな…と思いを巡らせた結果、ほどよく立ち位置の取れそうな石川プール前駅の南側で構える事にしました。


石川プール前駅から、線路に沿って鯖石方面へ真っ直ぐ伸びる道があって、その途中までは除雪が入っているのをさっき確認していたんだよね。これならどん詰まりまでクルマを入れてしまえば邪魔にもならんかな。その先にもリンゴ畑の中を伸びる道があるのだけれど、除雪が入ってないし農道沿いにある雪の下の用水路でも踏み抜いてしまったら嫌なので、除雪が入っている位置ギリギリまで入って座を構えることにしました。足元の雪をよーく踏み固めてアングル調整、(おそらく)ラッセルの前走りであろう大鰐発8:50の11列車。積もった雪がスノープロウに当たって、なかなか良い雪の飛ばしっぷり。


中央弘前9:00発の12列車。大鰐8:50発の11列車と続行で走るのか…と思わせて待っていましたが、結果としては12列車が大鰐駅に到着した後、9時半ごろにラッセルは大鰐駅を発車した様子です。リンゴ畑の雪原に目を凝らして待っていると、おそらく鯖石の駅で構内除雪をしているのだろうか、入替の汽笛が聞こえてきます。

 

鯖石から石川プール前駅までは一直線。遠くからキ105のライトの灯りと、フランジャーが雪を飛ばすシャー!という音がだんだん大きくなって来て、思わずシャッターに触れる指先に力がこもる。駅の向こうの踏切がラッセルの接近を告げるとまもなく、雪に覆われた路面を鉋で削り出すように、薄氷を巻き立てて迫りくるオールドコンビが、ファインダーの中に飛び込んで来た。鋭角なフロントマスクが描くV字のシュプール!ヤバい!美しい!カッコいい!来て良かったぁ!!(歓喜)。


あわよくば、見れたらいいね、ラッセルを。そんな程度で決めた冬の津軽行き。津軽鉄道のストーブ列車とは違って、天気と積雪とダイヤがかみ合って、初めて拝めるとびっきりのプレミアムトレイン。初訪問の一発目でラッセルに遭遇出来るとは正直思ってなかったんだけどさ。まさかお目にかかれるとはねえ。とりあえず撮り鉄の神様がいらっしゃるとしたら、青森土産のお茶菓子でも持ってご訪問させていたいた上で、深く深く感謝を申し上げたい次第なのであった(笑)。
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