青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

持続する 可能性がなきゃ ダメですか。

2022年11月08日 22時00分00秒 | 富山地方鉄道

(秋の夜風に吹かれて@経田駅)

地鉄の駅舎、どこでバルブしようかと考えて、あまり夜に撮影した事のない経田の駅に来てみました。黒部鉄道が線路を伸ばしていた、元石田港駅を移築した現駅舎。富山の鉄道の歴史を紡ぐ静かな語り部とも言える端正な駅舎は、夜の帳の中で静かに来る人を待っています。

地鉄の古い駅舎の雰囲気は、大きな全線の時刻表とその他雑多な掲示物、そしてかつての出札口が板で打ち付けられて塞がれているところが共通しているように思う。今や有人駅が数えるほどとなってしまった地鉄の各駅。設備だけが大事に残されている事がせめてもの救いか。出札口脇に残る「定期券拝見」の青札。この駅がいつから無人化されたのかは定かではないが、勿論、拝見する駅員氏がいた時代のものだろう。

秋の夜、糸を引くように滑り込んで来た60形電鉄富山行き。こんな夜更けに珍しく、近くのお家でパーティーでもあったのだろうか、陽気な酔客のご婦人が二人電車に乗って行った。自分で運転出来ないシチュエーションでもない限り、電車など乗らないのが地方の暮らしという現実は、ご婦人二人が電車が着いて前のドアしか開かない事に慌てていたのを見れば分かる。持続可能性という言葉がもてはやされる時代、それは裏返せば持続可能性の見込めないものは淘汰しますって事ですが、地方私鉄にどこまでの持続可能性があるのやら。一個人としてはそこの可能性を僅かでも増やしたく、線路の脇をのたくるのみなんでありますが。


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