無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

自然菜園の畝立て(テコ入れ)

2014-03-31 00:37:53 | 自然菜園の技術 応用
本日、の予報。


雑誌の取材用に、自然菜園の標準的な畝立てをしました。

標準的と書いたのは、地域風土に合わせて畝の高さや使う資材を応用した欲しいからです。

100㎡以下の自然菜園では、畝間100cm。通路50cmが野菜が育てやすく、南北に畝を立てます。


今回は、自然にしておくとツユクサが生えるが、ハコベは生えて来ないステージ2の菜園で、
火山灰土でリン酸欠乏の傾向が強い場所でしたので、

※ステージに関しては、拙著『これならできる!自然菜園』(農文協)p26~35をご参照ください。

ステージ3の野菜でも育つように、畝立ての際に1㎡当たり、完熟堆肥2ℓ、クン炭1ℓ、米ぬか300gを補うことにしました。
完熟堆肥は、菜園の微生物。クン炭は、微生物の住処として、米ぬかはエサとして、最初から野菜と草と、生き物が共存できるきっかけになるようテコ入れします。

このテコ入れは、最初で最後になるためには、今後の菜園の野良仕事がカギになります。




完熟堆肥、クン炭、米ぬかの順に畝の上に撒き、




レーキなどで、表層5cmの土と馴染ませます。




このままですと、土が乾いてしまったり、春の風で飛ばされてしまいますので、鍬の背や板などでしっかり鎮圧しておくことが大切です。


次は、通路の中央に播く、緑肥mixです。

自然菜園にした当初から野菜と草、虫が共存しやすいかというとそうでもないので、緑肥作物を導入します。

緑肥mixは、播く時期、地域風土、用途に応じて数種類の緑肥作物を混ぜたものです。

市民農園など貸農園の場合、緑肥作物は一年草のみにしておくと後で使う人がびっくりしません。




通路の中央に12cm程度の幅の浅い溝を掘り、緑肥mixを播いて、土を被せ鎮圧します。

緑肥mixは今後一切踏まずに、跨ぎながら草マルチの材料などに利用していきます。




自然菜園の変わった導入方法に、畝にハコベを移植する方法があります。

ハコベが生えるような場所は、なぜか野菜もよく育つものです。
ハコベを移植することで、野菜が育ちやすくなる場を整えます。


自然菜園にとって、畝立ては最初で最後の耕起になるかもしれません。
今後は、耕さずに同じ畝を再利用していきます。

畝立て、テコ入れ、緑肥mixはあくまで自然菜園を軌道に乗せるきっかけに過ぎず、これらを導入すれば菜園がどんどん良くなるのではなく、
このきっかけで生まれる自然環境や流れをさらに栽培することで軌道に乗せ、3年目くらいから野菜が自然に育つ環境に導きます。

自然に野菜が育つ家庭菜園だから、自然菜園。
実は、野菜が育たないのも自然ならではです。草と野菜は異なり、自然に育つためにちょっとした工夫や自然の理に沿った栽培が必要になってきます。

草が育ち、虫が調和してはじめて自然に育つ野菜たち。そのきっかけになるのが畝立てです。

本当は、去年の秋に畝立てして、生えていた草を畝の上に敷いておくと春までにもっと自然な畝になるのですが、今回は春から始めるやり方をご紹介しました。

種まきや植え付けの最低1か月前までに畝立てやテコ入れ、緑肥mixを行っておくことが大切です。
自然に育てる場合には、自然の流れに沿って、時間(季節)が大切になってきます。
コメント (7)
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