映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

シャドー・ダンサー

2013年08月25日 | 映画(さ行)
もう一人の密告者



* * * * * * * * * *

1993年北アイルランド。
コレット(アンドレア・ライズボロー)は
IRA(アイルランド共和軍)のメンバーとして活動をしていました。
彼女は幼いころ自分のせいで弟を死なせてしまうということがあり、
おそらくそのことがきっかけとして、
この一家がこの活動に足を踏み入れたことが伺えます。
ロンドンの地下鉄駅爆破未遂でコレットは捕まってしまうのですが、
MI5の捜査官マック(クライブ・オーウェン)から、
このまま25年間投獄されるか、
IRAの動向を知らせる密告者となるかどうかの選択を迫られます。

まだ幼い息子が気がかりで、彼女は密告者の道を選びますが・・・。



はじめから幾人にしか知らされない秘密を漏らしてしまったら、
自分が疑われるのは必至です。
だから非常に危険な任務ですね。
そういう重圧を受けながら、必死で息子を守り生きようとする女の芯の強さを、
アンドレア・ライズボローが好演しています。



しかし、実はコードネーム「シャドー・ダンサー」という、
マックにも知らされていないもう一人の密告者がいた・・・!!

このことが思いがけないラストに私達を導きます。
長く相容れずにいた北アイルランドと英国。
愛の力ではのりこえられないのか・・・苦い思いが広がるのですが、
安易なハッピーエンドでは得られない残像が
心に焼き付きました。
特に派手なアクションなどはなく、とつとつと語るような作品ですが、
見応えのある良い作品です。



ところで、MI6はわかるけれど、MI5って、どう違うの?
というのが無知な私の疑問でした。
その答えは本作のオフィシャルサイトにありました。
つまりMI6は英国の海外の情報局。
MI5は英国内の情報局とのこと。
勉強になります!

シャドー・ダンサー [DVD]
クライブ・オーウェン,アンドレア・ライズブロー,ジリアン・アンダーソン,エイダン・ギレン,ブリッド・ブレナン
東宝


「シャドー・ダンサー」
2011年/アイルランド・イギリス/101分
監督:ジェームズ・マーシュ
原作:トム・ブラッドビー「哀しみの密告者」
出演:アンドレア・ライズボロー、クライブ・オーウェン、ジリアン・アンダーソン、エイダン・ギレン、ドーナル・グリーソン

サスペンス度★★★★☆
歴史の重み度★★★★☆
満足度★★★★☆


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