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羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)ぼくが選ぶ未来

2022年02月07日 | 映画(ら行)

妖精たちと人間との確執

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本作、元は中国で配信されたWEBアニメとのこと。
それを劇場版としたものです。

まずは冒頭から登場するおメメの大きな黒猫、
シャオヘイのかわいらしさに魅了されてしまいました。

シャオヘイは美しい森の中に暮らす妖精で、
時には人や大きな化け猫の姿になったりすることもできます。
一人、平和に暮らしていたシャオヘイですが、
ある日、森を人間たちが開発しはじめ、住む場所を失ってしまいます。
やむなく都会の片隅をさまようシャオヘイ。
そこへ現れたのが同じく妖精のフーシーたち。
彼ら妖精だけの住む小さな島に案内してくれて、
ここで一緒に暮らそうと言ってくれます。

ところが、そこに敵対するムゲンが現れます。
ムゲンは人間なのですが、修行で様々な技を身につけていて、かなり妖精に近い存在です。

フーシーたちはシャオヘイを置いて去ってしまい、
残されたムゲンとシャオヘイは二人きりで小さな筏に乗り、大陸の街を目指すことに。

せっかく見つけた安住の地を乱したムゲンをシャオヘイは嫌って反発しますが、
とても力ではかないません。
しかしムゲンは驚くべき包容力でシャオヘイに妖術を教えたりします・・・。

実はこの妖精の世界、人間と共存していこうとするものたちと、
人間に反発し滅ぼしてしまおうとするものたちが真二つに分かれ、
争いが起きているのでした。
フーシーが反発派、ムゲンが共存派のそれぞれのリーダーだったのです。

シャオヘイは、ムゲンのやさしさに触れ、次第に人間嫌いの気持ちも変わっていきます。
実はムゲンは街に行こうと思えばすぐにでも帰り着ける力を持っていたのですが、
ここでゆっくりシャオヘイと向かい合いたいと思ったのですね。
というのも、どうもシャオヘイには底知れない力が眠っているようなので・・・。

そしてたどり着いた都会は紛れもなく現代。
高層ビル、地下鉄、スマホに見入る人々・・・。
そんな中で繰り広げられるバトルもステキに表現されています。

所々、ジブリっぽいシーンがあったのは、
マネというよりはオマージュというべきでありましょう。

ユーモアも満載で、たっぷり楽しめました。

 

<WOWOW視聴にて>

「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)ぼくが選ぶ未来」

2019年/中国/101分

監督・脚本:MTJJ

出演(日本語吹替版・声):花澤香菜、宮野真守、櫻井孝宏、斉藤壮馬

 

ファンタジー度★★★★☆

キャラクター造形度★★★★★

満足度★★★★☆

 



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