唯一の宿敵であり理解者との対決
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本作は私、2002年公開時に見たのですが、
例によって内容はほとんど覚えていませんでした。
当ブログ開始以前なので記録もありません。
この8月からSnow Manの岩本照さんが出演する舞台「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」が公開されるので、
やにわに興味が湧き、もう一度見ることに。
実在の詐欺師、フランク・アバグネイルをモデルとしています。
1960年代、高校生のフランク(レオナルド・ディカプリオ)は、
両親の離婚をきっかけに家を飛び出し、生活のため小切手詐欺に手を染めます。
が、なかなかそう簡単ではありません。
そうこうするうちに、人々から賞賛の目を向けられるパイロットになりすませば
簡単に人をだませることに気づきます。
パイロットの服装で各地を飛び回りながら、小切手の偽造を繰り返し、
次第に巨額を得ることができるようになっていきます。
一方、FBIのベテラン捜査官ハンラティ(トム・ハンクス)が捜査に乗り出し、
フランクを追い詰めていきます。
フランクはパイロットばかりでなく、時には医師にまでなりすまします。
実際相当頭が良いのでしょうね。
パイロットとして飛行機の操縦をするわけではありませんが、
医師であれば時には患者を診なければならないこともあって、
いくら何でもそれはヤバい・・・。
かなり上の立場になりすましていたので、
大抵は部下を使うことでやり過ごしていたようです・・・。
そんなフランクを、ハンラティはかなりのところまで追い詰めながら、
取り逃がすということが何度か繰り返されます。
まさに、「つかまえられるもんなら、つかまえてごらん」というわけですね。
フランクの身の軽さというよりは、やはり機転の良さなのでしょう。
しかしなぜか、クリスマスのたびに彼らは電話などで直接会話を交わすことになる。
まるでライバル同士が互いの消息を確かめ合うかのように・・・。
なんとも洒落た演出です。
フランクは自分の父親をとても敬愛していて、
そんな父親が事業に失敗したり母親と離婚したりするのに、
かなりダメージを受けたようでもあります。
なにしろ彼は、詐欺を始めたときもその後捕まったときでさえも、まだ未成年なんですよ。
そんな彼の心の幼さとたぐいまれな頭脳とのアンバランス、
そして孤独こそが彼の問題なのでしょう。
ともあれFBIが大勢張り込んでいる空港からの脱出の手口とか、
ハンラティに確保され、移送される飛行機のトイレからの脱出の手口は、
もう、お見事としかいいようがありません。
そして彼のその後のことも興味深いところ。
文句なしに楽しめる作品でありました。
そりゃ、スティーブン・スピルバーグ監督で、
レオナルド・ディカプリオにトム・ハンクス。
これで面白くないわけがないですよね。
20年以上前の作品。
レオ様、若い!!
<Amazon prime videoにて>
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
2002年/アメリカ/141分
監督:スティーブン・スピルバーグ
原作:フランク・W・アバグネイル、スタン・レディング
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォーケン、
マーティン・シーン、ナタリー・バイ、エイミー・アダムス
スリル度★★★★☆
満足度★★★★★