映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

デトロイト

2019年02月05日 | 映画(た行)

藪の中

* * * * * * * * * *

1967年に米国であった実話を基にしています。
黒人たちの不満が爆発して起こったデトロイト暴動。
街はさながら戦場のようになって混乱しています。
そんな最中、アルジェ・モーテルの一室から銃声が響きます。
近辺の警備にあたっていた市警や州兵は狙撃を受けたとみなし、モーテルに突入。
数名の警官が捜査手順を無視し、宿泊客(主に黒人)を誰彼構わず自白を強要する
不当な強制尋問を開始します。

突入の際、逃げようとした一人を射殺。
そしてまた尋問するうちに2名を射殺。
銃を持たない無抵抗の者を射殺・・・。
そんな馬鹿な・・・・、と暗澹とした気持ちになるのですが、
後の裁判では・・・。

さすがに「ハート・ロッカー」や「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー監督。
強制尋問の数十分のシーンの緊迫感が半端ではありません。
私が好きなウィル・ポールターが、主犯(?)的な差別主義者のどうにもいけ好かない警官役。
いやいや、これも存在感ありまくりでしたが・・・。
理不尽な人種差別そのものの出来事と、その上の裁判判決に憤りを禁じえません。



本作は様々な関係者の証言を基に作られているそうです。
だから本作に描かれていたあの場面が真実なのかといえば、
もしかしたらそうではないのかもしれない・・・。
誰もが自分に都合の良い話をする。
真実は一体どこにあるのか・・・、まさに藪の中。
そんなうそ寒い気持ちにもさせられます。
なんにしても割り切れない思いの渦に放り込まれたような気になる、力作。





デトロイト [DVD]
ジョン・ボイエガ
バップ

<WOWOW視聴にて>
「デトロイト」
2017年/アメリカ/142分
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、アルジー・スミス、ジェイコブ・ラティモア
歴史発掘度★★★★★
理不尽度★★★★★
満足度★★★★☆



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