映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

アオラレ

2022年01月09日 | 映画(あ行)

落ち着いて、マナーを守って・・・

* * * * * * * * * * * *

題名の通り、あおり運転をされる受難の物語・・・ですが、それだけではありません。
まず本作での一番の驚きは、あの名優、ラッセル・クロウが
とんでもなく凶暴でクレイジーなサイコ野郎を演じるというところ・・・。
これは恐いですよ・・・。

寝坊して慌てて息子を学校へ送り、そのまま職場へ向かおうとしている
美容師・レイチェル(カレン・ピストリアス)。
道路渋滞で焦りまくっています。
あるところで、信号待ちで止まるのですが、信号が青になっても
前の車は一向に発進しようとしません。
クラクションを派手に鳴らしても動かないので、
レイチェルは無理矢理追い越して進みます。
すると、その車が追いかけてきて、運転する男(ラッセル・クロウ)が言う。
「運転マナーがなっていない」と。

苛立っていて謝る気持ちもないレイチェルは、
いやがらせにあおり運転をするその車を振り切って、息子を無事学校に送り届けます。
そしてその後、ガソリンスタンドに寄って買い物をしていると、
さっきの男につけられていることに気がつきます。

レイチェルに手助けしようと、男に忠告をしようとした人はあっけなく男の車に跳ね飛ばされ、
いよいよ男とレイチェルの攻防戦が始まるのです・・・。

この男、クレイジーなくせに意外と頭が良いのが、なお恐いところ。
レイチェルが買い物をしている間に、
彼女のスマホと自分のモノを入れ替えてしまうのです。
面倒だからとロックもしていなかったレイチェルのスマホで、
男は易々と彼女の家族や交友関係、息子の学校などを知ってしまう。
彼女のスマホを使って自分のケータイを持っているレイチェルに電話してくるというあたり、
なんともイヤラシイ残忍さが垣間見えます・・・。
そしてレイチェルを「後悔」させるために、
彼女本人ではなく家族や知り合いを殺そうとするのです。
事態はカーチェイスだけではなく、その外の世界にまで広がっていきます。
警察に通報しても警察の動きは後手後手。
結局この巨体の凶暴な男に、女子供で立ち向かわなければならない・・・。

しかしまあ、子供を護ろうとする母は強いものですけどね。

90分というやや短い尺の中、展開はスピーディで恐怖がぎゅっと凝縮されている。
昨今どこで人の恨みを買うか分からない。
まことに空恐ろしい物語。

<WOWOW視聴にて>

「アオラレ」

2020年/アメリカ/90分

監督:デリック・ボルテ

出演:ラッセル・クロウ、カレン・ピストリアス、ガブリエル・ベイトマン、ジミ・シンプソン

 

理不尽な殺戮度★★★★★

満足度★★★★☆

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿