消えた一日の謎
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2020年、台湾制作の「1秒先の彼女」をリメイクしたもの。
その「1秒先の彼女」は私も見ていまして、大変面白く拝見しました。
その時に、日本でリメイク版を制作していると聞き、
余計なことをするなあ・・・などと思ったのでしたが、
いやいや、主演が岡田将生さんと清原果耶さん、脚本が宮藤官九郎さんとなれば、
見ないわけには行きません。
郵便局の窓口で働くハジメ(岡田将生)は、何をするにも人よりワンテンポ速いのです。
そんな彼が、路上ミュージシャンの桜子(福室莉音)に出会い恋に落ちます。
必死のアプローチの末、やっと花火大会デートの約束を取り付けました。
ところが、目が覚めるとなぜかその次の日になっていたのです。
つまり、大事な日が一日消えてしまった・・・!
本作はその、消えた一日をめぐるラブストーリー。
ということで、ハジメと桜子の物語と思いきや、実はそうではありません。
ハジメの勤める郵便局になぜか毎日やって来て切手を一枚ずつ買っていく、
人よりワンテンポ遅いレイカ(清原果耶)。
彼女がハジメの消えた一日の鍵を握っているのです。
そして視点は、ハジメからレイカへ移ります。
彼女はその日突然、周囲の人々がみな動きを止めていることに気づきます。
・・・一体なぜ???
ハジメとレイカの関係性がなんとも嬉しい作品。
台湾版とは、男女のキャラクター設定が逆転しているのですが、全く違和感はありません。
はじめからこうであったかのように馴染んでいます。
舞台は京都。
岡田将生さんの発する京都弁もステキです。
重要な位置を占めるバスの運転手さんが荒川良々さん。
これがまたいい味出してますねえ。
また、台湾版ではその日は「七夕バレンタインデー」という地域色にあふれたモノでしたが、
こちらでは「花火大会の日」になっています。
エピソードの一つとして、花火師が試しに昼間に一発だけ花火を上げてみる、
というのがあるのですが、これが後に素晴らしい効果を上げているのです。
ナイスです。
これはリメイク成功でした!!
台湾版はこちら →「1秒先の彼女」
<シネマフロンティアにて>
「1秒先の彼」
2023年/日本/119分
監督:山下敦弘
原作:チェン・ユーシュン
脚本:宮藤官九郎
出演:岡田将生、清原果耶、福室莉音、荒川良々、加藤雅也、柊木陽太、加藤柚凪
消えた一日の謎度★★★★★
ラブコメ度★★★★☆
満足度★★★★☆
オリジナル版は未見でしたが、
これはこれで楽しむことが出来ました~♪
山下監督・クドカン脚本の割には、
少しゆるゆるな感じがしましたが、
ほのぼのした映画に仕上がっていましたね。
あの私書箱については少し疑問は残るのですが(笑)