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「俳句、やめられません 季節の言葉と暮らす幸せ」岸本葉子 

2018年09月24日 | 本(解説)

ハードル上がった・・・

俳句、やめられません: 季節の言葉と暮らす幸せ
岸本 葉子
小学館

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人気エッセイスト・岸本葉子さんによる「実践的な俳句入門」ともいえるエッセイです。
趣味として俳句をはじめた岸本さんがすっかり夢中になって10年、
現在ではテレビ番組「NHK俳句」(毎週日曜)の司会を務め、
句会にも毎月参加するなど、俳句が日常の一部になっています。
そんな岸本さんがプロの俳人とは異なる視点から、親しみやすくやさしい語り口で俳句の世界を案内し、
趣味を持つことの豊かさを伝えます。
句を作る過程で気づいた季語の奥深さ、おもしろさ、句会の楽しさ・・・。
一生かけて追求したくなる俳句の魅力を、失敗談も交えながら実体験をもとに綴ります。

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私、俳句には少なからず興味があって、時々こんな本も読みます。
この本の著者はエッセイストで、趣味として始めた俳句にすっかりはまって、
今では「NHK俳句」(毎週日曜)の司会を務めている・・・と。
それなので、この本を読むと彼女の俳句愛がひしひしと伝わってきます。

まずは「季語」のことで、多くのページが割かれています。
もちろん、季語が入っていなくては俳句ではなくなってしまうので当然ではあります。
しかし、著者は
「季語」がよくわからず面倒だから俳句がとっつきにくいと一般には思われている、
と考えているようです。
そうだったんですか・・・?
と私は思ってしまった。
私は、移りゆく季節や季節に連れての身の回りの変化を詠めば、
季語はあとからついてくるものだと思っていました・・・。
だから、ここまでの「季語」についての著者の言及が過剰と思えたのですが・・・。
まあ確かに、季語にはこれまで私の知らない美しい表現が沢山ありますので、
歳時記が大切なことはもちろんです。
でも、著者がここまで言うのは句会のことがあるからなんですね。
「季語」が「兼題」とか「席題」という形で提示されて、
それを用いた句を作らなければならない。
そういう入り方をすれば、まず「季語」の勉強をしなければならない、ということです。
私の認識が全く甘いということがよくわかりました。


それでこの「句会」では、宿題のように、
当日までに句を何句か作らなければならなかったり、
当日いきなり題を提示されて作らなければならなかったり・・・。
そしてそれを皆で評するのです。
完全に匿名性を持って行われるのはいいのですが、
句についての評を口にしなければならないなど・・・。
著者はプレッシャーではあるけれど楽しいとおっしゃいますが・・・
いやいやいや、私にはムリと思うばかり。
正直、この本を読んで私の俳句へのハードルがものすご~く上がってしまった気がします・・・。


私には、名句の鑑賞本のほうが良かったかな・・・。


図書館蔵書にて
「俳句、やめられません 季節の言葉と暮らす幸せ」岸本葉子 小学館
満足度★★☆☆☆



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