映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

エリザベス 女王陛下の微笑み

2022年07月18日 | 映画(あ行)

在位70周年のエリザベス女王

* * * * * * * * * * * *

2022年で、96歳、在位70周年となる、
英国エリザベス女王の長編ドキュメンタリー。

2020年、ロジャー・ミッシェル監督が、
こんなコロナ禍の時代だからこそ作れる作品があるのではないか
と考えたのがきっかけだそうです。

1930年代~2020年代のアーカイブ映像からエリザベス2世の足跡をたどり、
これまであまり見られなかった女王の素顔にも迫ります。

ところが、当監督が21年9月に急逝。
そう考えると、96歳でまだまだお元気なエリザベス女王の
生命力に感嘆してしまいます・・・。

エリザベス女王が即位したのは1952年2月6日。
通常のドキュメンタリーならそのあたりを起点として、
年代順に女王の姿を追っていくのでしょうけれど、本作、時系列はバラバラです。
様々なテーマに沿った映像が、
年代は無視して組み込まれています。
直接的には関係ないのだけれど、有名人が写っていたりもするので、
それもちょっと楽しめます。

それでも主な出来事を拾ってみると、

1981年、パレードで襲撃未遂事件。
(一個人がパレード中の女王めがけて銃撃するも空砲で大事に至らず
・・・どこでもこういうことは起こりうるのですね)
同年、チャールズ皇子とダイアナ妃結婚。

1992年、ウィンザー城火事。アン王女離婚。

1997年、ダイアナ元妃死去。

2012年、ロンドン五輪開会式にて、
007(ダニエル・クレイグ)のエスコートで飛行機より会場へ着地(?!)

 

王族といっても幸福なことばかりではなく、
家庭の不幸には庶民と変わりなく見舞われるものですね。
ロンドン五輪開会式のことは、私の中でも印象深く残っています。
ナイスな登場でしたねえ。

結局この作品、女王を敬愛する視点ばかりではなくて、
ちょっぴり揶揄するような視点も含まれています。
在位70年ともなれば英国国民は、女王陛下が大好きで、
だけれどちょっと親しみのあまり皮肉ってみたくもなる、
そんな複雑な心境なのかも知れません。
ほとんど「お母さん」という感じなのかも。

それにしても若き日の女王陛下、美人でステキです。
乗馬姿もカッコイイ。

今、この作品をつくっておいたことには意義があるかもしれません。

 

<シアターキノにて>

「エリザベス 女王陛下の微笑み」

2021年/イギリス/90分

監督:ロジャー・ミッシェル

出演:ダニエル・クレイグ、オードリー・ヘプバーン、ジョン・レノン

 

エリザベス女王の魅力度★★★★☆

満足度★★★☆☆

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿