映画と本の『たんぽぽ館』

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轢き逃げ 最高の最悪な日

2019年05月23日 | 映画(は行)

最高の・・・?

* * * * * * * * * *

水谷豊さんの長編映画監督第2作。
完全オリジナル脚本です。



車を運転していた秀一(中山麻聖)と助手席に乗っていた森田(石田法嗣)は、
秀一の結婚式の打ち合わせのため先を急いでいました。
渋滞を避け、抜け道の狭い道を行く途中、若い女性を轢いてしまいます。
気が動転し、このことで起こるゴタゴタが恐ろしく、
森田のそそのかしもあって、そのまま逃走してしまう秀一。

そしてその後二人は、テレビのニュースで被害者が死亡したことを知ります。
いつ轢き逃げのことが明るみに出るのか、そのことに心おののきながらも、
二人は表向き何食わぬ顔をして、秀一の結婚式も終えるのですが・・・。



意外とあっさり警察の捜査は進んで、秀一は逮捕されてしまいます。
本作の見所はその先にある。



水谷豊さんは監督と合わせて出演もしていまして、
轢き逃げで亡くなった娘の父親役です。
一人娘の死に意気消沈する父は、犯人が捕まってもなお、
娘の事をもっとよく知りたいと思い、彼女の身の回りのことを独自に調べ始めます。
特に、彼女の携帯が見当たらないことに不審を覚えたのですね。

実のところ私、真相は予測がついてしまいました。
でも、轢き逃げ犯としてつかまるのか否かというような通常のサスペンスを超えた展開は
なかなか興味深いものでした。
でも、真相が割れた後の人々の心境などを見せる部分は
やや蛇足のように思いました。
ここは真相が割れるところでブッツリと終了させてしまったほうが、
見る者が空に放り出されるような不安感を強調させられたのではないかと・・・。


「最高の最悪な日」・・・どう見てもただの「最悪の日」だろうと思えるのですが、
つまりある人物にとっては「最高の日」だったということなんですね。

<シネマフロンティアにて>
「轢き逃げ 最高の最悪な日」
2019年/日本/127分
監督・脚本:水谷豊
出演:中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、水谷豊、檀ふみ、岸部一徳
不気味さ★★★★☆
満足度★★★☆☆



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