ウーマンパワーを炸裂させたミスコン
* * * * * * * * * * * *
ミス・ワールド、1970年ロンドン大会で実際に起こった騒動を描いたストーリー。
大学に入学したサリー(キーラ・ナイトレイ)は、
女性解放運動家ジョー(ジェシー・バックリー)に出会います。
ジョーたちは女性をモノのように品定めをする
ミスコンテスト「ミス・ワールド」開催を阻止しようと計画していました。
一方、カリブ海の島国グレナダからミス・ワールドに参加したジェニファー(ググ・バサ=ロー)。
夢をかなえたくてこの大会に参加しましたが、
白人の出場者ばかりに注目が集まる状況に複雑な思いを持ちます。
それぞれの思いが交差する中、ついにミス・ワールド開催当日を迎えます。
男性たちが凝視する中、水着姿でスリーサイズまで公開され、品定めされるミスコン。
やはりちょっと何かがおかしい気がしてしまいます。
市場で牛が品定めされるのとまさしく同じ。
女性解放運動の一つの目玉としてミスコンがやり玉に挙がったのには、
象徴的な意味がありそうです。
彼女たちの過激なアピールによって、ショーが中断される騒ぎになったのですが、
これは世界中にテレビ中継されていて、女性解放運動の旗揚げとなったのでした。
しかしまた一方、白人中心の社会で、何かを成し遂げたい黒人女性が、
自らの容姿を武器に乗り込んでくる。
ミスコンはそうしたチャンスの場でもあったというのが面白い所です。
女性解放という一つのテーマだけでなく
人種差別というまた別の観点で語られるのも本作のいいところ。
なかなかに骨太の作品です。
<WOWOW視聴にて>
「彼女たちの革命前夜」
2019年/イギリス/107分
監督:フィリッパ・ロウソープ
出演:キーラ・ナイトレイ、ググ・バサ=ロー、ジェシー・バックリー、
キーリー・ホーズ、リス・エバンス、グレッグ・キニア
歴史発掘度★★★★☆
ウーマンパワー度★★★★★
満足度★★★★☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます