映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

龍三と七人の子分たち

2015年11月30日 | 映画(ら行)
時代に取り残されたジイサンたちの暴走



* * * * * * * * * *

元ヤクザの老人たちのストーリー。
龍三(藤竜也)は、元ヤクザですが、
今は足を洗い息子の家族と同居。
しかし、派手な背中の入れ墨や粗暴な振る舞いのため、
厄介者扱いされています。

お金も居場所もない、わびしい生活。
ある日、昔の組の仲間と集まることにします。
しかし集まった7人も、みな気持ちだけは若いつもりだけれど、
今の世の中には取り残されたような面々ばかり。
そんな時、最近この地域で幅をきかせている「京浜連合」とのいざこざが持ち上がります。
「京浜連合」は、元暴走族のメンバーが立ち上げた会社ですが、
ヤクザではないと言いながら、ヤクザと同じことをしている連中。
オレオレ詐欺や、悪徳訪問販売で儲けているのです。
義憤にかられた龍三たちは、世直しをしようと「一龍会」を結成する!



ビートたけしさんがヤクザの親分かと思いきや、
なんと刑事の役だったんですね。
若いころは、さぞかしヤクザの彼らとしのぎを削ったであろうその関係も伺えて、なかなか良いです。
元ヤクザが、いともたやすくオレオレ詐欺に引っかかりそうになるのもおかしい。
私達が昔から映画などで知っているヤクザの世界も、
今は昔となっているようです。



藤竜也さんは、今もカッコイイですが、
近藤正臣さんも飄々としたところがまたいいですねえ。
NHKの朝ドラ「ごちそうさん」で久しぶりにそのお姿を拝見した時には
ちょっと驚きましたが、年令を重ねてからでないとできない役柄というのがありますね。
やはりどうしても「柔道一直線」の時のイメージが強かったのですが、
今となっては欠かせない御老体役、これも役者さんとして幸せなことなのではないかと思います。



時代に取り残されたジイサンたちの暴走、
なかなか楽しめます。

「龍三と七人の子分たち」

2015年/日本/111分
監督・脚本:北野武
出演:藤竜也、近藤正臣、中尾彬、品川徹、安田顕、ビートたけし

お達者度★★★★☆
満足度★★★.5



最新の画像もっと見る

コメントを投稿