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超高速!参勤交代

2014年07月08日 | 映画(た行)
田舎侍の意地と根性を見よ!!



* * * * * * * * * *

江戸幕府から無理難題をつきつけられた弱小藩のストーリーです。
第8代将軍吉宗の時代。
福島県磐城、1万5000石の小藩である湯長谷藩。
藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)が
ようやく長い江戸詰めから国に戻ったばかりというところに、
あと4日のうちに再び参勤交替せよという命が下る。
これは実は湯長谷の“金山”を狙う幕府老中の陰謀なのでした。
しかし、そのように命じられれば、行くしかない。
それが弱小藩の定め。
藩の財政も底を付く状態で一体どうやって成し遂げようというのか。
通常は8日かかる道のりなのです。
また、あくまでもこの参勤交代を阻止しようとする家老が刺客を放ってくる。
さあ、どうなる!!


福島から江戸くらい馬を飛ばせば早いでしょうに・・・などと思いますが、
参勤交代というのはやたら面倒な制約がどっさりあるのですね。
藩主だけが馬で江戸に行けばいいわけではない。
とにかく人手も資金も必要。



とりあえず、藩主と主だった家臣たちが共に走りだすので、
これはもう、24時間テレビの100キロマラソンどころではない、
ひたすら応援するしかありません。
でも、ただ走るだけではありませんよ。
それと同時に様々な奇策も。


でもこの藩の人々のチームワークがいい。
それも藩主のリーダーシップとお人柄によるところが大、
というところがだんだん見えてきます。
田舎侍の意地と根性を見よ!! 



これというのはつまり、中央に対しての地方の意地ということで、
現在もそのまま通じる話なのです。
コメディタッチでありながら、
しっかり抑えるべきところは抑えていて、非常に楽しめる一作です。



佐々木蔵之介さんはチョンマゲが似合いますねえ・・・。
思慮深く豪胆でリーダーシップも行動力もあって、しかも腕も立つ。
殺陣のシーンもカッコ良かった!! 
こんな上司がいたらいいですよねえ・・・。
憧れますね。
また、時代劇でありながら、この藩主はすごく合理的な思考の持ち主です。
長距離を走るには刀は重くて邪魔。
武士の魂といわれる刀をあっさり竹光に変えてしまいます。
(実のところそれで危機に陥ったりもするのですが。)
いわゆる本格時代劇ならこんなことはありえません。
まさに現代の“時代劇”と言えると思います。


忍者の伊原剛志さん、
ご家老の西村雅彦さん、
おきゃんな深田恭子さんも、みんな良かったなあ。
男性皆さんの飛脚姿、
すなわちフンドシのまるみえヒップもなかなかカッコ良かったです~。


お金さえ頂いてしまえば、後はどうなろうと知ったことじゃない、
そういう忍びの者の心を動かしたのは・・・
万策尽きたと思った時、
手を差し出してくれる人がいたわけは・・・
泣かせどころもツボ!

「超高速!参勤交代」
2014年/日本/119分
監督:本木克英
脚本:土橋章宏
出演:佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志、寺脇康文、上地雄輔、西村雅彦
ミッションの達成度★★★★★
ユーモア度★★★★☆
満足度★★★★★


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (たんぽぽ)
2014-07-09 20:52:48
>kiraさま
日本史の授業で習う「参勤交代」はなんだかよく分からなかったけれど、こういう作品で見れば一目瞭然ですね。
幕府が地方の勢力を疲弊させるだけの制度だなんてねえ・・・。
でも今も、中央のお役人が威張りくさっているのは同じようですが・・・
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こんにちはー☆ (kira)
2014-07-08 21:19:51
中央に吸い取られる地方の貧乏侍の底力!
平和な江戸時代であっても、日々武士のたしなみを忘れず、
文武に励む彼らの心得が、
こんな時に身を援けるんだぁ~、、とか、
おちゃらけているようでもちゃんと筋の通った時代劇で
ホントに面白かったです
>まさに現代の“時代劇”
そうでした♪
知っているようで知らない、忘れていた参勤交代。
実はもの凄~く大変だったのですね(笑)
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